バックコンバータ (別名ステップダウンコンバータ)は、 入力電圧をステップダウンして出力するDC-DCパワーコンバータです。バックコンバータでは、必要なコアコンポーネントと回路を1つのデバイスにまとめています。
バックコンバータは、 電力調整の特性が重要な要素になっている数多くの電子用途に使用されています。
バックコンバータの動作
バックコンバータは、 回路のオン / オフを高速で切り替えるスイッチ(通常はMOSFET)を組み込んだデバイスクラスであるスイッチモード電源の一種です。この高速スイッチでは、方形波が生成されます。スイッチのデューティサイクルが50 %に設定されている場合、 つまり、スイッチがオンになっている時間が50 %の場合、 平均電圧は入力の50 %になります。
有効電力を供給するには、方形波を平滑化する必要があり、 通常はインダクタとコンデンサを直列に使用してこの機能を実現します。この組み合わせをLCローパスフィルタといいます。インダクタの特性により、電流がスムーズに流れ、 コンデンサにより、突然の電圧変動に耐えられます。この複合効果によって、低リップルで比較的スムーズな電圧出力が得られます。たとえば、 入力電圧が10 Vでスイッチのデューティサイクルが50 %の場合、 出力電圧は5 Vになります。
さらに、バックコンバータでは、インダクタと並列にダイオード又はその他のスイッチを組み込む必要があります。この方法でインダクタの特性を補償します。 インダクタの電流はすぐに変化しないためです。 これにより、スイッチングトランジスタは過負荷や破壊から保護されます。
バックコンバータには、出力電圧を確実に安定させるための追加回路も組み込まれています。このコンバータは、負のフィードバックを備えた閉ループ制御スキームを使用して電圧出力を監視し、スイッチのデューティサイクルを動的に調整して出力電圧を調整します。
設計上の考慮事項
- バックコンバータは非常に効率が高く、 効率が95 %を超えるデバイスもあります。
- バックコンバータは、高電力レベルにおいてリニアレギュレータよりもコスト効率に優れている可能性があり、 リニアレギュレータから発生する熱を除去するコストが、バックコンバータの導入コストよりも低い場合があります。
- バックコンバータの出力にはノイズが含まれます。 つまり、リニア電圧レギュレータの出力の安定性が高いほど、出力ノイズを抑える必要がある用途に適しているということです。
- リニアレギュレータは、バックコンバータよりも、入出力の変化に高速に対応できます。