基板スペーサ
基板スペーサとは？
基板スペーサは、プリント基板（PCB）と筐体、または他の基板との間に一定の距離を確保するための部品です。電子機器内部の構造を安定させるうえで欠かせない存在で、回路の保護や放熱性の確保など、多くの重要な役割を担います。国内の半導体製造装置、AIデバイス、IoT端末などでも幅広く利用され、機器の信頼性を支える基本部品として定着しています。
基板スペーサの仕組み
基板スペーサは、基板と筐体の間に物理的な間隔を設けることで、ショートや接触不良を未然に防ぎます。ネジやはめ込み構造によってしっかり固定され、内部構造を安定させる仕組みです。
基板スペーサの主な役割には、基板保護、振動吸収、放熱性向上、組立て効率化があります。特に表面実装スペーサやSMTスペーサは自動実装工程に対応できるため、量産製品で多用されています。国内の産業ロボットや再生可能エネルギー機器でも、精度の高い部品配置のために一般的に使用されています。
基板スペーサとスタンドオフの違い
基板スペーサは、主に距離を確保するために使用され、さまざまな高さ・材質のバリエーションがあります。軽量で扱いやすい製品が多く、基板同士や筐体との安全なクリアランス確保に最適です。特に電子機器の軽量化が求められる国内市場では、プラスチック製スペーサの需要が増加しています。
一方、スタンドオフはスペーサよりも頑丈な構造を持ち、ねじ固定によって強固な取り付けが可能です。金属製で高い強度が要求される用途に適しており、重負荷がかかる機器や高振動環境で使用されます。スペーサより耐久性に優れる反面、重量増につながる場合もあるため、用途に応じた選定が必要です。
基板スペーサの種類
基板スペーサには多様な種類があり、用途や取り付け方式に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。国内の半導体設備や工場ラインでは、精密性と耐久性を兼ね備えたタイプが選ばれる傾向にあります。
- 丸型スペーサ：一般的な円筒形で、多くの基板に使用される標準タイプです。
- 六角スペーサ：工具での締め付けが容易で、強度を求める用途に適しています。
- はめ込み式スペーサ：工具不要で簡単に取り付けでき、作業性に優れています。
- 表面実装スペーサ：自動実装工程に対応しており、量産機器向けに広く使用されます。
- SMTスペーサ：基板に直接実装でき、高い位置精度が求められる組立てに適しています。
- 金属スペーサ：耐熱性・耐久性に優れ、工業用途や高負荷環境で使用されます。
- 絶縁スペーサ：電気的に絶縁された材質でショート防止に効果的です。
基板スペーサの利点
基板スペーサは電子機器の設計・製造を支える重要部品であり、機器の信頼性や耐久性を大幅に向上させます。国内の風力発電設備、物流機器、AI搭載装置などでも広く採用されています。
- 基板の保護：筐体や他の基板との接触を防ぎ、ショートを回避します。 例：IoT端末内部、センサー基板
- 振動吸収：軽量で柔軟性のある材質により振動を軽減できます。 例：輸送機器、可動式ロボット
- 放熱性の向上：基板間に空間を作り、空気流動を促して放熱を改善します。 例：半導体装置の冷却、電源ユニット
- 組立て効率化：はめ込み式やSMTスペーサにより、作業時間を短縮できます。 例：量産ライン、AIデバイス組立て
- コスパの高さ：信頼性向上に対する費用対効果が高い部品です。 例：教育用機器、試作デバイス
ただし、以下のようなデメリットもあります。
- 材質やサイズ選定を誤ると固定力が不足する場合がある。
- 高負荷環境では金属スペーサが必要となり、重量増の可能性がある。
基板スペーサの選び方
基板スペーサを選定する際は、基板仕様や使用環境を踏まえた適切な検討が必要です。
- 基板の穴径：スペーサ挿入用の穴径に適合したサイズを選びます。合わないと安定固定できません。
- 基板の厚さ：1mm、2mm、3mm、4mm、5mmなどがあり、基板強度や構造に応じて選定します。厚い基板ほど長いスペーサが必要になります。
- 筐体側の穴径：筐体固定に使用する穴径の確認が重要で、基板側との整合性が必要です。
- 筐体の厚さ：筐体が厚い場合は長めのスペーサが必要となることがあります。
- スペーサの材質：ナイロン、スチール、アルミ、真鍮、ステンレスなどがあり、耐熱性・耐候性・重量などの観点で評価します。
- ねじサイズ：M2、M2.5、M3などが一般的で、取り付ける部品の仕様に合わせて選定します。
基板スペーサのメーカー
基板スペーサを製造・販売するメーカーは国内外に多く存在し、通販での入手性も良好です。価格帯や材質のラインアップもメーカーごとに異なるため、用途に応じた選定が重要です。
- RS PRO：幅広い電子部品を展開する国際ブランドで、多用途向けの基板スペーサを提供。
- Wurth Elektronik：電子部品大手で、高品質なスペーサを多数取り扱っています。
- Essentra：工業部品メーカーとして知られ、豊富な形状・材質のスペーサを製造。
- Harwin：精密電子部品に強く、小型スペーサのラインアップが充実しています。
- Mac 8（マックエイト）：国内メーカーで、電子基板向けアクセサリの品揃えが豊富です。
- Bivar：表示部品や電子部品を扱う国際ブランドで、耐久性の高いスペーサ製品を提供しています。
基板スペーサは電子機器の設計や製造を支える基本部品であり、国内の半導体装置、再生可能エネルギー機器、物流機器など多様な分野で欠かせない存在です。適切な基板スペーサを選ぶことで、機器の信頼性・耐久性・作業効率を大きく向上させることができます。
基板スペーサ用RSコンポーネントのご紹介
RSは、日本全国で使用される基板スペーサの世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たす基板スペーサを提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広い基板スペーサを卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。
