赤外線LED・IR LED

赤外線LED・IR LEDとは?

赤外線LED(IR LED)は、人間の目には見えない赤外線を発光する特殊なLEDです。主にセンサ、リモコン、通信機器、監視装置などに利用されており、目に見えない情報の伝達や動作のトリガーとして不可欠な存在となっています。特に日本国内では、省スペース・省電力が求められるIoT機器や自動化システムの普及により、赤外線LEDの使用が拡大しています。

赤外線LEDの仕組み

IR LEDは、電流が半導体素材を通過する際に赤外線光を放射する原理で動作します。この放射された赤外線は、フォトダイオードや赤外線センサーによって受信され、情報伝達や動作制御に利用されます。

赤外線LEDの主な機能は、非可視光を用いた信号送信です。可視光を使わないため、人間には見えず、光害の少ない環境を維持しながら、確実な情報伝達が可能です。赤外線LEDライトは、夜間監視カメラの照明や倉庫内自動搬送装置の障害物検出に使用され、目に見えない形で周囲環境をセンシングします。また、Arduino赤外線LEDを使えば、初心者でも簡単に赤外線通信の仕組みを理解・体験することが可能で、教育現場や試作プロジェクトで活用されています。

省エネルギーで小型化しやすいという特徴から、赤外線LEDはAI制御機器やロボットの制御インターフェースにも活用されており、日本の産業用オートメーション分野においても、ますます重要な存在となっています。国内では、高信頼性と長寿命を重視した開発が進んでおり、温度補償や指向性制御などの技術も進化しています。

IR LEDと標準赤色LEDの違い

IR LEDと標準赤色LEDはどちらも発光ダイオードですが、その発光波長と用途に大きな違いがあります。標準赤色LEDは波長約620〜650nmの可視光を発し、人間の目で認識できるため、インジケータやサイン表示などに使われます。一方、赤外線LEDは850〜950nmといった不可視光領域で発光し、主にセンシングや通信用途に使われます。

たとえば、赤色LEDは家庭用家電の電源ランプや通知表示に多用されるのに対し、IR LEDはテレビリモコンの信号発信部やドア開閉センサー、自動改札の通過検出などに使用されます。また、赤外線LEDライトは暗所でも可視光を用いずに照射できるため、監視カメラの補助光源として有用です。日本国内では、防犯意識の高まりにより、IR LED搭載製品の需要が増加しています。

赤外線LEDの種類

IR LEDには、用途や設置方法に応じたさまざまな種類があります。それぞれの特性を理解することで、適切な製品を選ぶことが可能になります。

  • 面実装型赤外線LED:基板上に直接実装できるタイプで、IoTデバイスや省スペース機器に適しています。
  • 貫通型赤外線LED:従来のリードピンを基板に通してはんだ付けするタイプ。高い機械的安定性が特長です。
  • 高出力赤外線LED:長距離通信や広範囲照射に適した強力な発光出力を持つモデル。
  • 狭角ビームタイプ:特定方向への強い照射を行うため、リモコンや検知センサーに最適です。
  • 広角ビームタイプ:複数方向への信号照射が可能で、ロボットの周辺環境検知に適します。
  • Arduino対応IR LED:プロトタイピング向けに設計されており、教育や趣味用途に活用されています。

赤外線LEDの利点

赤外線LEDは、非可視光を用いることで視覚環境を保ちながら、確実な動作を実現できるという利点があります。

  • 可視光の干渉がない:目に見えないため、表示や照明に影響を与えない。例:病院内の機器制御、夜間の監視システム。
  • 消費電力が少ない:動作電圧が低く、長時間使用でも電力消費が抑えられる。例:電池駆動のIoTセンサー、ソーラー電源併用装置。
  • 高速応答:ミリ秒単位でオン・オフが可能なため、精密制御に向いている。例:産業用搬送機の障害物検知、日本のスマートファクトリーのロボット通信。
  • 小型化が容易:表面実装が可能で、省スペース設計に貢献。例:スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス。
  • ノイズに強い:特定波長による通信は電磁波の干渉を受けにくく、安定した信号伝達が可能。例:工場の制御系統、交通管制装置。

以下のような短所もあります:

  • 可視確認ができないため、点灯状態の目視確認が困難。
  • 波長によってはセンサーとの互換性に注意が必要。
  • 照射距離や指向性が製品ごとに大きく異なり、選定に慎重さが求められる。

赤外線LEDの選び方

IR LEDを選定する際には、用途に合った仕様の確認が欠かせません。

  • 実装方式:表面実装、貫通型、パッケージモジュール、フレックスボード型など、基板設計に応じたタイプを選びます。
  • ピーク波長:850nm、860nm、880nm、940nm、970nmなどの波長から、センサーとの適合性や環境条件に合ったものを選択します。
  • レンズ形状:丸型、フラット、エリプティカルなどがあり、照射角度や集光性に影響を与えます。
  • ピン数:デバイスとの接続性を考慮して、2ピン、3ピン、または4ピン構成を確認する必要があります。
  • 出力指向性:狭角・広角、または照射パターンに応じて、用途に適したタイプを選定します。

赤外線LEDの用途

IR LEDは、さまざまな業界や分野で活用されており、特に日本国内の自動化・省人化需要の高まりによりその重要性が増しています。

  • 自動ドアセンサー:人や物体の接近を赤外線で検知し、開閉制御を行います。
  • 監視カメラの補助照明:夜間や暗所でも可視光を使わずに映像記録が可能。
  • Arduino赤外線LEDプロジェクト:教育現場やDIYでの赤外線通信体験に使用。
  • 医療機器の非接触スイッチ:手をかざすだけで操作が可能な衛生的制御。
  • 日本の自動搬送車(AGV):障害物検知やライン追従制御に赤外線センサーとLEDが連動。

赤外線LEDのメーカー

信頼性の高いIR LEDを供給する国内外メーカーを以下に紹介します。

  • ams OSRAM:高性能かつ長寿命の赤外線LED製品を展開する国際ブランド。
  • Vishay:産業機器から民生機器まで幅広い赤外線デバイスを提供。
  • Wurth Elektronik:安定した供給力と高い技術サポートを持つ欧州メーカー。
  • OSA Opto:精密光学に強みを持ち、赤外線通信やセンシング向け製品を展開。
  • Broadcom:高出力タイプの赤外線LEDに定評がある世界的メーカー。
  • ローム(ROHM):日本国内における赤外線LEDの代表格で、信頼性と性能のバランスに優れています。

赤外線LEDは、目には見えない情報のやり取りを担う重要なデバイスとして、今後ますます需要が高まると考えられます。特に日本のように自動化・省人化が急速に進む社会においては、IR LEDの役割はさらに広がっていくでしょう。

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