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宇宙開発の可能性を広げる、
超小型衛星。
小型化という革新に
貢献したRSのデバイス。

東京大学
航空宇宙工学専攻 教授
中須賀 真一 工学博士

一般の部品でも、人工衛星は作ることができる

RSの部品を積むCubeSat
「XI-Ⅳ(サイ・フォー)」

1辺わずか10cm、重量1kg。手のひらに収まる人工衛星が、地球軌道上を周回していることをご存じだろうか。これまでの概念を変えた革新的な超小型衛星(CubeSat)「XI(サイ)」シリーズ。その開発者が、東京大学の中須賀 真一教授である。

「人工衛星としてはひまわりやGPSなどが有名ですが、まだまだ人工衛星のメリットや宇宙の価値が社会に浸透していないと感じていました。もっと多くの人が衛星を利用するためには、1機数百億円という大規模な宇宙開発とはまったく違う道を目指そうと思ったのです。」

誰もが挑戦したことがない人工衛星の小型化。だが、中須賀教授は10cm立方という限られたスペースに、カメラはもちろん、送受信のための電子基板アンテナ電源などを効率良く凝縮することで、世界初となる超小型人工衛星を作り上げた。しかも驚くのは、使用する部品は1つ数千万円と言われる宇宙専用部品ではなく、ほとんどが一般の部品。この柔軟な発想により、開発コストと開発期間を同時に削減することができたのだ。

「衝撃や熱、放射線などに対する厳しい試験は必要ですが、一般部品でも製造や設計がきちんとしていれば宇宙でも適用できます。RSで購入したCPUメモリも宇宙を飛んでいますよ。」必要な部品がすぐ届く即日出荷の他にも、RSで部品を入手することのメリットは大きいと中須賀教授は付け加える。一度宇宙で使用した部品は、それが次のスタンダード部品となるからだ。その部品を情報資産として多くの研究者と共有することができれば、さらなる開発コストのダウンにつながり、人工衛星開発の裾野はより一層広がっていく。

中須賀教授は2003年の「XI-Ⅳ」に引き続き、2005年には「XI-Ⅴ」の打ち上げにも成功。2つの衛星は長い年月を過ぎた今も、研究室内のミニ管制室からの指示に応じて、詳細な衛星写真を送信し続けている。

パーソナル衛星が広がれば、生活環境は一変する

「XI-Ⅳ」・「XI-Ⅴ」の成功は、2009年に打ち上げたリモートセンシング衛星「PRISM」や、すでに完成し打ち上げの時を待つ、星の位置天文観測を行うための「Nano-JASMINE」にも受け継がれている。

「人工衛星はただ作るだけで満足していてはダメです。社会にどう役に立つのか。そうしたミッションを載せること、つまり“ものづくり”と同様に“ことづくり”も重要なんです。」事実、中須賀研究室の学生たちは設計や製作だけでなく、ミッションの構想からシナリオの作成、試験、打ち上げ、運用といったすべてのプロセスを、小型化によって短縮された約2年という期間の中で学んでいく。シミュレーションでは決して得られない実践的なプロジェクト。その経験は、卒業後も宇宙開発の領域で即戦力として寄与しているという。

国立天文台と共同開発した
「Nano-JASMINE」

人工衛星の小型化が進めば、大規模衛星では対応が難しかった農作物の変化や赤潮の発生など、きめ細やかな観測ニーズにも応えることができる。また、地方自治体レベルで災害の状況を瞬時に把握するといった使い方も可能になるという。社会に、これまでなかった“宇宙から地球を監視する目”という新たな価値が生まれるのだ。

少年時代、アポロ11号の帰還に感銘を受け、宇宙開発の道を志した中須賀教授は衛星の未来像をこう予測する。「パーソナル衛星、マイ衛星というように個人レベルでの活用が増えれば、私たちの生活環境は一変するはずです。インターネットが情報革命を起こしたように、宇宙の世界でも同じ事が起こらないとは言い切れませんから。」

我々の暮らしを大きく変える、超小型人工衛星の開発。ロマンあふれるそのあくなき挑戦を、RSは独自のサービスと部品でこれからも支え続けていく。

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