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      • 発行日 2024年3月25日
      • 最終変更日 2024年4月5日
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    組み込みシステムとは?意味やSOCとの関わりについて徹底解説!

    組み込みシステムとは特定の目的や機能を実現するためのシステムのことを指します。 大規模なシステムとは異なり、リソースやハードウェア的な制限があることが特徴です。この記事では組み込みシステムの概要とSoCとの関わりについて解説します。

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    組み込みシステムとは?

    この章では組み込みシステムの概要について解説します。

    特定の目的を果たすために作られたシステム

    組み込みシステムとは、特定の目的を果たすために利用されているものです。 

    例えば、コンピュータなどはWebサイトを閲覧したり、文書を作成したり、動画を編集したりと、汎用的な用途に用いることができます。 

    しかし、電気機器によってはそこまで多機能なコンピュータを必要としない場合もあります。 

    このような用途で使われるのが組み込みシステムです。 

    組み込みシステムを見る

    身近にある組み込みシステムは?

    組み込みシステムは身近な電気機器に搭載されています。 

    例えば、テレビにも組み込みシステムが利用されています。 

    一般的に、テレビは「電波を受信して映像として出力する」「録画をする」などの機能を持っていればテレビとして利用することができます。複雑な処理をすることは想定されていません。 

    このような機能を提供するために組み込みシステムを活用します。 

    組み込みシステムの5つの特徴

    この章では組み込みシステムの特徴を5つに分けて解説します 。

    リアルタイム性

    組み込みシステムはリアルタイムに処理することが求められる場合が多いです。 

    組み込みシステムは時として、処理に素早さを求められるシーンがあります。例えば、危険を未然に防止する機能や、微小な時間での処理が求められる機能は、反応速度が遅ければ使い物になりませんし、速度は早ければ早いほど良いです。 

    このようなニーズに対応するためにも、組み込みシステムはリアルタイム性に優れていることを要求されます。 

    形状やリソースの制限

    組み込みシステムはそのシステムが単体で利用されるわけではなく、製品の一部として組み込まれることが一般的です。 

    設計上の理由から形状に関する規定があったり、低消費電力であることを求められたり、発熱を最低限に抑えなければならなかったりと、様々な制限があります。

    高い信頼性

    ユースケースによっては組み込みシステムに高い信頼性が求められることがあります。 

    医療機器や自動車など、組み込みシステムの故障や誤動作によって、人命に危害が加わる可能性がある場合です。 

    こういった製品に搭載される組み込みシステムは誤作動が許されないため、高い信頼性を担保する必要があります。 

    手頃な価格

    組み込みシステムは電気機器の部品の一部として組み込まれるため、一般的には安価であることも求められます。 

    本来、機能を制限した組み込みシステムを利用することで、汎用コンピュータを用いるよりも製造コストを抑えられるメリットがあります。しかし、組み込みシステムの価格が高価であるが故に製品の利益が上がらない、という状況を招いてしまうのは本末転倒です。 

    とはいえ、求められる機能や耐久性によっては高価になってしまわざるをえないケースもあります。 

    開発言語

    組み込みシステムは、高速に処理できるコンパイラ型の言語を用いてシステム構築されることが多いです。 

    特にC言語やC++はその代表例といえます。

    これらの言語は高機能でない代わりに、バックグラウンドで意図していないコードを生成してしまったりすることがないため、プログラマが意図した処理だけを忠実に実装できます。 

    しかし、最近では機械学習モデルの実装に強いPython言語で実装するケースもあるため、必ずしもコンパイラ言語であるとは言い切れないようです。 

    組み込みシステムはSOCと密接に関わっている

    組み込みシステムはSoCを利用することで高性能かつ省スペースに開発できます。 

    SoCとはSystem on a Chipの略であり、データ入出力ポートやメモリ、CPU、電源などの部品が一つのチップとして集積しているものです。 

    各部品が密集して配置されているため、省スペースなのはもちろん、データの受け渡しの効率化や消費電力の削減などに貢献します。 

    組み込みシステム開発におすすめのアイテム3選

    一般に市販されているアイテムを活用することで、組み込みシステムの開発を簡単に始めることができます。 

    この章では、組み込みシステム開発におすすめのアイテムを3つご紹介します。 

    SoC(システムオンチップ)

    前述の通り、SoCは複数の異なる機能を持つ部品を一つのチップとして集約した半導体デバイスのことです。 

    システムを動かすための部品をあらかじめまとめてパッケージングしてあるため、小型で低消費電力を実現しています。 

    スマートフォンやタブレットなどの、設計上省スペースであることを求められる製品にも利用されています。 

    マイクロコントローラ開発ツール

    マイクロコントローラ開発ツールはSBC(シングルボードコンピュータ)として提供されています。 

    SBCはSoCほど小型ではありませんが、一つの基盤上にCPUその他の部品を集約しています。 

    各社から様々な種類のマイクロコントローラ開発ツールが販売されていますが、有名なものにはRaspberry Piなどがあります。 

    性能や価格帯も幅広いため、ニーズに応じて選択できます。 

    ARDUINO(アルデュイーノ)

    Arduinoはマイクロコントローラ開発ツールの一種です。 

    Arduino専用のプログラミング言語を備えていることや、システムを開発するためのIDE(統合開発環境)が無償で提供されるので開発がしやすいことが特徴として挙げられます。 

    Arduinoは機能やメモリ容量などによって複数種類に分かれています。 

    さらに、シールドと呼ばれる拡張ボードが普及していることもあり、ユースケースに応じてハードウェアの機能拡張ができます。 

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    まとめ

    この記事では組み込みシステムの概要とSoCについて解説し、おすすめのSoC開発ツールをご紹介しました。 

    身近な電気機器には組み込みシステムが搭載されています。 

    組み込みシステムは個人でも開発可能です。Arduinoは安価で導入できるので、組み込みシステムの初学者の方にもおすすめです。

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