当社と英国購買部協会(CIPS)が共同で作成した2022年版間接材調達報告書(Indirect Procurement Report)によると、間接材調達物(MRO)の担当者にとって、持続可能なエシカル調達は引き続き重要事項となっています。同報告書の調査対象者のうち、ESGを事業上の重要課題と答えた人は半数以上(52%)にのぼり、最大の懸念事項である「事業予算の削減」をわずか1%下回りました。また38%の回答者が、自身の組織のESG目標を実現することは重要であると答え、57%の回答者がそれらの計画の実行に自信を示しました。
ESGはなぜ重要なのか
サスティナビリティはESG基準の要であり、ESG基準は、2030年までに世界をより平等で、よりクリーンな、より安全な場所にすることを目指す国連の17項目から成る持続可能な開発目標(UNSDGs)の上に成り立っています。当社調達部門担当シニア・ディレクターのKevin Parkeは次のように述べています。
「我々は地球が抱える問題について話しているのであり、すべての企業が脱炭素化に向けて行動を起こし、リスクを削減し、低炭素経済への移行を後押しする機会に投資する必要があります」
PwCの調査※1によれば、投資家の49%は、ESGに関して十分な対策を講じていない企業から投資を引き揚げると答え、また投資家の59%は、そうした企業の年次株主総会において役員報酬に関する決議案に反対票を投じると答えました。また同調査では、投資に関する意思決定を下す上で、企業がESGに関するリスクと機会をどのように管理しているかは重要な要因であると答えた投資家は79%にのぼりました。
当社の最高変革責任者(Chief Transformation Officer/CTO)であるBernhard Raschkeは、「企業は、ESGという価値観への献身姿勢を示し、それを実践することがますます強く求められています」と指摘し、機関投資家にとってはESG格付けが特に重要だと述べています。
※1 https://www.pwc.com/lt/en/about/press-room/pwc-global-investor-esg-survey.html
レジリエンス改善のためのサスティナビリティ
Raschkeは、ESGは士気や金銭面だけでなく、レジリエンスの構築にも関わると言います。
「レジリエンスを重視して地元からの仕入れを拡大する場合、カーボン・フットプリントは改善します。しかしサプライヤ企業がサスティナビリティを確保するために価格を上乗せする場合、仕入れはより困難となります」
「商業面から判断を下し、測定可能な尺度、つまり仕入れ価格を考慮しながら、サスティナビリティをどこまで重視するかを決定する必要があります。多くの企業は今もこの点で苦戦しているようです。多くの企業は、判断に迷った場合、目先のコスト節減を優先しようとします。ですから、調達チームがコスト節減目標を達成できなくても罰せられることがないよう、サスティナビリティを重視する方針を定めておくことは重要です」
当社の取り組み事例
当社では、顧客からの受注に使用するリサイクル包装材や、リサイクル可能な包装材の比率を高めつつあります。英国・ナニートンの配送センターにAutopack包装機を導入した結果、2018年10月~2019年8月までの期間に紙製包装材の使用量を7,280万トン削減しました。包装の中に無駄な空間を残したまま発送することをやめ、その代わり、包装がより効率良くフィットするよう改良を行いました。また余分な包装を可能な限り減らし、顧客が配送に用いた箱や小包をリサイクルしやすくなるよう工夫しています。
当社の安全・衛生部門グローバル環境担当バイスプレジデント、John Barnacle-Bowdは次のように述べています。
「箱の大きさや形状を改善すれば、より多くの荷物をより少ない環境フットプリントで発送することが可能になります。そうすることで効率性とコスト効率を高め、CO2を削減することができます。これは、小さいけれども重要な変化です」