DINレール

DINレールとは?

DINレールは、制御盤や産業機器の内部で機器や端子台を効率よく固定するための、標準化された取り付けレールです。ドイツ規格(DIN規格)に基づいて設計されており、国内外のさまざまな機器で共通して使用できる高い互換性が特徴です。国内の産業ロボット、再生可能エネルギー設備、物流システムなどでも標準部品として組み込まれており、装置設計や保守作業の効率化に欠かせない要素となっています。

DINレールの仕組み

DINレールは、金属または樹脂製の帯状レールに機器をはめ込んで固定する構造で、レールの形状と機器側の固定機構がかみ合うことで安全に保持されます。なかでも35mm DINレール(トップハット型)は最も一般的で、多くの機器に対応できる安定した固定力を持っています。

DINレールの主な役割は、機器を整然と配置すること、配線作業を容易にすること、そして保守・交換作業を標準化することです。15mm DINレールのような小型タイプや、絶縁性に優れたプラスチック製DINレールなど、設置環境や安全性に応じたバリエーションも存在します。再生可能エネルギー機器やIoT装置でも、適切なDINレールを選ぶことで作業効率と信頼性が向上します。

DINレールとマウントプレートの違い

DINレールは、スナップ機構により機器を素早く取り付け・取り外しできる点が大きな特徴です。国内の産業設備やAI搭載装置では、機器交換の迅速性が求められるケースが多く、作業効率の高さからDINレール方式が広く採用されています。また、DINレールは価格が比較的安定しており、通販でも多くのシリーズが流通しているため、調達しやすいことも利点です。

一方、マウントプレートは平板上に機器をねじ固定する方式で、振動の大きい環境や、より確実な固定が必要な場面で活用されます。DINレールと比べると柔軟性は低いものの、重量物や特殊形状の装置に適しています。選定にあたっては、作業性・保守性・機器重量などを総合的に比較検討することが重要です。

DINレールの種類

DINレールには、使用環境や固定方式に応じて複数の種類があり、用途に合わせた選定が必要です。国内の制御盤、半導体設備、物流機器では、信頼性と作業性のバランスを重視した形式が好まれる傾向にあります。

  • 35mm DINレール(トップハット型):最も一般的なタイプで、多くの端子台や電源装置に対応します。
  • 15mm DINレール:小型機器向けで、省スペース設計が求められるIoT機器や小型制御機器に適しています。
  • プラスチック製DINレール:絶縁性に優れ、腐食しにくいため湿度の高い環境に適しています。
  • C形DINレール:C字断面を持ち、高い強度と安定性を確保しやすい形式です。
  • G形DINレール:深い溝構造を持ち、強固な保持力が求められる装置に使用されます。
  • 穴あきDINレール(パーフォレーテッド):レール自体に穴があり、機器をねじで固定できるため、振動対策として用いられます。
  • 穴なしDINレール(アンパーフォレーテッド):標準的なスナップ固定に適したタイプで、施工性に優れています。

DINレールの利点

DINレールの主な利点は、作業効率の高さ、互換性、安全性にあります。国内の産業オートメーションや交通インフラでも、標準化された取り付け方式として広く採用されています。

  • 高い互換性:トップハット型などの標準化された形状により、多数の機器を共通の方式で取り付け可能。 例:端子台、電源モジュール
  • 作業効率の向上:スナップ式で機器を短時間で交換でき、保守作業が容易になります。 例:工場ラインの制御盤、AI制御端末
  • 安全性の確保:機器を整然と配置でき、配線の乱れや緩みを防ぎやすい構造です。 例:再生可能エネルギー設備、交通インフラ機器
  • 柔軟な拡張性:追加機器の増設が容易で、装置改修や機能拡張に対応しやすくなります。 例:物流ロボットの制御盤拡張、IoTゲートウェイ装置
  • コストパフォーマンス:メーカーによって価格差はあるものの、標準化による施工効率の高さから総合的なコスパに優れます。 例:工場保守、配電盤改修

一方で、DINレールには以下のようなデメリットもあります。

  • 重量物の固定には、補強金具や追加サポートが必要となる場合がある。
  • レールの形式によっては、一部の機器と互換性がないことがある。

DINレールの選び方

DINレールを選定する際は、設置環境や取り付ける機器の条件を踏まえた判断が重要です。

  • 互換性:C形、G形、トップハット型、ミニトップハット型などがあり、使用する機器の固定方式に合わせて選びます。端子台対応かどうかも事前に確認が必要です。
  • 長さ:配電盤や制御盤の幅に合わせてレール長を決めます。将来の拡張を見据え、ある程度の余裕を持たせると扱いやすくなります。
  • 高さ:35mm、15mm、8mm、7.5mm、6mmなどがあり、装置内部のクリアランスやレイアウトに合わせて選定します。
  • DINレールタイプ:パーフォレーテッド(穴あき)とアンパーフォレーテッド(穴なし)があり、取り付け方法や振動条件に応じて使い分けます。
  • 材質:スチールやアルミなどの金属製に加え、樹脂製も存在します。耐腐食性、絶縁性、重量など、使用環境に応じて選ぶことが重要です。

DINレールのメーカー

DINレールを製造・販売するメーカーは国内外に多数存在し、用途や求める性能に応じて適切なブランドを選定する必要があります。価格帯や供給形態、通販での入手性もメーカーごとに異なります。

  • RS PRO:幅広いDINレール製品を展開する国際ブランドで、多用途向けのラインアップが特徴です。
  • Schneider Electric:電力制御システムで知られ、産業用DINレールの品質に定評があります。
  • Siemens:自動化機器の大手メーカーで、信頼性の高いDINレールを提供しています。
  • Rittal:制御盤筐体で有名なブランドで、産業設備向けDINレールを多数ラインアップしています。
  • Omron(オムロン):国内メーカーとして多様な制御機器を展開し、DINレール関連製品も取り扱っています。
  • Phoenix Contact:端子台や制御機器の大手ブランドで、DINレール製品も高評価を得ています。

DINレールは、装置内部の機器配置や配線品質を大きく左右する重要な部品です。再生可能エネルギー装置やIoTゲートウェイ、半導体製造装置など、幅広い分野で採用が進んでおり、適切なDINレールを選択することで、機器全体の信頼性とメンテナンス性を高めることができます。

DINレール用RSコンポーネントのご紹介

RSは、日本全国で使用されるDINレールの世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たすDINレールを提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広いDINレールを卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。

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