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可能性を広げる mbed アプリケーションボード

RS Components, Global Head of Technical Marketing, Mark Cundle氏

mbedは、迅速なMCUプロ トタイプに合わせて設計され たコンパクトでコスト効果の 高い開発用プラットフォーム として知られ、ARMコアプロ セスをすばやく簡単に導入で きます。

専門の組み込み開発エンジニア から学生や電子工作愛好家ま で、組み込み開発のニーズを満た す初の製品です。mbedの世界に mbedアプリケーションボードという 新しい選択肢が加わりました。

プラットフォーム

mbedプラットフォームはARMによ って設計され、継続的にサポートさ れています。 mbedの基本ボードは NXP LPC1768をベースとして います。強力なARM Cortex-M3 MCUコアを統合し、イーサネッ ト、USB、CAN、SPI、I2Cなどの インターフェイスを搭載しています。 40ピンDIPモジュールとなっており、 ボードサイズはわずか54 x 26mm で、オプションによりUSBポート経 由で電力を供給できます。 モジュー ル自体の周辺機器のインターフェイ ス機能を搭載しておりません。 基本 的には、パソコンへのUSBインター フェイスを備えたプロセッサです。 mbedによると、これは開発者にとっ て非常に意図的な選択であり、一定 の価格域であらゆる周辺機器を網羅 したオールインワンの評価プラット フォームではないということになりま す。 つまり、「設計の余地は無限にあ るが、ユーザーは特定のソリューショ ンを想定して開発を進めているため、 適切な部品や周辺機器を搭載したプ ラットフォームは存在しない」という 考え方です。 さらに、オールインワン のプラットフォームでは、適合に配慮 しなければならないフォームファクタ という要素が付いて回ります。 たとえ ば、エンジニアがクレジットカードサ イズの製品を開発する場合、不要な 部品や周辺機器が詰め込まれた巨大 なボードでは作業が困難になります。 このため、最小限の機能に抑え、ユー ザーがプロトタイプに必要な機能のみ を追加できるようなボード設計を採用 しています。

アプリケーションボード

こうしたすべての条件を考慮して新し いmbedアプリケーションボードを開 発し、LPC1768 Cortex-M3プロ セッサボードで使用するように専用設 計された、ほぼクレジットカードサイズ のデバイスが完成しました。 新しいア プリケーションボードは、膨大な数の電 子エンジニアリング関連の実験や開発 を実行できるように設計されています が、ボードのフットプリントは最小限と なっております。 mbedは、ボードのジ ャンパ配線ピン用に2つの20極ヘッダ を搭載していますが、128 x 32グラ フィックLCD、モーション制御用の3軸 加速度計、温度センサ、ZigBee又は Wi-Fiワイヤレス接続用のソケット、イ ーサネット及びUSBコネクタ、スピー カー及び入出力オーディオジャックな どの機能を提供する、非常に密度の高 いプラットフォームです。

ボード仕様(図1、図2を参照):
1. 128 x 32ピクセルグラフィッ クLCD、SPIインターフェイス 搭載(C12832A1Z)
2. 5方向ジョイスティック
3. ポテンショメータ x 2
4. 3.5mmオーディオジャック (アナログ出力)
5. スピーカー(PWM接続)
6. 3軸±1.5g加速度計、I2C インターフェイス搭載 (MMA7660)
7. 3.5mmオーディオジャック(ア ナログ入力)
8. サーボモータヘッダ x 2
9. RGB LED (PWM接続)
10. USB-Bコネクタ
11. 温度センサ(LM75B)
12. ZigBee (Xbee)又はWi- Fi (RN-XV)用ソケット
13. RJ45イーサネットコネクタ
14. USB-Aコネクタ
15. 1.3mm DCジャック入力


図1: mbedアプリケーションボード


図2: mbedアプリケーショ ンボードの背面

接続

mbedによると、この新しいボード の最大の魅力は、「Internet-of- Things」(IoT: モノのインターネッ ト)を実現するその接続性にあります。 IoTとは、最近話題になっているコンセ プトで、家庭用電化製品や医療機器、 あるいは電球などの物理的なオブジェ クトに自前のコミュニケーション機能を 組み込むことで、データのストリーミン グやWebベースアプリケーションの制 御を可能にする仕組みです。

プラットフォームは、オンボードイー サネットとともに、USBフラッシュド ライブや3Gモデムに接続できる USBホストソケット、ZigBee、Wi- Fi、Bluetoothモジュールをホスト できる「xbee」ソケットが搭載されて います。 さらに、こうした豊富な接続 性に加えて、温度及び加速度センサ、 サーボモータ制御(PWM)、PWM 制御LED、サウンダ、グラフィック LCD、ポテンショメータやボタンも 装備されています。 つまり、このボー ドで実行できる実験を制約出来るの は、ユーザー自身のイマジネーション だけなのです。 もちろん、他の評価ボ ードや開発ボードと同様に、実際のプ ロトタイプの要件にぴったりと一致す ることはまれですが、オンボード2列 ヘッダにより、必要な機能があっても 容易に追加できます。

USBモデムライブラリ

新しいエキサイティングなmbedア プリケーションが追加されたことで、 ユーザーは安価な市販のUSB 3G モデムを使用してmbedマイクロコ ントローラをモバイルネットワーク に接続できるようになり、IoTの可 能性が広がりました。 mbedは先 日、Vodafone USBモデム用のラ イブラリのリリースを発表し、mbed. org開発者向けWebサイト (http://goo.gl/9OQlx)で公開し ました。

このライブラリは新しいmbedアプリ ケーションボードで動作するよう にVodafoneとmbed beta testersが共同で開発したもので、 ユーザーはmbedモジュールとUSB モデムを接続するだけで、すべての 機能が稼動する開発プラットフォー ムを構築することができます。

さらに注目すべき点は、アメリカの Sprintが、mbedのUSBモデムラ イブラリ(http://goo.gl/moLgG) の複製を行っているということです。

アプリケーションは、mbedでサポー トされるNXP LPC1768によるネ ットワーク機能を拡張し、イーサネッ ト、Wi-Fi、3Gの全域をカバーして います。このため、mbedは、インタ ーネット接続にかかわらず、M2Mや IoTデバイスの迅速なプロトタイピン グにも最適です。 利用可能な機能と しては、SMS送受信、TCP/IPソケ ットインターフェイス、NTPクライア ント、HTTPクライアント、Webソケ ットクライアントなどがあり、その他 のプロトコルもサポート可能です。 ラ イブラリは、mbed Wi-Fi及びイーサ ネットライブラリと同じネットワークア ーキテクチャを使用するため、異なる 伝送タイプ間でプロトタイプを切り替 える場合でも、コードを数行変更する のと同じように簡単に変更できます。 IoTのさらに詳しい解説については、 http://goo.gl/b4ppH でビデオ をご覧ください。

mbed開発環境で他 にはない特徴として、 ツールが完全に「クラ ウド」ベースだという 点が挙げられます。ユ ーザーコードは、オン ラインベースの統 合開発環境(IDE)で 記述してコンパイル します。

mbedマイクロコン トローラはエンジニ ア向けWebサイトの www.mbed.org でサポートされます。 このサイトには独自の プログラムも保存 できます。

ツール

最後に、mbed開発ツールにも触 れておきましょう。 mbed開発環境 で最もユニークな特徴として、ツー ルが完全に「クラウド」ベースだと いう点があります。ユーザーコード は、Windows、Linux、Mac OS X上で稼動するオンラインベース の統合開発環境(IDE)で記述してコ ンパイルします。 mbedコンパイラ では、プログラムをC++で記述す ることができ、コンパイルしてNXP LPC1768で実行するためダウン ロードできます。コンパイラはオンラ インで稼動するため、インストールプ ログラムやセットアッププログラムを 実行する必要はありません。 オンラ インコンパイラはARM RealView コンパイルエンジンを使用するため、 市販製品でも使用できる効率的なコ ードを作成できます。 既存のARMア プリケーションコードとミドルウェアも mbedマイクロコントローラに読み込 むことができます。mbedツールは、 他の専門の生産レベルのツールと併 用できます。

mbedマイクロコントローラは エンジニア向けWebサイトの www.mbed.org でサポートされま す。このサイトには独自のプログラム も保存できます。 mbedサイトには、 ブログ、フォーラム、ユーザーによる プログラムライブラリとともに、実稼 動に対応する周辺機器のハイレベル のプログラミング用C/C++ SDKや mbedコミュニティによって公開され たコードサンプルなど、その他の開発 リソースも含まれています。

その他の文献

さらに、Anglia Ruskin大学のDr. Rob Toulsonによるmbedプラット フォーム向けのテキストブックやレク チャーコースノートも用意されていま す。 これらの資料は、 http://goo.gl/C4WP4 又は http://goo.gl/cCqsP でそれぞ れ入手できます。

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