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    オープンソース・オートメーションの活用

    産業オートメーションでは長い間、プロプライエタリのハードウェア、ソフトウェア、および通信製品に頼ってきました。プロプライエタリ製品は、PC、Ethernet、仮想化といった多くの商用テクノロジーを漸次搭載しながら、無数のアプリケーションに頼もしいリアルタイムのコントロールと可視化を提供し、何十年も産業界のベテラン勢を支えています。しかし、従来型製品は最新のクラウドやIIoTテクノロジーと統合しづらい場合もあり、自由も制限されています。

    最新テクノロジーとの連携、汎用性向上のために産業界が次にとるべき行動は、オープンソース・テクノロジーの採用です。本稿では、オープンソース採用によるメリットについて展開します。

    オープンとプロプライエタリ

    テクノロジーは、「オープン」で非常に低価格または無料で誰もが利用できるか、「プロプライエタリ (クローズド)」で利用するためには厳格に定められたライセンス料などを支払う必要があるかのどちらかです。

    これまでの産業オートメーションでは、数十年間、以下の製品が徐々に改善され、利用されてきました。

    • プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)
    • 入出力モジュール(I/O)
    • オペレーター・インターフェース端末(OIT)
    • ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)ソフトウェア
    • 先行製品を使用して構築されるSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)システム

    多くのオートメーション・テクノロジーはこれまで、その高度な特殊性により大部分はプロプライエタリでした。プロプライエタリーのテクノロジーは、目的に沿った性質を持つため効果的ではありますが、エンド・ユーザーの頭痛の種になることもあります。複数のシステムを学び、使用料を支払い、相互互換性がなく1社からしかサポートを受けられないデバイスに苦労させられるからです。

    一般的にエンド・ユーザーは、特に商業的進歩から得られたオープンな産業テクノロジーを強く支持します。これらのテクノロジーのほうが、規模の経済により安価で、アクセス性がはるかに優れています。オープンソース・ソフトウェア・プロジェクトでは、大規模な開発者グループが画期的なコードを作成し、非常に低価格または無料で誰でも調査、修正、または利用できるライセンスが付与されます。身近な例としては、商業市場で誕生して価格が下がり、産業アプリケーションへの適用性も非常に高いEthernetが挙げられます。オープンなテクノロジーは相互連携が必ずしも保証されているわけではありませんが、一般的には利点が問題点を上回ります。

    また、オープンソースの産業オートメーション・プラットフォームは一般的にLinuxの特定のバージョンを使用して構築され、PLC、I/O、およびHMIの機能性を提供する組み込み機能が、多くの場合1つのパッケージで提供されます。さらに、ユーザーはアプリケーションごとに必要な数のカスタム・エレメントを追加でき、過剰な費用を負担することなくすばやく変更を加える柔軟性を手に入れることができます。

    オープンソースのコンセプトが産業オートメーション向けの製品に利用され始めたのはここ最近ですが、従来の製品と同等以上の性能で、エンド・ユーザーに無数の追加オプションを提供する製品クラスが誕生するという成果をもたらしました。

    オープンソースによる強化

    産業オートメーションの利用者は従来のテクノロジーの制限に詳しく、その回避方法を見つけるために時間を費やすこともしばしばです。最も包括的なオープンソース・オートメーション・プラットフォームには、IEC 61131の標準プログラミング言語のような基本機能が装備されているため、ユーザーは難しい設定を行う必要なく作業を開始できます。アプリケーションとプラットフォーム間でのコードの移行を実現することで、制約をなくして門戸を開放します。オープンソース・プラットフォームでは、すべてのユーザーが並行して、最高のソリューションの実現に向けて作業を行うことができます。

    また、IIoTの面からみても、オープンソース・プラットフォームはIIoTデバイスをクラウドに簡単に接続することができます。スマート・センサーやシステムなどのIIoTデバイスには接続機能が組み込まれており、この接続機能は多くの場合ワイヤレスです。これらは、オープンソースのコントロール製品の標準装備で利用できるMQTTなどの比較的新しいITベースの通信プロトコルと親和性があります。さらに、オープンソースのコントロール製品は、アマゾン・ウェブ・サービス、Azure、Google IoTなどのクラウド・ベースのプラットフォームにも簡単に接続できます。エンド・ユーザーはデータを収集して分析し、より良い成果を達成できるのです。

    オープンソースの採用へ

    今日の産業界ユーザーは、オートメーションの選択肢を増やし、IIoTを搭載し、接続性と可視性を改善する方法を模索しています。オープンソース・プラットフォームは柔軟性が高く、データ処理において既存のシステムと合わせて導入できます。また、柔軟性と拡張性を備えているため、エンド・ユーザーは小規模なテスト・システムから始めて必要に応じて拡張することや、次回のプロジェクト全体をオープンソースのハードウェアとソフトウェアで実行することができます。

    リアルタイムとデータ可視化のためのオープンソースは、革命的です。