真空管とは?
真空管(Vacuum Tube)は、ガラスや金属などの容器に数個の電極を封入し、内部を真空状態にした電子管(電子バルブ)の総称です。
真空管の仕組み
真空管は電子を放出する電極(陰極)を高温にして熱電子放出効果により、陰極表面から比較的低い電圧により容易に電子を放出させ、この電子を電界や磁界により制御することにより、増幅、検波、整流、発振、変調などを行うことができます。
真空管の種類
真空管はその電極の数により、二極真空管(diode)、三極真空管(triode)、四極真空管(tetrode)、五極真空管(pentode)などいくつかの種類があります。
- 二極真空管(2極管) - 陰極にあたるフィラメントと陽極にあたるプレートを入れた真空管です。陽極が正電位のときだけ陰極から熱電子が放出されて電流が流れるので、特に整流や検波に用いられます。
- 三極真空管(3極管) - 陽極と陰極の間に格子状または網状の格子(グリッド)を封入した真空管です。グリッドに正・負の小さな電圧をかけても、それに応じて陽極へ流れる電流を大きく変化させることができます。
- 四極真空管(4極管) - 三極管の陰極と制御格子の間に、もう1つの格子を封入した真空管です。正の電圧を加えて空間電荷を中和させる空間電荷格子四極管と、制御格子と陽極間に遮蔽格子を設けた遮蔽格子四極管とがあります。
- 五極真空管(5極管) - 四極真空管のプレートと遮蔽格子の間に抑制格子を設け五極とした真空管です。抑制格子により、プレートからの二次電子放出を防止できます。
真空管の用途
真空管は20世紀初頭前後に実用化され、電子素子として広く使用されました。21世紀の現在でも、半導体では実現が難しい高周波/大電力を扱う特殊な用途での増幅素子として使われています。真空管を使ったオーディオ用アンプ「真空管アンプ」は、未だに根強い人気があります。