- 発行日 2026年7月27日
- 最終変更日 2026年7月27日
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圧力計とは?種類・仕組み・選定方法を徹底解説
ゲージ圧の概要や圧力計の動作原理について解説します。本記事では、アナログ圧力計とデジタル圧力計の種類、仕組み、用途など、圧力計に関する重要なポイントを分かりやすく紹介します。

圧力計とは?
圧力計とは、気体または液体の圧力を測定するための計測機器です。圧力は、大気圧を基準としたゲージ圧、真空を基準とした圧力、または2点間の差圧として測定されます。圧力計の基本原理や役割を理解することは、さまざまな工業用途や設備管理において適切な計測・監視を行うために重要です。
圧力計は、さまざまな用途や業界で広く使用されています。測定方式や測定範囲の異なる多くの種類があり、対象となる流体の種類、圧力範囲、設置環境に応じて適切なものを選定する必要があります。
圧力計の測定単位
圧力を測定する際には、用途や業界に応じてさまざまな単位が用いられます。
- ポンド毎平方インチ(psi) - 主に北米で用いられるヤード・ポンド法の圧力単位で、自動車業界や産業分野で広く使用されています。
- バール(bar) - 欧州を中心に広く使用される圧力単位です。1 barは100 kPaであり、海面上の標準大気圧(101.325 kPa)にほぼ相当します。
- パスカル(Pa)/キロパスカル(kPa) - SI(国際単位系)の圧力単位で、1 Paは1 m²あたり1 Nの力が加わる圧力を表します。1 barは100,000 Paに相当し、実務ではkPaやMPaがよく用いられます。なお、日本の計量法ではPaが法定計量単位とされています。
- ミリバール(mbar) - 主に気象分野で大気圧の表記に使用される単位です。
ゲージ圧とは?
ゲージ圧とは、標準大気圧を基準として測定される圧力のことです。言い換えると、大気圧との差として表される圧力を指します。ゲージ圧は、barやpsiなどのさまざまな単位で表され、世界中で広く使用されています。また、測定対象の圧力が大気圧より高い場合は正圧、低い場合は負圧として示されます。
圧力計の用途
圧力計にはさまざまな種類があり、幅広い用途で使用されています。ボイラーや暖房設備、タイヤ空気圧モニタなどの身近な機器にも搭載されているほか、以下のような多様な産業分野でも活用されています。
- 自動車
- 医療
- 食品・飲料
- 製造業
- エネルギー
以下では、これらの汎用性の高い計測機器である圧力計の主な用途について詳しく解説します。
油圧計
油圧計は、各種システムにおける油圧の測定と監視に使用される圧力計です。自動車エンジンの油圧管理によく用いられるほか、産業機械や油圧設備など、幅広い用途で活用されています。
油圧計は、以下のような用途で使用されています。
- 自動車
- 産業用潤滑システム
- 切削油供給システム
水圧計
水圧計は、配管システムや給水設備内の水圧を測定するための圧力計です。主に配管・水道関連分野で使用されるほか、家庭用設備の圧力監視にも利用されます。なお、水道本管に用いる大口径・高耐久の水圧計は、専門的な設備保守や点検用途向けに設計されています。
空圧計
空圧計は、空気圧システムや空気圧機器の監視・試験に使用される圧力計です。エアコンプレッサー、エアシリンダー、タイヤ空気圧計など、さまざまな空圧機器や装置で使用されています。空調・換気分野では、微小な圧力差を測定できる微差圧計が用いられます。
空圧計は、以下のような項目の測定や評価に使用できます。
- ファンの効率
- フィルターの状態
- 流速(ピトー管を使用)
- 空気供給圧力
ボイラー用圧力計
ボイラー用圧力計は、ボイラーや暖房システム内の水圧を表示・監視するための計測機器です。一般的なボイラー用圧力計は、大気圧を基準としてシステム内の圧力(ゲージ圧)を測定します。これらのシステムで扱われる水圧は比較的低く、家庭用の温水暖房システムでは通常1〜2 bar程度で運転され、上限でも4 barを超えない範囲で運用されます。
ボイラー用圧力計には、デジタル式とアナログ式があり、用途に応じて選択できます。また、多くの製品は大型の文字盤を採用しているため、離れた場所からでも測定値を容易に確認できます。この特長は、ボイラーや暖房設備の周辺など、狭い場所での点検・保守作業において特に有効です。
圧力の計算方法
ゲージ圧は、システム内の圧力を大気圧に対する相対値として示す圧力です。ゲージ圧の計算式は次のとおりです。
Pg = P - Pₐ
ここで、
- Pg:ゲージ圧
- P:絶対圧
- Pₐ:局所大気圧(周囲の大気圧)
各圧力の定義は以下のとおりです。
- 絶対圧:大気圧を含めた、システム内の総圧力を表します。
- ゲージ圧:大気圧を基準とした相対的な圧力を表します。測定対象の圧力が大気圧より高い場合は正圧、低い場合は負圧となります。
圧力計の種類
圧力計にはさまざまな種類があり、それぞれ用途や使用環境に応じて最適な性能を発揮します。一般的な丸形のアナログ圧力計は最も広く使用されているタイプの一つですが、産業用プロセス圧力計は、高負荷環境や頻繁な使用を伴う用途に適しています。
以下では、代表的な圧力計の種類とその特徴について解説します。
アナログ圧力計
従来型の圧力計の多くはアナログ式です。アナログ圧力計は、ブルドン管などの弾性圧力素子と指針(針)、機械式の内部機構によって圧力を測定・表示します。電源が不要で汎用性・信頼性に優れており、幅広い用途で使用されています。なお、アナログ圧力計を使用する際は、通常の使用圧力が目盛範囲(フルスケール)の約50%となるように選定することが推奨されます。これは、目盛の中央付近が最も精度が高く、また圧力素子への負担を抑えて寿命を延ばせるためです。
デジタル圧力計
近年の圧力計には、電子式やデジタル式のものが広く使用されています。これらの圧力計では、一般的にダイヤフラムとひずみゲージを用いて圧力を検出します。デジタル表示により測定値を見やすく表示できるほか、データの記録や管理も容易に行えます。
差圧計
差圧とは、2つの圧力間の差を表す圧力です。そのため、差圧計は2つの測定ポート間の圧力差を測定するために使用されます。なお、差圧は正の値にも負の値にもなり得ます。フィルターの目詰まり監視、クリーンルームの室圧管理、オリフィスによる流量測定など、2点間の圧力差そのものが管理指標となる用途で広く使用されています。
絶対圧力計
絶対圧力計は、絶対真空を基準として圧力を測定します。基準が完全真空であるため、絶対圧は常に正の値で表され、理論上の下限は0となります。このタイプの圧力計は、高度計、気圧計、真空システム、大気圧測定設備など、大気圧の変動による影響を排除したい用途で広く利用されています。
油圧計
油圧計は、高圧に対応できるよう堅牢に設計された圧力計で、機種によっては数百barの測定レンジを備えています。油圧機器は脈動や振動を伴うことが多いため、指針のぶれを抑えるグリセリン封入式(液封式)が採用されることが一般的です。
気圧計
気圧計は、空気の圧力(大気圧)を測定するための計測機器です。主に気象分野で使用され、測定データは天気予報の作成や気象パターンの分析・予測に活用されています。
圧力計の仕組み
圧力計の種類によって、圧力を測定する仕組みは異なります。例えば、アナログ圧力計では一般にブルドン管が用いられるのに対し、デジタル圧力計ではひずみゲージなどの電気式センサが使用されます。なお、アナログ式にも低圧測定に適したダイヤフラム式やベローズ式があり、測定範囲に応じて使い分けられます。圧力計の動作原理をより深く理解するために、以下でその仕組みを詳しく解説します。
アナログ圧力計の仕組み
アナログ圧力計には、湾曲したブルドン管が使用されています。ブルドン管は、断面が扁平(楕円形)の金属管を円弧状に成形した部品です。内部に圧力が加わると断面が円形に近づこうとし、その結果として湾曲した管が伸びる方向に変形します。これにより、閉じられた自由端が変位し、その動きがリンク機構とセクターギヤ・ピニオンを介して指針に伝達されます。圧力が上昇すると指針は文字盤上を時計回りに回転し、対応する圧力値を表示します。
デジタル圧力計の仕組み
デジタル圧力計には、マイクロプロセッサと高性能センサが搭載されています。これらを利用して圧力を高精度に測定し、測定値をディスプレイやデジタル表示器に分かりやすく表示します。多くのデジタル圧力計には、ひずみゲージセンサが採用されています。ひずみゲージは、圧力によってダイヤフラムがわずかに変形する際に生じる電気抵抗値の変化を検出するセンサです。この微小な抵抗変化をホイートストンブリッジ回路で電圧信号に変換し、増幅・演算することで圧力値を算出して表示します。
圧力計の読み方
圧力計を正しく読み取るためには、使用している圧力計の種類を理解し、目盛や表示値を適切に確認することが重要です。以下では、圧力計の測定値を正確に読み取るための手順を紹介します。
- 圧力計の種類を確認する: 使用している圧力計がアナログ式かデジタル式かを確認します。
- 目盛と単位を確認する: 圧力計で使用されている測定単位(bar、psi、Paなど)を把握します。
- ゼロ点を確認する: 測定前に、圧力を開放した状態(大気圧下)で指示値がゼロを示していることを確認します。ゼロ点がずれている場合は、ゼロ点調整機構による補正、または校正が必要になります。
- 測定値を読み取る: アナログ圧力計の場合は、指針が示している位置を確認し、目盛上の対応する数値を読み取ります。デジタル圧力計の場合は、必要に応じて電源を入れ、ディスプレイに表示された数値を読み取ります。
以上の手順を実施することで、アナログ式・デジタル式を問わず、圧力計の測定値を正確に読み取ることができます。
アドバイス: 圧力計を読み取る際は、視差誤差を防ぐため、文字盤と目線の高さを合わせましょう。
圧力計の主要メーカー
圧力計メーカーは、さまざまな用途向けの高品質な製品を提供しています。メーカーによって取り扱う製品の種類や仕様が異なるため、用途に適した製品を選定することが重要です。代表的なメーカーを以下に紹介します。
圧力計の取り付け方法
圧力計の取り付け方法は、機種や用途によって異なります。圧力計にはさまざまな種類があるため、取り付けの際は各製品のメーカーが指定する取扱説明書や設置手順に従うことが重要です。
多くの圧力計にはねじ接続部が設けられており、用途や圧力計の種類に応じてマニホールドや配管継手に取り付けます。ただし、ねじ接続部の位置は製品ごとに異なるため、取り付け方向や設置場所は接続部の配置に応じて決定する必要があります。締め付ける際は、必ず接続部の六角部にスパナをかけ、ケース本体を回して締め付けないよう注意してください。内部機構の破損や漏れの原因となります。
圧力計の校正方法
圧力計の校正とは、測定器の精度を確認し、必要に応じて調整・補正を行う作業です。このような計測機器は、使用期間の経過とともに測定精度が徐々に低下することがあるため、定期的な校正が重要となります。校正を実施することで、圧力測定の精度と信頼性を維持できます。特に、高い測定精度が求められる産業分野や用途では、適切な校正が不可欠です。
圧力計の校正方法には、大きく分けて2つの方法があります。1つ目は、校正機関や専門の校正ラボへ圧力計を送付する方法です。専門技術者が国家標準へのトレーサビリティが確保された標準器を用いて精度を確認するため、高い信頼性を確保でき、校正証明書の発行を受けられます。2つ目は、携帯型の圧力校正器を使用する方法です。これらの機器は、ポンプや手動レバーによって基準圧力を発生させ、その圧力と圧力計の指示値を比較することで、必要に応じて調整や補正を行うことができます。
圧力計の再校正時期に関する一律の基準はありません。必要な校正頻度は用途や使用環境によって異なり、特に高い測定精度が求められる業界や設備、あるいは振動・脈動・高温などの過酷な条件下で使用する場合には、より頻繁な再校正が必要となります。
圧力計の精度は、以下のようなさまざまな要因の影響を受けます。
- 機器の種類
- 機器の品質
- 使用目的
- 使用頻度
- 使用環境と保管環境
- 前回の校正から経過した期間
- 機器の使用年数
再校正の実施時期は、使用条件や運用方針に応じて使用者が決定する必要があります。一般的な目安として、多くの産業用途では年に1回程度の校正が推奨されています。






