放射温度計の原理および使用上の注意

放射温度計とは?

物質は、その温度に相当した赤外線を放射しています。放射温度計は、その放射エネルギーの量を測定して物質の温度を求める温度計です。図に代表的な測定領域を示します。この場合、1,000mm離れた地点で100φの測定領域をカバーします。つまり、250mm~1,000mmの範囲では被測定物がこの円よりも大きい領域を占めていれば正しく測定できます。放射温度計によっては、この円の中心または輪郭に沿ってレーザーを投光するタイプがあり測定エリアが正確に確認でき、回りの安全も確かめながら、測定したいポイントの温度だけを確実に測ることができます。さらに、手の届かない場所や動いている測定物など従来では測定するのが難しかったものの温度が簡単に測定できます。

放射率とは?

放射率表

測定物 放射率 測定物 放射率
Fe酸化物 0.60~0.90 れんが 0.75~0.95
Al酸化物 0.30~0.76 石こう 0.80~0.90
Cu酸化物 0.38~0.93 陶器 0.90~0.94
Ni酸化物 0.85~0.96 ガラス 0.75~0.95
Zn酸化物 0.11~0.60 ゴム 0.86~0.95
Ti酸化物 0.35~0.60 0.50~0.80
真ちゅう酸化物 0.56~0.64 0.70~0.94
アスファルト 0.90~0.98 プラスチック 0.60~0.85
コンクリート 0.94 0.92~0.96
セメント 0.96 0.96~0.98
0.9 0.83
ねんど 0.85~0.90 皮膚 0.98

注)放射率は、材質、表面状態により変化します。
上記はあくまで参考値です。

物質から放射される赤外線の放射量は材質や表面状態により違いがあります。たとえば同一温度でありながら、鉄とアルミでは放射する赤外線エネルギー量(放射率)に違いがあります。このような場合、個々の放射率に合わせて補正を行わなければなりません。正しい温度設定のためには、放射率の設定可能な放射温度計を使用するか黒体テープなどを被測定物に張付け放射率を固定する必要があります。表に物質の放射率を示します。