はんだ

「はんだ」 について

一般的に電子機器業界で使われるはんだの成分は錫(S)と鉛(Pb)でその融点は錫は232℃、鉛は327℃と非常に高いのですが、2種の合金にすることで200℃程度で溶融するため扱いが簡単で、かつ冷却後は単体時の約2倍の機械強度を保ちます。

錫を63%に配合したはんだを共晶はんだと呼び2種合金では最も融点が低く(183℃)操作性も良いとされています。

また、合金の配合率を変えたり、異種金属を加えたりして溶融温度を下げたり(低温はんだ)、上げたり(高温はんだ)したものがあります。最近は線はんだも比較的細いものが多く使われておりはんだそのものの表面酸化も問題になってきています。

はんだは成分中の不純物量によりS級 A級 B級の3種が「JIS Z 3282 はんだ」で区分されております。

「フラックス」 について

はんだ付けする部分(母材)の表面に付着した油脂分、酸化膜などを化学的に清浄し溶融したはんだの表面張力を緩和してはんだを流れ易くするのがフラックスの役目です。

フラックスの成分には活性を高めるために塩素(ハロゲン)化合物を多く含んだものがあり、作業後の残分が大気中の水分と反応して腐食しますので洗浄が必要です。「JIS Z 3283 やに入りはんだ」の中で塩素含有量などによりAA級 A級 B級 に区分されています。また、コテ先温度が高すぎるとフラックスが飛散するだけでなく効能が低下しはんだ付け不良の要因となりますので母材の熱容量とはんだゴテの熱容量を適切にすることをお勧めします。

「鉛フリーはんだ」 について

地球環境の問題の一環で従来の錫・鉛系はんだから鉛を使用しないはんだへの移行が世界的に始まっています。鉛の代用金属には銀(Ag)、ビスマス(BI)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)などがあります。鉛フリーはんだは溶融温度が従来はんだに比べ20~40℃程度高くなっていますのではんだ付けではコテ先温度や熱容量を上げる措置が必要となります。

「R、RA、RMA」 について

電子機器に使われるフラックスの主成分は松脂ですが活性が弱いため活性剤を添加したフラックスがあります。これは米国軍用規格(MIL規格)の基準でR RA RMA の3種類があります。

  1. R (Rosin)は非活性化松脂で活性剤を含まない物でアルコール、ベンゼンなどを主体とするフラックスで残渣の腐食がほとんどありません。
  2. RA (Rosin Activated)は活性化松脂で塩酸アニリンなど塩基性有機化合物を添加したもので、フラックス中で最も活性が強く残渣の腐食に注意が必要です。
  3. RMA (Rosin Mildly Activated)は弱活性化松脂、クエン酸などの有機酸と塩基性有機化合物を活性剤としてわずかに添加したフラックスで腐食性が弱いことが特長です。
    環境条件により腐食が生じる恐れがありますので、信頼性向上のためには洗浄することをお勧めします。