TVSダイオード・ESD保護ダイオード

TVSダイオードは、ESD保護ダイオードとも呼ばれ、電子回路や部品などを高い過渡電圧から保護するために設計された電子部品です。USBラインや配線などに発生した異常電圧(ESD)を吸収し、回路や部品の誤動作・破損を防止することができます。静電気放電・短時間のパルス電圧などに対しては、このデバイスが有効な対策部品となります。

TVSダイオードとツェナーダイオードの違い

TVSダイオードはツェナーダイオードの一種です。両者とも電子回路を保護するために使用されますが、次のような違いがあります。

• ツェナーダイオードは電圧をより安定にするために使われ、通常、降伏現象が発生する領域で使用します。
• TVSダイオードはESD（静電気放電）やサージのような高い過渡電圧を防ぐために使われ、通常、電流がほとんど流れず電圧のみが印加される状態で使用します。

TVSダイオードの使い方

TVSダイオードは、一般に電圧クランプ型のサージ防護素子として使用します。通常のダイオードより大きな断面積のPN接合を備えているため、損傷を受けることなく大電流をグランドに導通することができます。過渡電圧事象が発生する時、ダイオードの抵抗は高抵抗から低抵抗に急激に変化して、短時間で非常に大きな過電圧を吸収できます。そのため、落雷、誘導負荷スイッチング、ESDなどの静電放電や突発的に発生する過電圧から、電子回路・素子などを保護するために使用されます。