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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2024年1月18日
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    RCBOとは?機能と配線方法・調整方法を紹介

    適切なRCBOを選択するには、検討すべき多くのことがあります。詳細は、弊社の包括的なRCBOガイドをご覧ください。

    RCBOとは

    RCD(residual current device)またはRCCB(residual current circuit breaker)の漏電遮断器により、電気をすばやく遮断することで、長引いて重大な状態に陥る可能性のあるショックを防止できます。過電流保護機能完備のRCDデバイスは、RCBO(過電流保護機能付き漏電ブレーカー)と呼ばれます。

    RCBOの主な機能は、地絡電流、過負荷、短絡電流を確実に防止することです。RCBOはそれぞれ分離した回路に接続することが推奨されます。1つの回路の故障が他の回路の機能に影響しないようにするためです。これらのデバイスにより、電流が不均衡になった場合に人と機器を保護するための回路の遮断が可能になります。これらは定格の短絡容量内で、他の過電流保護装置に対して排他的に動作可能です。

    RCBOの設計およびテスト要件については、次の一連の標準で規定されています。IEC/EN 61009: Residual current circuit-breakers with integral overload protection for household and similar uses (RCBO)(住宅および類似設備用漏電ブレーカー− 過電流保護装置付き(RCBO))

    RCCB (Residual Current Circuit Breaker)

    前述のとおり、RCCBは電気供給をすばやく遮断することで、重大かつ持続的な電気ショックを防止するように設計されています。ただし、初期ショックの後に人が倒れたり、両方の導体を同時に触ったりしてしまった場合、傷害のリスクはやはり残ります。

    ブレーカー により、回路の供給導体と帰路導体の間に不均衡な電流が検出された時点で、回路をすばやく自動的に遮断することができます。導体内の電流間に漏電を示す差異が生じると、必ず感電事故が起こります。

    RCD装置は供給の自動遮断 (ADS) 内の必須コンポーネントで、人の介入に頼ることなく、電源供給を自動遮断できるようにするものです。これらの装置は、30mAを超える (人体を通る) 漏電が検出されたら、25-40ミリ秒以内に動作する必要があります。ただし、これは32Amps未満の独立回線のみに当てはまるという点に注意することも重要です。

    RCBOの意味

    RCBOとは、過電流保護装置付き漏電ブレーカー (residual current circuit breaker with overcurrent protection) を意味します。これらの装置は、不均衡が検出されたら常に遮断を実行することで、電気回路の安全な動作を確保するように設計されています。これらは主に、過負荷の防止と地絡電流に対する短絡の防止を組み合わせる目的で使用されます。

    RCBOの機能

    前述のように、RCBOは2つのタイプの電気事故に対する防御を確保します。これらの事故の1つ目は、漏電または地絡です。これは回路に不慮の破損がある場合に発生するもので、誤配線やDIYの事故 (電動植木ばざみの使用時にケーブルを切ってしまったような場合) の結果として生じることがあります。電源供給が遮断されなければ、その人は死に至る可能性がある電気ショックを経験することになります。

    もう1つのタイプの電気事故は過電流で、過負荷や短絡という形を取ることがあります。最初の例では、電気デバイスの数が多すぎて回路に負荷がかかりすぎ、電力伝送がケーブルの容量を超えてしまうことになります。短絡も、不十分な回路抵抗とアンペア数の高レベルな乗算の結果として発生することがあります。こちらの方が過負荷よりも大きなレベルのリスクと結び付きます。

    次の表では、各種RCBOを確認できます:

    RCBOの機能

    RCBOの選び方

    それでは、RCBOの選び方について見ていきましょう。

    用途と目的にあわせた種類を選ぶこと

    まずは用途と目的にあわせた種類を選ぶことが選び方の基本です。たとえば、ケースにより使用するRCBOは次のように異なります。

    ケース別のRCBOの選定

    • 規模の小さい設備で分電盤内に設置するケース:高感度高速形
    • 規模の大きな設備で必要な部分にのみ設置するケース:高感度高速形
    • 分岐開閉器として設置するケース:中間度時延形
    • 必要な部分にのみ設置しD種接地があるケース:中間度高速形
    • 必要な部分にのみ設置し特定の機器が対象であるケース:高感度高速形

    以上のように、RCBOは用途と目的にあわせて適切な種類を選びましょう。

    使用電圧に対し適切なRCBOを選ぶこと

    使用電圧に対し適切なRCBOを選ぶことも大切です。価格の安い製品の中には対応する電圧が低く、高い電圧の回路の中に組み込むと、基盤が焼けてしまうこともあります。組み込む回路の電圧をあらかじめ確認し、電圧の高さに適したRCBOを選んでください。

    適切な価格のRCBOを選ぶこと

    RCBOが適切な価格であることも選定の基準です。価格が安い製品は対応電圧が低い傾向にありますが、高価な製品ではコストアップにつながります。使用目的にあったRCBOの中から、性能と価格のバランスが取れた製品を選ぶことが大切です。

    RCDとRCBO

    RCDは感電死や火災事故を防止するために設計されています。このために、漏電を感知すると必ず電源供給が自動遮断されます。RCDでは、1本の線を往復する電流のレベルを継続して監視することができます。300mA以下の差異が生じた場合、回路が自動的に遮断されます。これにより、電気ショックに対する防御が確実になります。

    ただし、RCDは過負荷や短絡には対応しないので、注意する必要があります。RCDには32A-64Aの範囲内が想定される標準定格があります。ただし、この定格は内接および開閉機構に対応するものです。標準定格を超えてもデバイスはトリップ・アウトしません。不均衡の表示が見えることもありますが、これはデバイスがトリップするために発生する必要のあるものです。

    すべてのRCDにはテスト・ボタンが備わっており、電源供給の不均衡に関係するイベントのシミュレーションを行うことができます。こうしたシミュレーションを行ったときにデバイスがトリップしない場合、そのデバイスは交換の必要があります。

    RCDとRCBOの間にはいくつかの重要な相違点があります。RCBOは電子スイッチと統合されており、通常の使用条件下の電流の伝送と遮断について、定義された条件下で漏電が一定レベルになると接触が開口するように設計されています。このデバイスの設計目的には、過負荷と短絡に対する防御も含まれています。

    RCBO は、電流需要が一定のレベルを超えた場合に、回路を遮断します。過負荷が感知されるのは、短絡の発生時、または複数デバイスの接続による過剰需要の場合です。これにより回路が自動的に遮断されます。回路が遮断されなければ、ワイヤーの溶解や発火による重大なリスクを抱えることになります。つまり、RCBOは人、機器、財産を保護するものなのです。

    RCDとは

    前述のとおり、RCDとはResidual Current Device (漏電遮断器)のことです。この装置の機能は、基本的な電気回路と関連付けて考えることができます。活線ケーブルを流れる電気は、電動のデバイスに伝送されます。この電流は、回路を終結させるために中性線を通って流れ続けます。この電流の一部が接地線を通って流出した場合、ユーザーは電気ショックを経験することになります。

    RCDは活線および中性線を通る電流を効果的に監視し、レベルが均一に保たれていることを確認します。均一でない場合、電源供給を遮断してショックを防止します。この装置は、普通のヒューズやブレーカーよりも高いレベルの人体保護を提供します。

    選択可能なRCDには次のような種類があります:

    • 固定RCD – コンシューマー・ユニット(ヒューズボックス)内に収納され、個人および回路グループに対する保護を提供します。
    • ソケット・アウトレットRCD – RCDが統合されている特別なソケット・アウトレットで、標準のソケット・アウトレットに置き換わるものです。機器のユーザーに排他的な保護を提供します。
    • ポータブルRCD – このRCDは任意の標準のソケット・アウトレットに適合します。さらにアプライアンスをRCDに接続できます。固定RCDやソケット・アウトレットRCDが使用できない備品に最も適しています。このRCDも機器のユーザーに排他的な保護を提供します。

    RCBOとRCCB

    RCCBはRCBOと非常によく似た機能を持っています。ただし、不可欠な過電流保護機能を提供していないので、過負荷や短絡を防止することはできません。むしろRCCBは排他的な地絡防止機能を提供し、過負荷や短絡からの保護を保証するために外部CBの付属品を必要とします。

    RCBOとMCB

    MCBとはMiniature Circuit Breaker (小型遮断器) のことで、過電流による損傷から電気回路を自動的に保護するために統合された電気スイッチです。障害の検出時に回路を流れる電流を自動的に停止させます。これらのブレーカーのオン / オフの切り替えによって回路分離を行うことができ、プラスチック・ケースに収納された導体で比較的安全に使用できます。RSBOとMSBの大きな違いは、MSBは地絡防止機能を提供していないことです。

    MCBのRCBOへの変換

    ケーブル・サイズがブレーカーの定格に適合している場合は、建築規制やPart P Registrationに従って通知を行う必要はありません。ただし、BS7671標準に示されているガイドラインや製造メーカーの指示に従って、有資格の電気技師が交換を行う必要があります。抵抗のレベルをチェックし、絶縁体をテストする必要があります。RCBOの絶縁体が対応する仕様内で動作する必要もあります。

    RCBOは以下の方法で設置できます:

    • 電源供給をコンシューマー・ユニットから切り離します。
    • 2つの留め具を90度回転させて、フロント・カバーを取り外します。
    • 装置底部の端子を慎重に緩めます。
    • 底部の装置クリップを開きます。
    • DINレールとバスバーの上に装置を配置します。
    • 底部の装置クリップを閉じます。
    • 装置をバスバーにしっかり固定し、下部の端子ねじを締めます。
    • ケーブルがきっちりと接続されていることを確認します。

    RCBOの配線方法

    RCBOの配線を行う前に、電源が遮断されていることを必ず確認してください。次にPEケーブルを接地棒に取り付け、電源ケーブルを絶縁体の上部に接続します。位相ケーブルを端子の左側に配置し、中性ケーブルは右側に配置します。次に、バスバーを適切な長さに遮断して、絶縁体とRCBOの底部に接続します。

    絶縁体の底部から接地棒へと中性ケーブルをつなぎます。外方向ケーブルは2芯のアースになります。接地棒に接続する前に、アース用絶縁チューブを使用してアース線を覆います。次に、茶色の活線を出力のL端子に接続する必要があります。青色の中性線を出力のN端子に接続します。ワイヤーを適切な長さに遮断して、アース・リードが対応するバーに接続されている状態にします。このプロセスを続行して、中性供給リードを適切なバーに接続します。

    RCBOの調整方法

    設置を行う前に、RCBOが最低でも10mAの保護を提供し、25Aの電流定格を持ち、SRIM認定されており、Aタイプの保護を提供していることを確認する必要があります。また、活線と中性線の両方をすぐに利用できる必要もあります。RCBOをしっかり取り付けるために、適切なスクリュードライバーが必要になります。テスト・ペンを使用して、幹線給電が遮断された時点で電力がオフに切り替わることを確認する必要もあります。

    RCBOが適切に機能するためには、適切な配線接続を確保する必要があります。配線を対応する端子に接続し、スクリュードライバーでしっかりと締めます。次の手順は、アース線をRCBOからバーに接続し、再びスクリュードライバーでしっかりと締めることです。これで、RCBOと接続機器の電源をオンに切り替えることができます。RCBOのテスト・ボタンをパチッと動かして接続状況を確認することで、設置状態をチェックできます。場合によっては、端子を再接続する必要があります。

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