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圧着とは?無ハンダ・非加熱接続 ~ 圧着端子接続の仕組み ~
—— 圧着は、スイッチなどの接触や半導体とかの接合とは仕組みが違うんですか?
圧着は、圧着端子と電線を適正な工具で塑性変形させることで端子と電線を機械的に結合するものです。簡単に言うと、変形された電線が元の状態に復元しようとする弾性と端子の残留応力によって強固な接続を実現しています(図1)。
圧着は電気的な接続性に優れる他に引っ張りなどの機械的ストレスにも強く、極めて信頼性の高い接続法です。安全面にも優れているので、電力機器などにも多数使用されています。無ハンダ・非加熱で、ガスや薬剤も使わないうえに、相手方とはネジ留めなため、接続と取り外しが容易なこともメリットです。これは屋内屋外の現場作業では重要です。
電子機器内ではユニットやモジュール間の電気接続に頻繁に使用されます。最近では、自動車やネットワーク機器などでも多くの需要があります。
出典:日本圧着端子製造株式会社 |
圧着端子の選び方
—— 圧着端子を選ぶ際には、端子ねじの大きさと電線の種類・サイズがポイントです。
接続したい端子ねじの大きさや、電線の種類・サイズに適合していない圧着端子を使用すると、接続不良が起きる原因となるため適合する製品を選ぶようにしてください。
適合する製品かどうかは呼び名によって判断することができます。
呼び名 |
適合する電線の太さ |
適合するねじの太さ |
1.25-3 |
1.25 |
3.0 |
1.25-3.5 |
3.5 |
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1.25-4 |
4 |
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1.25-5 |
5 |
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2-3.5 |
2.0 |
3.5 |
2-4 |
4 |
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2-5 |
5 |
上記の表でご紹介したのは一例ですが、圧着端子は呼び名の数値を確認するとどのような電線や端子ねじに適合するかわかるようになっています。
接続したい端子ねじの大きさや電線の種類・サイズに適合しない圧着端子では圧着できないので、まずは呼び名から適合する製品を選んでください。
—— 形状による違いも把握して選びましょう。
圧着端子の選び方では、形状による違いを把握しておくこともポイントのひとつ。
- 丸形圧着端子:抜けにくいことから危険性・重要性の高い電線に適する
- Y型圧着端子:抜けやすいものの施工が簡単で危険性の低い電線に適する
- 棒型圧着端子:差し込んで圧着させるための用途で使用される
- 絶縁被被覆つき圧着端子:感電防止効果がある
種類ごとに適する用途や作業効率が変わるので、形状による違いも把握して適切な製品を選びましょう。
用途毎に様々な形状がある圧着端子~ 端子と工具でワンセット ~
—— 大きさも形も色々あって選択に迷います。
圧着端子を大別すると、裸のものと絶縁被覆が付いたものになります。被覆タイプは別途絶縁の手間が要らないということもありますし、細い電線に対しては、接続端で線が急角度に曲がるのを防ぐ効果も期待できます。
舌部(ねじで留める部分)の形状は丸形を基本にYやC型にしたもの、Y型に爪の付いたものなどがあります(図2)。YやC型の端子はネジを弛めるだけで接続や取り外しができる便利さがありますが、差し込みが完全でないと外れるなどの可能性が無いわけではありません。他方、高い信頼性を要する用途には二本のネジを使う二つ穴タイプの端子もあります。
派生品としては電線の相互接続に用いる筒状の圧着スリーブがあります。
圧着に際しては圧着端子毎に指定された専用の圧着工具を使用します。端子と工具でワンセットと考えてください。工具は純手動式のものの他に電動式や空気圧式、大型端子用の油圧式のものがあります。大量の圧着向けには専用の圧着装置とテープ実装された圧着端子も用意されています。
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圧着端子の「呼び」~ 線材の断面積とネジ径 ~
—— 品種を選択する際の数字と記号や意味が分かりません。
圧着端子は使用する線材とネジの組み合わせによって多くの品種があり、これらを識別するために統一された呼び方が決まっています。例えばR5.5-6というのは、断面積が5.5平方ミリの電線を直径6ミリのネジに接続する丸形圧着端子であることを意味します(図3)。
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しかし、これらは使いたい線材とネジにピタリと適合するとは限りませんので、端子に適合する電線の範囲を図4に示しました。なお、同図でAWGとあるのは American Wire Gaugeといって主にアメリカで用いられる表示法によるものです。
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正しい線材処理と工具使用 ~ 作業上の注意点 ~
——自分でやってみたのですが上手に圧着できません。
正しい圧着の第一条件は、使用する電線とネジ(ボルト)に適合した圧着端子を選択することと、その圧着端子に指定された圧着工具を使うことです。何れが不適合でも正しい圧着はできません。
作業上では、線材の被覆をむく長さ(剥ぎ寸法)を端子に合わせることが大切です。剥ぎ寸法は端子によって推奨値が決められています(図5)。そのうえで線材を端子にしっかり押し込みます。
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後は圧着工具をバレルの中心に当てることができれば誰にでも図6のような上手な仕上がりが得られます。
絶縁被覆付きの端子に単線を接続するのは、引張強度が不足する可能性がありますので奨められません。また、端子圧着時の強度の関係から大型の端子では絶縁被覆付きのものはありません。大型の端子で絶縁が必要な場合は圧着後に絶縁カバーをかぶせるようにします。
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工具のメンテも忘れずに ~ 圧着を使った配線の注意 ~
—— 接続など圧着後の注意事項はありますか?
まず、接続後に電線を強く引いたり曲げたりすることの無いようにしなければなりません。太い電線の場合は、電線を動かすとネジが弛むことも考えられます。動力機械などでは機器の振動で接続部が弛むことの無いように電線を固定するといった対策が必要です。
接続後に舌部と圧着部(バレル)を軽く折り曲げる場合は10度以内程度に留めてください。また、曲げは一度だけとし、元に戻すことは避けてください。
圧着工具を使わずに、ペンチでカシメると言ったことは論外ですが、圧着せずにハンダ付けしようとすることがあるようです。この場合、当然のことながら引っ張り強度など圧着としての接続信頼性は得られません。また、圧着前に線材をハンダメッキする例も見受けられます。ですが、圧着は端子と線材が一体化することで成り立っていますので、ハンダはせずに裸銅線のまま圧着してください。圧着後にハンダを流すのも意味がありません。
忘れがちなのが圧着工具のメンテナンスです。圧着は正しい工具を使用して初めて信頼性が確保されます(図7)。したがってガタや緩みはないかといった日頃の点検の他に、品質管理の一環として定期点検に出すといった体制が望まれます。
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圧着端子・テスト端子 Q&A
Q. 絶縁被膜付圧着端子で絶縁部の色が違います。何か違いはあるのでしょうか?
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A. 対応するケーブルの公称断面積で色分けされています。太い方から 黄>青>赤 です。
Renge (mm2) AWG 赤 0.25 to 1.6 22 to 18 青 1.0 to 2.6 16 to 14 黄 2.7 to 6.6 12 to 10
Q. チップジャックは、バナナが使えるところに使えますか?
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A. 使えます。4mmチップジャック=バナナジャックと呼ばれています。
板ばね(挟み込み)接触になっていますので安心してご利用頂けます。
Q. テストリードラックの材質はプラスチックとのことですが、耐久性はありますか?
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A. 使用するのがテストリードですので、重たい物の保持には適していません。プラスチックなので経年変化により劣化の可能性はあります。
Q. モールド式テストクリップリードを検討していますが、クリップの先端はどのような構造ですか?
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A. 外皮で隠れて見えませんが、ワニ口の様な可動イメージで、クリップの片側のみギザギザになっている仕様です。
Q. チップジャックについて、ケーブルとねじで接続されますが、ジャック組立後にケーブルが外れてしまった場合、簡単に分解をする方法などはありますか。分解する専用工具があれば教えてください。そもそもこの商品はねじ止めだけで接続するものでしょうか?半田付けが必要ですか?
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A. キャップ部は一度はめ込んだら外す事は出来ません。その為、分解することは出来ません。接続はネジ止めのみで、半田は付きません(イモネジを使用)。接続に関してはネジ部に負荷が加わらないように電線を一巻きして使うなどの工夫が必要です。
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