ワンタッチ継手

ワンタッチ継手とは?

ワンタッチ継手は、空気圧配管においてエアチューブや配管を簡単に接続・取り外しできる部品です。特に工具不要で着脱が可能なため、メンテナンス性と作業効率が高く、多くの自動化設備や空気圧制御システムで利用されています。国内外問わず、工場の生産ラインや研究機関、ロボティクス分野などで重要な役割を担う部品です。

ワンタッチ継手の仕組み

ワンタッチ継手は、内部に設けられた爪付きのクランプ機構によってエアチューブを固定します。チューブを差し込むと自動的にロックされ、抜き取る際はリリースリングを押し下げることで簡単に取り外せます。

この仕組みにより、作業時間の短縮や施工ミスの防止が可能になります。国内の製造現場では、頻繁な配管の変更やメンテナンスが求められる場面で、ワンタッチ継手の利便性が評価されています。また、空気漏れを抑えるシール構造により、エネルギー損失を最小限に抑えることもできます。これは再生可能エネルギー関連設備やIoTデバイスの冷却系統でも重要な特性です。

さらに、複数の接続口を持つタイプや、回転機構を備えたモデルも存在し、複雑な配管設計にも柔軟に対応できます。特に日本の省スペース設計が求められる機器では、エア継手の構造選定が全体の性能に大きく影響します。

油圧継手との違い

空気圧継手と油圧継手は、どちらも流体制御のために使用される継手ですが、その構造や用途には大きな違いがあります。

油圧継手は、高圧の液体を扱うため、金属製の堅牢な構造とねじ式やフレア式の強固な接続方式が必要です。高圧環境に耐えるために、漏れ防止性能や耐久性が重視されます。建設機械や大型産業機器など、重量物の駆動が必要なシステムで広く使われています。

一方で、ワンタッチ継手は比較的低圧の空気を扱うため、軽量で簡便な設計が可能です。手作業での着脱が容易で、空圧制御が頻繁に行われる場面ではその取り扱いやすさが重要視されます。たとえば、国内の半導体装置や食品包装ラインなど、清潔さや繊細な制御が求められる分野での活用が進んでいます。

ワンタッチ継手の種類

空気圧継手にはさまざまなタイプが存在し、それぞれの設計目的に応じて選択されます。形状、材質、接続方式などにより、配管設計の自由度が大きく広がります。

  • インラインワンタッチ継手:直線状に配管を接続する基本的な構造で、直進配管に多用されます。
  • エルボタイプ継手:90度に方向転換でき、省スペースでの配管に適しています。
  • T字型ワンタッチ継手:3方向への分岐が可能で、複数の配管を効率よく接続できます。
  • バルブ付き継手:流体の遮断が可能な構造で、保守作業の際に便利です。
  • バルクヘッド継手:パネルや壁面を貫通して配管を接続する場合に用いられます。
  • 銅管ワンタッチ継手:銅パイプとの接続が可能で、冷却機器や空調設備に多用されます。
  • 回転機構付き継手:配管のねじれや振動を吸収し、可動部に適した設計です。

ワンタッチ継手の利点

作業効率や安全性、設計自由度の向上といった面で、多くの現場で導入が進んでいます。

  • 作業時間の短縮:工具不要で素早く接続可能。例:半導体工場のレイアウト変更、物流センター内の設備改修。
  • 漏れ防止:内蔵シール材による気密性確保。例:食品包装機の清潔保持、医療用機器のエア制御精度向上。
  • 軽量・省スペース:小型機器への実装に適する。例:ドローンの空圧駆動系、自動販売機の内部ユニット接続。
  • 施工の柔軟性:豊富な形状とサイズ。例:AGV制御装置の複雑な配管ルート、再生可能エネルギー設備のモジュール化配管。
  • 保守性の高さ:定期メンテナンスが簡単。例:IoTセンサネットワークの更新作業、国内のスマートファクトリーでの部品交換。

ただし、以下のような制約も存在します。

  • 高圧用途には向いていません。
  • 密閉構造が必要な環境では、適切な型の選定が不可欠です。
  • 一部の材質は化学薬品や高温に弱い傾向があります。

ワンタッチ継手の選び方

用途に応じた継手選定は、システム全体の信頼性や効率に直結します。以下の要素を考慮することが重要です。

  • ボディ材質:PBTは軽量で絶縁性に優れ、ブラス(真鍮)は耐久性と耐腐食性が高いです。ポリエチレンは柔軟性があり、PP(ポリプロピレン)は化学耐性に優れています。
  • 取り付け方式:サーフェスマウントは薄型筐体に有利、バルクヘッドはパネル設置向け、インラインは直線構造に適し、クランプマウントは振動が多い場所で有効です。
  • 接続チューブサイズ:一般的には4mm、6mm、8mmなどが多く、流量や配管スペースに合わせて選定します。
  • 耐圧・耐熱性能:通常使用圧力は0.8MPa程度ですが、温度条件や環境によって仕様確認が必要です。
  • メディアとの適合性:水や薬品など、空気以外の流体を扱う場合は材質の化学的適合性も重要です。

ワンタッチ継手の用途

さまざまな分野で活躍しており、日本の産業現場においても非常に高い採用率を誇ります。

  • 自動組立ライン:ピック&プレース機構やエアシリンダの接続に使用。
  • ロボットアーム:産業用ロボットの空圧制御に活用され、高速動作にも対応。
  • 鉄道車両の空調装置:信頼性が求められる国内列車での使用実績あり。
  • ソーラー設備の冷却システム:直射日光下でも使用可能な設計が求められます。
  • DIYや模型製作:手軽な空気圧操作を実現するパーツとして人気。

ワンタッチ継手の主なメーカー

日本市場では信頼性、施工性、耐久性を重視する傾向が強く、それに応えるメーカーが国内外に数多く存在します。

  • RS PRO:汎用性とコストバランスに優れたラインアップを展開しています。
  • SMC:日本の代表的空気圧機器メーカーで、精密制御用途に強みを持ちます。
  • Festo:ドイツの大手企業で、自動化・ロボット分野の信頼性が高いブランドです。
  • Legris:フランス発の流体制御専門メーカーで、高品質な接続部品が特徴です。
  • Norgren:イギリスのブランドで、産業用の堅牢な設計に定評があります。
  • RND:経済性と実用性を重視した製品が多く、汎用システムに適しています。

空気圧制御の現場では、適切な継手の選定と組み合わせがシステム全体のパフォーマンスと信頼性を左右します。日本市場においても、省エネ・高信頼性への要求が高まる中、ワンタッチ継手の果たす役割はますます重要になっていくでしょう。

ワンタッチ継手用RSコンポーネントのご紹介

RSは、日本全国で使用されるワンタッチ継手の世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たすワンタッチ継手を提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広いワンタッチ継手を卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。

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