ツェナーダイオード・定電圧ダイオードとは?
ツェナーダイオード(zener diode)は、定電圧ダイオード、ジーナ―ダイオードなどと呼ぶこともあります。電流が変化しても電圧を一定に保つ特性を持ったダイオードです。
ツェナーダイオード・定電圧ダイオードの特性
- 定電圧特性‐PN接合における逆方向特性の安定した降伏領域(定電圧動作をする領域)を利用したツェナーダイオードは、通常のダイオードとは異なり、逆方向の電圧を印加して使用します。ダイオードは通常逆方向に導通させようとすると、降伏領域を超えると急激に電流が流れ、破壊されてしまうことがあります。しかし、ツェナーダイオードは降伏領域を超えても破壊しない構造をしているため、安定した電圧を作り出すことが可能です。
- 温度特性‐トンネル効果とアバランシェ効果で機能するツェナーダイオードのツェナー電圧(降伏電圧)は温度によって変化します。トンネル効果は負の温度係数、アバランシェ効果は正の温度係数を持ちます。一般的には5 → 6 Vを基準として、それよりも低いものは周囲温度が上昇するとツェナー電圧が低下します。一方、5V付近よりもツェナー電圧が高いものは温度が上昇するとツェナー電圧が増加します。
ツェナーダイオード・定電圧ダイオードの用途
電気回路に供給される電圧を安定化することができるため、サージ電流や静電気からICなどを守る保護素子として利用されます。