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    スルーホール型抵抗器

    スルーホール型抵抗器とは?

    スルーホール型抵抗器は、リード線付きの抵抗器で、電子回路基板に開けられた穴に挿入し、はんだ付けして使用される電子部品です。「リード型抵抗器」とも呼ばれ、信頼性の高い接続と機械的な固定力に優れることから、現在でも産業用機器や高耐久性を求められる用途に広く利用されています。設計の自由度と堅牢性を両立させる要素として、電子工作から再生可能エネルギー関連装置まで幅広く使用されています。

    スルーホール型抵抗器の仕組み

    このタイプの抵抗器は、電気信号がリード線から抵抗体を通って流れる構造になっており、抵抗体は電流の流れを制限してエネルギーを熱に変換する役割を果たします。一般的にセラミック製の筒状ボディの両端にリード線が取り付けられ、そのまま基板のスルーホールに差し込んではんだ付けされます。

    スルーホール型抵抗器の主要な機能は、回路内の電流を制御し、電圧を分割したり、信号のバイアスを整えたりすることです。また、回路の安定性確保や電力の分散といった面でも重要な役割を担っています。国内の再生可能エネルギー機器やインバータ制御システムでは、高電力を処理する耐久性のある部品として採用されています。交通システムの制御装置やセンサー回路でも、長寿命と信頼性の高さが評価され、使用されています。

    スルーホール型抵抗器と表面実装抵抗器の違い

    スルーホール型抵抗器と表面実装抵抗器(SMD、チップ抵抗器)は、構造、取り付け方法、用途に大きな違いがあります。スルーホール型はリード線を基板の穴に通して取り付けるため、物理的な固定力が強く、振動や衝撃に対して高い耐性を持ちます。一方、表面実装抵抗器は基板表面に直接はんだ付けされるため、サイズが小さく、自動実装や高密度基板に適しています。

    電気的特性においては、両者とも基本的な動作は同じですが、スルーホール型の方が高電力対応に優れており、1Wや2W、さらにはそれ以上の定格電力に対応した製品が豊富です。そのため、家庭用電源機器や工場用インフラなど、長時間の高負荷動作が求められる場面では、スルーホール型が選ばれることが多いです。

    スルーホール型抵抗器の種類

    スルーホール型抵抗器には、構造や材質、性能の違いによりさまざまな種類があります。

    • アキシャルスルーホール型抵抗器:リード線が抵抗器の両端から直線的に出ており、最も一般的な形状。
    • ラジアルスルーホール型抵抗器:リード線が同じ側から出ており、省スペース設計に向いています。
    • セラミックスルーホール型抵抗器:耐熱性・耐湿性に優れ、過酷な環境での使用に適しています。
    • 金属皮膜スルーホール型抵抗器:高精度で低ノイズの特性を持ち、計測機器などに使われます。
    • 炭素皮膜スルーホール型抵抗器:価格が安価で汎用性が高く、教育用途や簡易回路に適しています。
    • メタルオキサイドスルーホール型抵抗器:高温環境下でも安定して動作し、過電流にも強い。

    スルーホール型抵抗器の利点

    このタイプの抵抗器は、設計や用途に応じて多くのメリットを提供します。特に高耐久性と信頼性を重視する場面で強みを発揮します。

    • 高い機械的安定性:基板に深く挿入する構造により、物理的な強度が高い。例:振動が多い車載システム、産業用装置。
    • 優れた放熱性能:リード線を通じて熱が拡散しやすく、高電力用途に適しています。例:電源回路、モータ制御。
    • 修理・交換が容易:部品の取り外しがしやすいため、試作やメンテナンス性に優れています。例:試作基板、教育現場での回路実験。
    • 幅広い定格電力ラインアップ:0.125Wから数十ワットまで対応可能。例:LED照明用抵抗器、大型スピーカー保護回路。
    • 多様な構造と材質の選択肢:高精度、耐環境性、コスト重視など、目的に合わせた選定が可能です。

    一方で、以下のような短所もあります。

    • 実装面積が大きくなる:表面実装品に比べてサイズが大きいため、基板レイアウトの自由度が制限されます。
    • 自動実装に不向き:手作業での取り付けが前提となるため、量産性が劣ります。

    スルーホール型抵抗器の選び方

    スルーホール型抵抗器を選定する際には、以下の点を確認することが重要です。

    • 抵抗値:使用する回路の要件に合わせて精密に選定します。単位はオーム(Ω)。
    • 定格電力:1Wや2Wなど、回路で処理する電力に応じて選びます。
    • パッケージタイプ:TO-220など、放熱性を重視するか省スペースを優先するかにより異なります。
    • 温度係数:高精度用途では低TCR(温度係数)タイプが推奨されます。
    • 構成素材:セラミック、金属皮膜、メタルオキサイドなど、耐熱性や精度に応じて選定します。

    スルーホール型抵抗器の用途

    幅広い用途に対応できるスルーホール型抵抗器は、産業用から家庭用、ホビー用途まで様々な分野で活用されています。

    • 再生可能エネルギー装置:太陽光インバータや風力タービン制御に使用されます。
    • 鉄道関連機器:信号システムや安全装置における安定動作に貢献。
    • 半導体製造装置:高温環境下での電力制御に対応可能な構造。
    • オーディオ機器:スピーカー保護やフィルター回路に活用。
    • 電子工作・教育用途:構造が見やすく、回路理解の補助にも最適。

    スルーホール型抵抗器の主なメーカー

    信頼できるメーカーからの製品を選ぶことで、性能と安全性を長期にわたって確保できます。

    • RS PRO:豊富な製品群で、標準から高電力用途までカバー。
    • パナソニック:高品質と安定供給に定評のある国内メーカー。
    • TE Connectivity:産業用や車載用に強みを持つグローバルブランド。
    • Vishay:高精度・高信頼性の抵抗器を展開する世界的メーカー。
    • Yageo:コストパフォーマンスと性能のバランスが取れた製品が特長。
    • KOA:国内におけるリード型抵抗器のリーディングカンパニーで、幅広いラインアップを提供。

    スルーホール型抵抗器は、堅牢性と信頼性を求める電子設計において不可欠な部品です。自動化や高密度実装が進む中でも、試作・高電力用途・環境耐性が必要な場面ではその重要性は今なお高く、今後もさまざまな分野で活用されていくでしょう。

    スルーホール型抵抗器用RSコンポーネントのご紹介

    RSは、日本全国で使用されるスルーホール型抵抗器の世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たすスルーホール型抵抗器を提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広いスルーホール型抵抗器を卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。

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