- 発行日 2025年2月27日
- 最終変更日 2025年2月27日
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コンピュータの電力消費について
CPUやGPUからマザーボード、メモリ、ディスクドライブに至るまで、コンピュータは多くの電力を消費しています。この記事では、コンピューターの消費電力に影響する要因を探り、調べる方法を紹介して省エネのヒントを提供します。

コンピュータの消費電力は、コンピューターの種類や使用時間、頻度によって異なり、エネルギー効率の高い最新のノートパソコンで数十ワットから、大型のデスクトップパソコンで数百ワットまで幅があります。コンピュータは空調設備や生産機械ほど電力を消費しませんが、消費電力を把握し、その削減方法を検討することは、ビジネスをより持続可能なものにする方法です。
この記事では、コンピュータの消費電力に影響する要因を分析し、使用電力の測定方法から省エネのヒントを提供します。
電力と電力量の違い
先に進む前に、電力と電力量の違いについて簡単に説明します。
電力はワットまたはキロワット(WまたはkW)の単位を用います。電気のエネルギーは、電力に時間を掛けたものになり、これを電力量といい、キロワット時(kWh)で表します。電力(ワット)は一定期間(時間)消費され、その結果、どれだけの電力が使われたかを示すキロワット時(kWh)という数字になります。
キロワット時(kWh)は、電気を使うときの電力量を示すのによく使われます。この単位は、コンピュータの消費電力にも使われています。
コンピュータの消費電力に影響を与える要因
コンピュータの消費電力に影響する要因は数多くあります。コンピュータに搭載されているハードウェアの種類、メモリ、電源管理システムなど、すべてがコンピュータの使用電力に影響します。ここでは、最も電力を消費するハードウェアとコンピュータの動作について説明します。
CPU
中央演算処理装置(CPU)は通常、コンピュータの消費電力の大部分を占め、その消費電力は数十ワットから数百ワットにもなります。CPUの動作が増えれば増えるほど、消費電力も増えます。インテルのハイエンドCPUは最大150ワットを消費します。もちろん、CPUは常に全力で動作しているわけではありませんが、アイドル状態でも電力を消費します。
GPU
グラフィックを高速化し、コンピュータの画像処理を実行するグラフィックプロセッシングユニット(GPU)も、多くの電力を消費します(ハイエンドのグラフィックカードでは最大1,000ワット)。計算では、Nvidiaの一般的なハイエンドGPUは年間約3,740kWhの電力を消費します。この数字を世界中にある数百万のプロセッサーに拡大すると、その総電力量は米国の多くの主要都市よりも高くなります。グラフィックスカードメーカーにとって、速度と大量のグラフィックデータを処理する能力を維持しながら消費電力を削減することは最優先事項です。
メモリ/データストレージ
旧式のコンピュータに搭載されていたハードディスクドライブや、現在広く使われているソリッドステートドライブなどの記憶媒体も、多くの電力を消費します。ハードディスクドライブとSSDのどちらがよりエネルギー効率が高いかについては、実際に多くの議論があります。しかし、SSDには可動部品がないため、コンピュータの全体的なエネルギー効率に関しては、有利だと考えられています。
PCタスクの実行
PCが実行するタスクの計算の複雑さは、その使用電力量に影響します。例えば、CPUのクロック速度が上がると、デバイスの使用電力も上がります。インターネットの閲覧や文章作成などの単純なタスクは、ビデオのストリーミングやゲームよりも少ない消費電力で済みます。一方、ビデオ編集のようなデータ量の多いタスクは、より多くの電力を必要とします。
場所、時間帯、時期
異なる場所、時間帯、時期における電力の使用は、コンピュータの運用コストと業務の持続可能性に影響します。日本では通常、深夜から早朝にかけての時間帯(午後10時~翌日午前8時)が電力オフピーク時間帯とされているため、この時間帯に集約的なデータ作業を行えば、電気代を抑えることができます。また、再生可能エネルギーは、夏と冬では電力構成が異なるため、春と秋は、夏と冬よりも電気代が安くなることもあります。
消費電力の測定方法
コンピュータの消費電力を調べるには、さまざまな方法があります。
手動計算
コンピュータの消費電力を手動で計算できます。そのためには、コンピュータの各主要コンポーネント(CPU、GPU、RAM、HDD/SSDなど)の電力を見積もる必要があります。まず、各部品のワット数を合計します。次に、1日にコンピュータを使用する時間を計算します。コンピュータのワット数に使用時間数をかけると、コンピュータの消費電力が得られます。
測定器による測定
もちろん、PCの各コンポーネントの使用電力を把握していなかったり、推定できなかったりする場合もあります。そこで登場するのが、測定器やソフトウェアツールです。例えば、マザーボード上のセンサーと通信することで、GPUとCPUの使用電力を測定できるソフトウェアがあります。
コンピュータの消費電力をより正確に測定する方法は、電力計を使うことです。コンピュータの電源をメーターに差し込み、メーターをコンセントに差し込みます。これで、コンピュータの消費電力を正確に読み取ることができます。
コンピュータ作業の省エネのヒント
コンピュータを使用する際に電力を節約する方法はたくさんあります。それには次のようなものがあります:
- 電源管理ツールを使う:今日のノートPCやデスクトップPCには、通常、消費電力を管理するツールが搭載されています。これらのツールは、パフォーマンスの必要性とエネルギー使用量の削減のバランスを取るものです。これらのツールは、デバイスが特定の時間帯や特定のタスクでより少ない電力で実行するするようにすることが可能です。
- ディスプレイの明るさを下げる:ディスプレイの輝度はよく必要以上に高く設定されていることがあります。一般的なLCDモニターの消費電力は15~30Wです。これは、ディスプレイの輝度設定を下げることで簡単に減らすことができます。
- 使っていないプログラムやアプリを閉じる:使っていないにもかかわらず、バックグラウンドでアプリを実行したままにすることがよくありますが、これはコンピュータの消費電力を増加させます。使っていないプログラムやアプリを終了することで、全体の電力消費量を減らすことができます。
- 使用しないときはWi-FiやBluetoothをオフにする:Wi-FiやBluetoothは、オンにすると信号を発信し続け、電力を消費します。インターネットへのアクセスやBluetooth対応機器への接続が不要な状況であれば、Wi-FiやBluetoothをオフにすることで、コンピューターの消費電力を抑えることができます。
- 使用しないときはコンピュータの周辺機器を外す:コンピュータに接続しているすべての機器やデバイスは、動作に電力を必要とします。スピーカー、ウェブカメラ、ヘッドフォン、プリンターなどは、接続しているときにバックグラウンドで電力を消費します。これらのデバイスを取り外すことで、コンピュータ全体の消費電力を抑えることができます。
シャットダウンか、スリープか?
コンピュータを再起動すると、そのままにしておくよりも電力を消費すると誤解している人がいます。机から離れている時間が数分であればそうかもしれませんが、それ以上の時間であれば、節電のためにコンピュータの電源を切るのが得策です。もちろん、作業中の電力を節約するために、スリープモードをオンにすることも考えられます。
バックアップ電源の選択
エネルギー効率と同様に重要なのは、緊急停電が発生した場合でもコンピュータを確実に稼働させることです。停電が発生した場合でもシステムを稼動させ続けるためには、無停電電源装置(UPS)を検討しましょう。
UPSは、コンピュータ、サーバー、データセンターのバックアップ電源として機能します。鉛蓄電池やリチウムイオン電池駆動のデバイスは、データの損失や部品の損傷を防ぐために、関連ハードウェアの制御シャットダウンを実行するのに十分な余裕を提供するように設計されています。UPSの購入を検討する際には、停電、瞬停、サージ、過電圧、低電圧、高調波歪みなど、必要な回路保護の種類と、保護したいデバイスの数、それらを保護するために必要な累積電力を考慮する必要があります。
UPSは緊急時のバックアップ装置であり、バッテリーで長期的に働くためのものではないことは理解しましょう。
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