測温抵抗体・RTDセンサ
測温抵抗体とは?
測温抵抗体(RTDセンサ)は、温度変化に応じて電気抵抗が変化する特性を利用して温度を測定するセンサです。主に工業プロセス、エネルギー管理、半導体製造、IoTデバイスなど、日本国内外の幅広い産業で利用されています。高精度かつ安定した温度測定が可能で、長期間の使用にも耐えられるため、重要な温度計測部品の一つです。
測温抵抗体の仕組み
RTDセンサは、白金やニッケルなどの金属素子を使用し、温度が変化するとその電気抵抗が比例的に変化する原理で動作します。この抵抗変化を測定し、電気信号に変換して温度を算出します。
測温抵抗体は高精度で再現性の高い温度測定が可能で、産業用機械やエネルギー設備、ロボット制御システムなど、精度が重要視される現場で使われます。例えば、国内の半導体工場や自動車製造ラインでは、正確な温度管理が製品品質を左右するため、RTDセンサが必須です。
さらに、再生可能エネルギー分野においても、太陽光発電システムや風力発電設備の効率管理に使用されます。IoT技術と組み合わせることで、遠隔地からの温度モニタリングが可能となり、保守や運用コストの削減に貢献します。
測温抵抗体とサーミスタの違い
RTDセンサとサーミスタはいずれも温度を測定するセンサですが、動作原理と特性が異なります。RTDセンサは金属素子を使用し、抵抗値の変化が線形で広範囲な温度測定に適しています。一方、サーミスタは半導体材料を用いており、感度が高い反面、非線形性があり、高精度な校正が必要です。
日本の工業現場では、精度と安定性を重視する場合にはRTDセンサが選ばれ、コストや応答速度を優先する場面ではサーミスタが使用されることが多いです。
測温抵抗体の種類
測温抵抗体には、用途や設置環境に応じたさまざまな種類があります。
- PT100: 100Ωの抵抗値を持ち、最も一般的に使用されるタイプです。
- PT1000: 1000Ωの抵抗値を持ち、長距離配線での精度低下が少ないです。
- NTCタイプ: 負の温度係数を持ち、温度が上がると抵抗値が下がります。
- サーミスタRTD: サーミスタの特性を組み合わせたタイプで、特定用途に適しています。
- 多素子タイプ: 複数の素子を用いて広範囲の温度を同時に測定できます。
- 高耐熱RTD: 高温環境に対応する特殊素材を使用したタイプです。
測温抵抗体の利点
RTDセンサを使用することによる利点は次の通りです。
- 高精度: ±0.1℃程度の精度で温度を測定可能。例:化学プラントや医療機器。
- 長期安定性: 経年劣化が少なく、長期的に安定した測定が可能。例:半導体製造ライン、火力発電所。
- 広範囲測定: -200℃から600℃まで対応するタイプがあり、多様な環境で利用できます。例:冷凍倉庫、溶鉱炉。
- 耐久性: 耐振動性や耐腐食性が高く、過酷な現場環境でも使用可能。例:海上風力発電、石油化学プラント。
- 互換性: 多くの制御システムやデータロガーと接続しやすい規格設計。例:産業用PLC、ビル管理システム。
デメリットとしては以下があります:
- コスト: サーミスタと比較して価格が高めです。
- 応答速度: 金属素子を使用するため、サーミスタよりも応答が遅い場合があります。
- 配線の複雑さ: 3線式や4線式での接続が必要な場合があり、配線がやや複雑です。
測温抵抗体の選び方
適切なRTDセンサを選定するためには以下の要素を考慮します。
- センサタイプ: NTC、PT100、PT1000、RTDなど、用途に合ったタイプを選びます。
- 取り付け方法: ネジ込み、フランジ、挿入型、表面取り付けなど設置環境に適した方法を選択。
- プローブ材質: ステンレス、セラミック、アルミナ、ガラスなど、耐熱性や耐食性に基づき選定。
- 測定範囲: 想定される最低・最高温度に対応しているか確認。
- 互換性: 接続する計測器や制御機器との互換性を確認します。
測温抵抗体の用途
測温抵抗体は以下の分野で幅広く使用されます。
- 産業用オートメーション: 工場の温度制御、産業ロボットのセンサーとして利用。
- 再生可能エネルギー: ソーラーや風力発電設備の温度管理に使用。
- 輸送業: 鉄道車両や航空機エンジンの温度監視。
- 半導体製造: ウェーハプロセスの温度管理。
- 医療機器: 手術装置や患者モニタリングに利用。
測温抵抗体のメーカー
測温抵抗体を提供する代表的なメーカーは次の通りです。
- RS PRO: 高品質なRTDセンサを幅広くラインアップ。
- Jumo: 温度センサに特化した国際的メーカーで、精度と信頼性に定評があります。
- WIKA: 産業計測機器の世界的企業で、厳しい環境向けの製品を提供。
- TE Connectivity: 多用途で耐久性のある温度センサを製造。
- Electrotherm: 高温環境に対応する特殊なRTDセンサを展開。
- Correge: 専門的な産業アプリケーション向けにRTDセンサを供給。
測温抵抗体は、日本の産業やエネルギー、医療分野において今後さらに需要が拡大すると予想されます。高精度で信頼性の高い温度測定が可能なRTDセンサは、製品品質やエネルギー効率の向上に大きく寄与する重要なコンポーネントです。
測温抵抗体用RSコンポーネントのご紹介
RSは、日本全国で使用される測温抵抗体の世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たす測温抵抗体を提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広い測温抵抗体を卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。
比較リスト 詳細情報 単価: | メーカー | センサータイプ | プローブの長さ | プローブ径 | 検出温度 Min | 検出温度 Max | 実装タイプ | 終端タイプ | ケーブル長 | シリーズ | キャリブレーション | プローブ材質 | プロセス接続 | 適応ケーブル径 | インターフェイス | 危険区域認証 | 配線数 | 許容差 | 応答時間 |
---|
TE Connectivity | PT100 | 2.3mm | 0.3mm | -50°C | +600°C | リード | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.3 °C | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 2.3mm | 2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.15 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 2.3mm | 0.3mm | -50°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.3 °C | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 4mm | 1.2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.3 °C | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 4mm | 1.2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.3 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 4mm | 1.2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.15 °C | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 2.3mm | 2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.3 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 2.3mm | 2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.3 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 2.3mm | 2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.3 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 2.3mm | 2mm | -50°C | +600°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.3 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 5mm | 2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.15 °C | 0.35秒(水)、17秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 4mm | 1.2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.15 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT100 | 10mm | 2mm | -200°C | +400°C | はんだ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 0.35 秒(水)、 21 秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 2.3mm | 2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | 0.15 % | 0.2秒(水)、10秒(空気) | |
TE Connectivity | PT1000 | 5mm | 2mm | -30°C | +300°C | はんだ | - | - | - | - | - | チップ | - | - | - | - | ±0.15 °C | 0.35秒(水)、17秒(空気) | |
N | TE Connectivity | RTD | - | - | - | +125°C | - | - | - | 10219128-00 | - | プラチナ | - | - | - | - | - | - | - |
N | TE Connectivity | RTD | - | - | - | +125°C | - | - | - | 20016752-02 | - | プラチナ | - | - | - | - | - | - | - |
N | TE Connectivity | RTD | - | - | - | +125°C | - | - | - | 20030604-00 | - | プラチナ | - | - | - | - | - | - | - |
N | TE Connectivity | RTD | - | - | - | +125°C | - | - | - | 10219128-02 | - | プラチナ | - | - | - | - | - | - | - |
N | TE Connectivity | RTD | - | - | - | +125°C | - | - | - | 20029981-00 | - | プラチナ | - | - | - | - | - | - | - |