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      • 発行日 2024年4月26日
      • 最終変更日 2024年4月26日
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    イメージセンサーとは

    イメージセンサーとは人間でいう網膜にあたるもので、光を電気信号に変える素子です。 変換した電気信号を順次読み出すことで画像として表示できます。この記事ではイメージセンサーの概要から用途、CMOSとCCDの違いについて解説します。

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    イメージセンサーとは?

    イメージセンサーとは、カメラのレンズから取り込んだ光を電気信号に変換する半導体デバイスです。

    光を電気信号として変換することで、コンピューター上で画像として表示したり、それらの技術を応用して距離を測ったりすることができます。

    イメージセンサーの性能は得られるデジタルデータの品質に直結するため、非常に重要な部品です。

    イメージセンサーはよく「電子の眼」と表現され、人間の網膜のような役割を果たします。

    イメージセンサーは光を受け取る素子を多数備えています。その素子は光を電気信号に変換するフォトダイオード、色ごとの光に分離するためのカラーフィルター、光を正しく集めるためのマイクロレンズで構成されています。

    カラーフィルターの配列は用途によって異なりますが、人間の目は他の色よりも緑色を感知する能力が高いため、緑色のカラーフィルターがもっとも多く配置されているケースが多いです。

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    イメージセンサーの用途

    イメージセンサーはデジタル画像を生成することができるデバイスですが、その用途は多岐に渡ります。この章ではイメージセンサーの用途を3点解説します。

    撮像

    もっともオーソドックスな使われ方としてはやはり撮像用途です。デジタルカメラはもちろん、最近ではスマートフォンでも高解像度で綺麗な写真を撮ることができるようになりました。

    これは、イメージセンサーの性能が向上したことが影響しています。

    ただし、撮像とひとえに表現しても画素数や取得できる色情報、撮像にかかる時間など、様々な条件があり、ニーズに応じて適切なイメージセンサーが選択されます。

    距離測定

    イメージセンサーは測距用のセンサーとして用いられることがあります。ある対象物から他の対象物までの距離を計測するセンサーです。

    具体的には、距離を測りたい対象物にレーザーダイオードで光を照射します。対象物に反射して返ってきた光をセンサーで受光するまでの時間差を取得することで、対象物との距離を計算することができます。

    方式にもよりますが、50m〜200mほどの距離を測定できるため、車の自動運転など野外での距離測定にも用いられることが多いです。

    工業検査

    工業生産ラインにおいて、ロボットが適切に動作するためのセンシングや、製品の表面検査や寸法の確認などにイメージセンサーが活用されています。

    ロボットが適切に動作するためのセンシングの例では、製品の位置や角度を検出するための細かな操作や、組み立てのための位置認識に用いられます。

    製品の外観検査では、光学検査や機械学習などと組み合わせて製品に異常がないかを素早く検査することができます。

    さらに最近では、目には見えない波長の光を用いて、人の目では捉えられない傷などを検出するイメージセンサーも登場しています。

    CMOSイメージセンサーとCCDイメージセンサーの違い

    イメージセンサーは大きく分けて2種類存在します。CMOSイメージセンサーとCCDイメージセンサーです。

    従来はCCDイメージセンサーが主流でしたが、最近ではCMOSイメージセンサーが主流となっています。

    CMOSイメージセンサーがCCDイメージセンサーと同等もしくはそれ以上の性能を発揮できる、低電力で動作するなどのメリットがあることが理由に挙げられます。

    それぞれの特徴について簡潔に解説します。

    回路の構造

    CMOSイメージセンサーは各画素が独立して制御されているためCCDイメージセンサーと比べて回路が複雑になります。

    CCDイメージセンサーの方が画素からの信号読み出しプロセスが簡単である一方、画像処理機能が限定されるなどの特徴があります。

    消費電力

    CMOSイメージセンサーとCCDイメージセンサーではCMOSイメージセンサーの方が低消費電力で動作します。その理由は、各画素が独立しているため必要な時のみに電力を消費するからです。

    一方でCCDイメージセンサーは画素の読み出しが一挙に行われるため多くの電力を消費します。

    読み出し速度

    CMOSイメージセンサーは各画素が並行して処理を進行できるため、CCDイメージセンサーよりも読み出し速度は高速です。

    画質

    CMOSイメージセンサーは各画素で増幅を行うため処理に多少のばらつきが生じてしまいます。一方でCCDイメージセンサーは同一の増幅器で増幅するため、ばらつきが生じません。

    感度の面ではCCDイメージセンサーに軍配が上がりますが、最近ではCMOSイメージセンサーの改良が進みCCDイメージセンサーと同等の性能を出せるようになってきています。

    イメージセンサーのサイズの違い

    イメージセンサーは用途に合わせていくつかのサイズが存在します。サイズはある程度規格化されています。

    イメージセンサーのサイズが大きくなればなるほど(センサーに搭載される画素が多ければ多いほど)画質はよくなります。

    サイズは以下の通りです。

    • 1/2.3 型センサー(6.2mm × 4.7mm)
    • 1/1.7 型センサー(7.5mm × 5.6mm)
    • 1 型センサー(13.2mm × 8.8mm)
    • 4/3 型センサー(17.2mm × 13mm)
    • APS-C サイズセンサー(22.3mm × 14.9mm)(メーカーによってサイズ異なる)
    • APS-C サイズセンサー(23.6mm × 15.8mm)(メーカーによってサイズ異なる)
    • 35mm 型センサー(36mm × 24mm)

    このように大きさの種類はいくつか存在します。

    例えば、1/2.3 型センサーはスマートフォンなどの小型機器に一般的に搭載されるイメージセンサーで、APS-C サイズセンサーや35mm 型センサーなどはデジタルカメラに搭載される傾向があります。

    イメージセンサーのニーズに応じてサイズを選択します。

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    まとめ

    この記事ではイメージセンサーについて解説しました。

    イメージセンサーは光を電気信号に変換する役割を持つ電子部品です。撮像にはもちろん、距離測定など、いくつか用途があります。

    イメージセンサーの種類としてCMOSとCCDがありますが、現在ではCMOSイメージセンサーが主流となっています。

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