放熱シート・熱伝導シートとは?
電子機器において熱管理は非常に重要であり、その解決策の一つが放熱シートです。放熱シートは部品と放熱板の間に挟むことで効率的に熱を移動させ、機器の安定性と長寿命化を支えます。日本の半導体産業やAIサーバー環境でも一般的に採用され、国際的にも信頼性の高い冷却手法として利用されています。
放熱シートの仕組み
熱伝導シートは部品から発生する熱を効率的に放熱板やヒートシンクに伝える役割を果たします。柔軟な材質によって部品表面の凹凸を埋め、密着度を高めることで熱抵抗を低減します。
サーマルシートの機能は単に熱を逃がすだけでなく、部品の保護や組み立て作業の効率化にもつながります。CPU熱伝導シートは特にパソコンや産業用サーバーに用いられ、高性能チップの安定動作を保証します。
放熱シートとサーマルペーストの違い
熱対策においては放熱シートとサーマルペースト(熱グリース)の両方が使用されますが、それぞれに特徴があります。サーマルペーストは塗布することで微細な隙間を埋め、非常に高い熱伝導性能を発揮しますが、塗布や除去に手間がかかり、再利用が難しいという欠点があります。
一方で放熱シートはシート状で取り扱いが容易であり、再利用できるケースも多いです。さらに、シリコンやグラファイトといった素材の選択によって性能や耐久性を調整できるため、日本国内の産業ロボットやIoT機器でも多用されています。用途やメンテナンスのしやすさを考慮して選択することが重要です。
放熱シートの種類
放熱シートには多様な種類があり、用途や求められる性能に応じて選ばれます。
- シリコン系放熱シート:柔軟性が高く、多くの電子機器で標準的に使用されます。
- 非シリコン系放熱シート:シリコンのアウトガスを嫌う用途に適しており、光学機器や高精度機器で利用されます。
- グラファイト放熱シート:高い熱伝導率を持ち、スマートフォンや国内の自動車電子機器で採用されています。
- ガラス繊維補強放熱シート:機械的強度が高く、耐久性を求められる産業用途に適しています。
- セラミック充填放熱シート:高温環境下で安定性を発揮し、再生可能エネルギー設備で利用されています。
- CPU熱伝導シート:コンピュータやサーバー向けに最適化されたタイプです。
放熱シートの利点
サーマルシートを利用することで得られる利点は多数存在します。
- 熱管理の効率化:部品の発熱を抑え、寿命を延ばします。例:AIサーバーや国内の半導体製造装置。
- 取り扱いの容易さ:貼るだけで使用でき、再利用可能な場合もあります。例:IoT機器や組み込み制御システム。
- 部品保護:絶縁性を兼ね備えるタイプもあり、短絡を防止します。例:太陽光発電のインバータや風力発電制御装置。
- 多様な素材選択:シリコン、非シリコン、グラファイトなど、条件に応じた選択が可能です。例:自動車用ECUや国内の鉄道システム。
- メンテナンス効率:ペーストのように清掃が不要で、作業効率が高まります。例:研究機関での試験装置や教育現場の学習用機器。
- 環境適応性:高温や湿度の高い環境でも安定して使用可能です。
ただし以下の欠点も存在します。
- サーマルペーストに比べて熱伝導率が劣る場合があります。
- 高性能品はコストが上昇します。
- 一部の素材では長期使用で硬化や劣化が発生する可能性があります。
放熱シートの選び方
用途に合った放熱シートを選ぶためには、以下の要素を考慮することが重要です。
- 素材:シリコン、非シリコン、グラファイト、ガラス繊維、セラミックなどから選択します。
- 熱伝導率:冷却が必要な機器に応じて、数W/m·Kから十数W/m·Kまでの範囲を確認します。
- 最大使用温度:125°C、200°C、400°Cなど、用途に応じて選定します。
- 寸法:厚さや幅を確認し、対象部品にフィットするか確認します。
- 圧縮性:表面の凹凸を埋めるために、適切な柔軟性や圧縮性を持つかが重要です。
放熱シートの用途
熱伝導シートは幅広い分野で使用されています。
- 産業用ロボット:モータードライバや制御基板の冷却に利用されます。
- 再生可能エネルギー設備:太陽光発電や風力発電のパワーコンディショナに採用されています。
- IoT機器:小型デバイスにおいて熱対策として組み込まれます。
- 輸送機器:自動車や鉄道の制御装置で使用され、日本国内の輸送インフラに不可欠です。
- 研究開発:大学や研究所での新素材試験やAIチップ冷却実験に利用されています。
放熱シートメーカー
放熱シートは国内外のメーカーから供給されており、信頼性と品質が重視されます。
- RS PRO:幅広い種類の放熱シートを提供しています。
- Bergquist:熱対策部材で国際的に評価されているメーカーです。
- Wurth Elektronik:ドイツを拠点に、多様な電子部品を展開しています。
- パナソニック:日本国内で高性能な熱伝導シートを提供しており、産業用途でも信頼されています。
- KGS:独自素材を活用した高品質なサーマルシートを開発しています。
- GCS Thermal:グローバルに事業展開し、産業・商業用途で利用されています。
放熱シートは電子機器の性能と寿命を大きく左右する重要な部品です。日本の産業ロボットや再生可能エネルギー設備から日常のコンピュータに至るまで、その応用範囲は広がっています。適切な製品を選ぶことで、安定性と効率性を兼ね備えたシステム運用を実現できるでしょう。
放熱シート・熱伝導シート用RSコンポーネントのご紹介
RSは、日本全国で使用される放熱シートの世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たす熱伝導シートを提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広い放熱シート・熱伝導シートを卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。