ROCK シングルボードコンピュータ
ROCK SBC・ROCKシングルボードコンピュータとは?
ROCK SBCは、シングルボードコンピュータ(SBC)の一種であり、小型でありながら高性能なプロセッシング能力を持つコンピュータです。Raspberry Piの代替として注目を集めており、開発者やエンジニアにとって柔軟な組込み開発環境を提供します。教育、産業、IoT、AIなど多岐にわたる分野で活用されています。
ROCK SBCの仕組み
ROCK SBCは、SoC(System on Chip)を搭載し、CPU、GPU、メモリ、ストレージインターフェース、USB、HDMIなどの入出力機能を1枚の基板上に統合しています。これにより、OSの起動やネットワーク通信、外部機器との接続が1枚の基板で完結します。
ROCKシングルボードコンピュータには、開発に必要なポートやインターフェースが標準装備されているため、複雑なシステム構築もスムーズに行えます。特にROCK 5 SBCのような上位モデルでは、8Kビデオ出力や高速インターフェース、豊富なRAMオプションなどを備えており、AI処理や画像認識、データロギング用途にも対応可能です。これにより、国内の半導体検査装置やロボティクス制御基板などにも活用されることが増えています。
また、AndroidやLinux、DebianなどのOSに対応しており、既存のアプリケーション資産を活かしながら柔軟なシステム構築が可能です。マルチコアプロセッサ搭載機種では並列処理にも対応しており、産業制御やメディア処理におけるリアルタイム性を確保できます。
ROCK SBCとマイクロコントローラの違い
マイクロコントローラ(MCU)は、主にシンプルな制御処理を行うために設計されており、限られたメモリと処理能力の中で低消費電力で動作します。一方で、ROCK SBCは高性能プロセッサとOSを搭載し、アプリケーションレベルの処理やGUI表示、ネットワーク通信、動画処理なども得意としています。
たとえば、センサーからの信号を収集してLEDを制御するなどの単純な処理ではマイクロコントローラが適していますが、映像監視システムやAI画像解析などの用途ではROCK SBCが不可欠です。処理能力の高さ、OSによる柔軟なアプリ開発環境、ネットワーク機能の豊富さといった点で、ROCK SBCはマイコンとは異なる位置付けのデバイスといえます。
ROCK SBCの種類
ROCK SBCは、さまざまな用途やニーズに対応するために複数のモデルが展開されています。
- ROCK 5 SBC:ハイエンドモデルで、8K出力や高性能AI処理に対応。
- ROCK 4 SBC:バランスの取れた中間モデルで、教育用途や試作開発に適する。
- ROCK 3 SBC:コストを抑えつつ基本機能を搭載したエントリーモデル。
- ROCK Zero SBC:超小型・低消費電力で、携帯機器やIoTデバイス向け。
- ROCK CM3モジュール:カスタム基板組込みに適したコンピュートモジュール。
- ROCK Pi S:コンパクトながらLANやUSBを搭載した軽量モデル。
- ROCK Pi E:ネットワーク重視の設計で、ルーターやゲートウェイ開発に最適。
ROCK SBCの利点
ROCK SBCは柔軟性と処理能力を兼ね備えており、幅広い用途での実用性が高い製品です。
- 高性能処理能力:マルチコアCPUやGPUによって複雑な演算が可能。 例:AIカメラ制御、リアルタイム映像処理。
- OSの自由度:AndroidやLinuxなどの複数OSに対応。 例:業務用タブレット、カスタム制御端末。
- 拡張性が高い:USB、GPIO、CSI、DSIなどの豊富な接続端子を装備。 例:センサ拡張、タッチパネル統合、カメラ接続。
- コストパフォーマンスが良い:高機能ながら安価な構成が可能。 例:教育現場での実習用デバイス、個人の試作開発。
- 国内産業にも適応:再生可能エネルギー制御や自動化ラインの制御に対応。 例:風力発電のデータ監視、国内の物流ロボット基板。
短所としては以下が挙げられます:
- 消費電力が高く、電源設計が必要な場合がある
- 小型筐体内への放熱設計が難しいケースがある
ROCK SBCの選び方
用途や設置環境、開発要件に応じた適切なROCK SBCを選ぶためには、以下の観点が重要です。
- RAM容量:使用目的に応じて1GB、2GB、4GB、8GB、16GBなどから選定。
- 対応OS:Android、Linux、Debian、ARrmなどのサポート状況を確認。
- プロセッサの性能:コア数、クロック周波数、内蔵GPUの有無など。
- 拡張ポート数:USB、GPIO、HDMI、M.2、microSDスロットなどの構成。
- 外形寸法・ケース対応:筐体や放熱設計と合わせたサイズ検討。
ROCK SBCの用途
ROCK SBCは多様な業種やシーンで活躍し、設計の自由度を高めています。
- スマートホーム制御:照明、空調、監視カメラの統合制御端末に使用。
- 産業機器監視:AIカメラやセンサーユニットと連携して異常検出を実行。
- 再生可能エネルギー設備:太陽光発電パネルのデータ監視ユニット。
- 教育・研究用途:プログラミング教育やシステム設計の実習に活用。
- 国内工場の生産ライン制御:ネットワーク対応の自動化システム構築に。
ROCK SBCメーカー
ROCK SBCを取り扱うメーカーは、信頼性や性能面で実績のある企業が中心です。
- OKdo:ROCKシリーズのグローバル展開を支えるブランド。
- Radxa:ROCK SBCの設計・開発を手がけるメーカー。
- Seeed Studio:モジュール拡張に強く、試作開発や教育用途に適応。
- Waveshare:ディスプレイ拡張やアクセサリ製品を多数展開。
- 株式会社共立電子産業:国内市場向けにボードや拡張パーツを提供。
- 秋月電子通商:評価ボードやパーツの安定供給で知られる電子パーツ専門店。
ROCK SBCは、高性能かつ汎用性の高いコンピューティング環境を小型ボードで実現し、教育現場から最先端の産業システムまで幅広く支持されています。適切なモデルと構成を選定することで、目的に合った開発・運用が可能になります。
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