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BeagleBone 再評価

AB Open Ltd, Principle, Andrew Back氏

BeagleBoneの発売から間もなく1年になります。今回 は、BeagleBoneより若干後に発売され、それほど大きな 違いがないのですが、より魅力的で相対的なRaspberry Piと比較してみましょう。


BeagleBoneのポート説明(出典: beagleboard.org)

BeagleBoneが発表されたとき、とてもパワフルなARMプロセッサベー スのSoC、ハッカー特性と低価格が大きな話題になりました。 しかし、さら に安価な同種のRaspberry Piの登場により、BeagleBoneの存在は薄れ ていきました。Raspberry Piは英国の有力メディアに多 く取り上げられ、急速に知名度を上げていきました。

Raspberry Piはその知名度により、他の組み込みプラットフォームの優れ たベンチマークとなり、Raspberry PiとBeagleBoneの詳細を比較するこ とはそれぞれの長所を確認するのに役立ちます。 ここでは主な相違点の比較 だけに留めますが、さらに詳細な比較については公式ドキュメントでご覧いた だけます。

基本システム

Raspberry PiとBeagleBoneは、いずれもSoCを使用し、約 700MHzのARMプロセッサと256MBのRAMを搭載しています。 た だし、BeagleBoneのAM3359 SoCはARMv7コアを使用して いますが、Raspberry Piは旧式のARMv6を使用しています。こ のため、BeagleBoneはデュアル発行型のスーパースカラアーキテ クチャとNEON SIMD拡張機能を利用できます。 実行速度について は、BeagleBoneの1440DMIPSに対し、Raspberry Piは965DMIPS となっております。

いずれのボードにもネットワーク環境とUSBが備わっています が、BeagleBone のイーサネットMACはSoCによって支給されるのに 対し、Raspberry Pi はUSBに依存しない別のチップによってネットワ ーク環境を提供します。つま り、BeagleBoneの入出力スループットは Raspberry Piより高くな ります。

その他の入出力関連の特徴としては、BeagleBoneのミニUSBソケットが デュアルポートUSBハブに接続するという点が挙げられます。この接続は SoC USBとFTDI USBシリアルコンバータにルーティングされ、コンソ ールアクセスやJTAGデバッグに使用されます。 このポートを介した SoC USBアクセスは、SDカードをストレージデバイスとして構成 するか、USB経由のネットワーク環境を提供するように構成できま す。
これに対して、Raspberry PiのミニUSBはボードへの電力供 給にしか使用できません。

Raspberry PiがBeagleBone より優れているのはグラフィック性 能です。Raspberry PiはHDMI とコンポジットビデオの両方に対応し てますが、BeagleBoneの場 合、DVI-Dに対応するために追加で ハードウェアが必要になります。 さ らに、Raspberry Piは3.5 mm ジャックでオーディオを出力し、2つ のUSBホストポートを備えています が、BeagleBoneには1つのポート しかありません。

ハードウェアの拡張

65ピンのGPIOを備えた BeagleBoneは、17ピンの Raspberry Piより拡張性が高く、 混同を避けるためにケープという名 前になっているArduinoシールドと 同様に、2つの46ピンヘッダを使用 してスタッキング可能な拡張ボードを サポートします。

BeagleBoneハードウェアもサポー トされています。さらに、Ubuntu、 Gentoo、Fedora、Android用の イメージもあります。


BeagleBone Breadboard Cape (© CircuitCo, GFDL v1.3)

オペレーティングシステム

Raspberry PiはOSなしで出 荷されますが、Debianベースの Raspbianという形で公式Linux ディストリビューションは支給され ています。 一方、BeagleBone は、microSDカードにオングスト ロームLinuxがプリインストールさ れ、httpd及び開発ツールがインスト ールされた状態で出荷されます。

Raspberry Pi用の別のLinuxデ ィストリビューションにはDebian armelポートとArchLinuxがあ り、FreeBSDサポートも今後追加さ れる予定です。

これらはすべてBeagleBoneハ ードウェアでもサポートされます。さ ら、Ubuntu、 Gentoo、Fedora、 Android用のイメージもあります。


デフォルトのhttpd構成で表示さ れたBeagleBoardのスライド

ソフトウェア開発

これらのボードはいずれもLinuxが 稼動し、GPIO、I2C、SPIなどのドラ イバやライブラリも揃っているため、 開発者は多数のプログラミング言語 のいずれかで環境を整えることがで きます。

ただし、PythonはRaspberry Pi財団がサポートしている「教育 的言語」ですが、BeagleBone はCloud9 IDEが構成された状 態で出荷され、ブラウザ経由で JavaScriptのプログラミングが可 能です。

これはhttpdとBeagleBone自体 で稼動しているサーバー側のnode. jsによるもので、リモート形態のイン ターネットベースサービスには依存し ていません。


サンプル開発を読み込んだブラ ウザベースのCloud9 IDE

BeagleBoneが発表 されたとき、とてもパワ フルなARMプロセッ サベースのSoC、ハッ カー特性と低価格が大 きな話題になりました。

しかし、さらに安価な 同種のRaspberry Piの登場によって BeagleBoneの存在 が薄れるまで長くはか かりませんでした。

プロトタイピング

Raspberry Piは、教育機関でコ ンピュータサイエンスの教育を促 進するためのツールとして設計さ れ、Broadcom SoCとそのドキュメ ントは、記述時に大口顧客にしか提供 されません。

これに対して、BeagleBoneは、自 由なライセンスによるハードウェア設 計のプロトタイピングにより適してお り、「クローン」が推奨されておりま す。AM3359 SoCは、より少ない 工数で詳細な技術ドキュメントをオン ラインから入手可能です。


BeagleBoneブロック図の詳細(出典: beagleboard.org)

まとめ

学習と基本的な実験を目的とする場面で は、Raspberry Piと大規模なユーザーコミュニ ティが有効です。一方、コンパクトで十分にパワフ ルなビデオサポート付きの組み込みLinuxプラッ トフォームを必要とする場面では、Raspberry Piはコスト面で不利になります。

BeagleBoneはRaspberry Piより価格が高 いかもしれませんが、依然としてコストパフォーマ ンスが高く、ハードウェアのプロトタイピング、豊 富な処理能力や入出力スループット、GPIOが必 要な開発などの用途では、Raspberry Piより 確実に優れています。

さらに、BeagleBoneのターンキー開発環境 は、Web開発の知識やJavaScriptの経験を持 つエンジニアにとって魅力的に映るはずです。

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