魅力ある知的コンテンツを提供するために大切なのは、利用者の興味や状況を正確かつリアルタイムで把握し、解析することができるシステムづくりだ。その中でも重要なポイントとなったのが、利用者端末とセンサーカメラの開発だった。
「利用者端末とセンサーカメラは同じ基板をもとに、それぞれプログラムを書き換えています。特に利用者端末の場合は、利用者の状況を感知するための磁気センサーやジャイロセンサー、加速度センサーなど各種センサーを搭載するために高性能であることはもちろん、携帯性を考慮して小型化しなければなりませんでした。」と小黒様。
利用者端末に搭載される基板
高性能かつ小型化。量産品ではなく、試作品であるがゆえに手作業でできるギリギリの大きさを維持しなければならない。そんな厳しいオーダーに答えたのが、約50万点の品揃えを誇るRSのサービスだ。ICチップ、コネクタ、抵抗、コンデンサ…今回はいずれもメーカーを統一することよりもサイズが優先された。RSオンラインなら、メーカーを選ばす最適な部品が横断的に探すことができるうえ、翌日には部品が届くので、手直しを繰り返すテストもテンポよく進んだ。そうした部品調達に関するユーザビリティの良さも、RSを使うメリットだという。
小さい頃は科学少年として博物館に足繁く通われていたという小黒様の頭の中には、日本のものづくりの未来についてのプランが膨らんでいる。「日本のおもてなしは今、世界的に評価されています。一方、最近、日本の技術は今ひとつ突き抜けた感がないと言われています。でも、おもてなしをベースに新しい技術を開発すれば、他の国には真似のできないものが生み出せるのではないでしょうか。」