PINダイオード(p-intrinsic-n diode)は、PN接合の間に真性半導体であるI層を持つ、3層構造にしたダイオードです。高周波ダイオードの中で代表的な製品です。順電圧では可変抵抗のように働き、逆電圧ではコンデンサとして利用できます。
PINダイオードは、PN間に電気抵抗の大きな真性半導体層を挟んでいるので、ダイオードの中で最も端子間容量(CT)が小さいダイオードです。直列抵抗が低く、周波数特性が高い特徴があります。そのため、高周波の通信ラインに影響を及ぼしづらいことから、携帯電話や無線LAN機器のスイッチング素子に使用されています。PINダイオードは流れる電流によって抵抗が変わるので、高周波の可変抵抗器、受信用アッテネータ、AGC回路用の可変抵抗素子によく利用されます。また、逆電圧をかけた時には、コンデンサとしての役割も果たすことができます。