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    タクタイルスイッチ

    タクタイルスイッチとは?

    タクタイルスイッチは、押下時に手指に伝わる「クリック感」が特徴の入力用スイッチです。小型で高感度な操作が可能であり、電子機器や産業機器の操作パネル、リモコンなど幅広い分野に利用されています。日本国内では「タクトスイッチ」とも呼ばれ、家庭用機器から産業用途まで広く普及しています。

    タクタイルスイッチの仕組み

    タクトスイッチは、スイッチを押すことで内部の導電部が接触し、電流が流れることで信号を送る仕組みです。指を離すと接点が元の位置に戻り、回路が遮断されます。

    この動作により、短時間だけ通電する「モーメンタリ動作」が得られ、押した瞬間だけ動作する制御が可能になります。照光タクトスイッチのようにLEDと組み合わせることで視認性も高まり、設置機器のインターフェース性を向上させることができます。

    タクトスイッチは、操作時に軽いクリック感が得られるため、使用者が確実な操作感を得やすくなっています。これにより、視覚に頼らずとも機器操作を認識できることから、点検・調整作業が多い国内の製造業や交通制御設備などに最適です。

    また、部品自体がコンパクトであることから、近年増加しているIoT機器や小型AI制御ユニット、住宅用リモコンやポータブル医療機器など、限られたスペースに電子部品を搭載する分野でも活用されています。特に再生可能エネルギー分野では、制御装置やインバータのユーザーインターフェースに多く採用されています。

    タクトスイッチとプッシュスイッチの違い

    一見すると似た構造のタクトスイッチとプッシュスイッチですが、操作感や用途、構造にいくつかの違いがあります。

    タクトスイッチはモーメンタリ型で、押したときのみ回路が閉じ、手を離すと元の状態に戻ります。これに対し、プッシュスイッチは一度押すとオン、再度押すとオフのように状態を保持するラッチ動作が可能なものも多くあります。

    また、タクトスイッチは比較的短いストロークと明確なクリック感があり、精密な入力に適しています。プッシュスイッチは一般に構造が大きめで、高電流・高電圧の操作に向く場合が多く、タクトスイッチが主に信号入力用途に使われるのに対して、プッシュスイッチは電源やモード切替などに使用されることが多いです。

    タクタイルスイッチの種類

    タクトスイッチには多種多様な種類があり、用途や設置環境に応じて適切なスイッチを選ぶことが重要です。形状、作動方式、照光の有無、サイズなどによって分類され、それぞれの特性に応じた設計が可能です。

    • 標準タクトスイッチ:最も一般的なタイプで、家庭用リモコンやオフィス機器など幅広く使用されます。
    • 照光タクトスイッチ:LEDを内蔵し、押下状態や機器の状態を光で示すタイプ。視認性が重要な制御パネルに最適です。
    • 防塵・防水タクトスイッチ:IP65やIP67などの保護等級に対応し、屋外や湿度の高い場所での使用に向いています。
    • 超薄型タクトスイッチ:高さが1mm未満の製品もあり、スマートデバイスや小型IoT機器に採用されます。
    • ロングストローク型タクトスイッチ:通常よりストローク量が長く、クリック感を強調したタイプ。操作性を重視した製品設計に活用されます。
    • ソフトタッチタクトスイッチ:クリック感を抑え、静かな操作音が特徴。医療機器や家庭用機器に多く使われています。

    タクタイルスイッチの利点

    タクトスイッチには、さまざまな利便性と導入メリットがあります。

    • 明確な操作感:視覚に頼らなくても操作が確認できるため、ブラインド操作が多い産業用途に最適。
    • 小型・軽量:限られたスペースにも実装可能。例:医療用モニタや小型通信装置。
    • モーメンタリ動作:一時的な信号入力に適しており、誤操作を防ぎやすい。
    • 長寿命:1,000万回以上の押下に耐える製品もあり、高頻度使用にも対応。
    • 低コスト:高性能でありながら比較的安価であり、量産機器に採用しやすい。

    一方で、以下のような注意点もあります:

    • ラッチ動作が必要な場合には適さない
    • ストロークが短すぎると押下感が弱いことがある
    • 屋外用途には保護等級に注意が必要

    タクタイルスイッチの選び方

    操作性や設置環境などの要件を満たすためには、各特性を比較しながら適切なスイッチを選ぶことが重要です。

    • 実装方式:スルーホール実装は強度が高く、メンテナンス性に優れています。表面実装(SMD)は省スペース設計に向き、ハイブリッド型やラジアル型も一部の設計で用いられます。
    • アクチュエーターの種類:モーメンタリ型が一般的ですが、プランジャー型やキャップ型、ロッカー型などがあり、用途に応じて形状を選択します。
    • 動作方式:オフ・オン型やSPST(単極単投)に加え、SPDT(単極双投)やDPDT(複極双投)などの動作タイプもあり、必要な回路構成に応じた選定が可能です。
    • 押下力:操作感を左右する要素であり、軽いものでは100gf以下、重いものでは500gf以上まで選べます。ユーザーインターフェースの快適性に影響します。
    • ボタン色:視認性やデザイン性を考慮し、黒、白、グレー、赤などのカラーバリエーションから選ぶことができます。用途に応じて色分けすることで誤操作防止にもつながります。

    タクタイルスイッチの用途

    タクトスイッチは、日本の幅広い分野で活用されています。

    • 医療機器:ポータブル心電計、点滴コントローラの操作部など
    • 交通インフラ:駅構内の機器設定、信号操作パネル
    • 産業用ロボット:ティーチングペンダントのボタン類
    • 再生可能エネルギー:太陽光インバータの設定パネル
    • 民生機器:TVリモコン、電子レンジ、炊飯器の操作ボタン
    • IoT機器:状態リセット用スイッチやモード選択スイッチ

    タクタイルスイッチの代表的メーカー

    日本国内外で高い信頼性を持つメーカーの製品を選ぶことで、品質と操作性の両立が期待できます。

    • RS PRO:RSグループのプライベートブランドで、コストパフォーマンスに優れた幅広い電子部品を提供しています。
    • TE Connectivity:信号・電源接続に強みを持つ大手メーカーで、堅牢性と信頼性の高いスイッチ製品を展開。
    • Omron(オムロン):高い信頼性と幅広いラインナップ。国内産業用途との親和性が高い。
    • Panasonic(パナソニック):照光スイッチなど高機能製品が充実。家庭用から産業用まで展開。
    • C&K:欧州を中心にグローバル展開。高耐久タイプも多く、航空機器などにも使用。
    • Wurth Elektronik:高品質な受動部品・スイッチを展開するドイツ企業。産業用設計との相性が良好。
    • 日本開閉器工業(NKK Switches):産業向け制御機器の分野で高評価。操作感と堅牢性が特徴。

    これらのメーカーから選定することで、用途に適した最適なタクトスイッチを見つけやすくなります。

    タクタイルスイッチ用RSコンポーネントのご紹介

    RSは、日本全国で使用されるタクタイルスイッチの世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たすタクタイルスイッチを提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広いタクタイルスイッチを卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。

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