• 発行日 2023年2月17日
    • 最終変更日 2026年2月5日
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コンタクタとは?仕組みとリレーとの違いを整理して解説

コンタクタの仕組みやリレーとの違いを整理し、選定の手がかりを紹介します。

Contactors Guide

本記事では、コンタクタとは何かをはじめ、構造と動作の仕組みや使用場面、代表的な種類について解説します。

初めてコンタクタを扱う方が抱きやすい疑問にも触れながら、コンタクタとリレーの違いを整理し、用途の違いについて説明します。

また、一般的に使用されているコンタクタの種類や主要メーカーについても紹介し、選定にあたっての手がかりとなる情報を示します。

コンタクタとは?

コンタクタとは、電気回路のオン・オフを電磁力によって制御するために用いられる電気機器で、日本語では接触器とも呼ばれます。電磁コイルの動作によって接点を開閉し、回路の通電・遮断を制御する点が特徴です。このような動作の仕組みは、リレーとも共通しています。

一方で、用途や設計思想には違いがあります。一般的なリレーが比較的低電流の回路制御に用いられることが多いのに対し、コンタクタは、より大きな電流が流れる回路を制御する用途を想定して設計されています。

このような特性を踏まえると、コンタクタは、電流負荷の大きい回路において、開閉制御を繰り返し行う用途に用いられる機器といえます。

Contactor

コンタクタは何のために使われるのか?

コンタクタは、回路への電力供給を繰り返し行う用途に用いられる、電磁式のスイッチング機器です。工場設備や制御盤など、さまざまな場面で使用されており、高い開閉頻度に耐えられるよう設計されています。

コンタクタは、リレーと比べてより大きな電流や電力負荷を扱う用途に用いられます。また、低電圧・低電流の制御回路で、高電圧・高電流の回路を制御できます。

一般的にコンタクタは、電力負荷のオン・オフを頻繁に行う必要がある場合に使用されます。また、作動時に回路へ電力を供給するノーマルオープン(NO)接点としても、作動時に回路への電力を遮断するノーマルクローズ(NC)接点としても構成できます。

コンタクタの代表的な用途としては、電動機のスタータや高負荷の照明制御システムが挙げられます。例えば、電気自動車では、主回路の制御にコンタクタや補助接点、関連するコネクタが用いられます。また、建物内の大規模な照明設備の制御にも使用されています。

コンタクタを電動機のマグネットスタータとして用いる場合、通常はコンタクタ単体ではなく、過負荷リレーや遮断器などの保護機器と組み合わせて構成されます。これにより、電源遮断、短絡(ショート)保護、過負荷保護、低電圧保護などの安全機能を確保できます。

大規模な照明設備の制御では、消費電力を抑えるために、ラッチング構成のコンタクタが用いられることがあります。代表的な方式としては、2つの電磁コイルを用い、それぞれが異なる役割を担って動作する構成が挙げられます。1つのコイルは短時間の通電によって回路の接点を閉じ、磁気的にその状態を保持します。もう1つのコイルは、通電によって回路の接点を開きます。この仕組みは、特に大規模なオフィスや商業施設、産業用照明の自動化によく用いられています。原理はラッチングリレーと似ていますが、ラッチングリレーは比較的負荷の小さい回路で使用されるのが一般的です。

コンタクタは、高電圧・高電流の回路を扱うことを想定した設計となっているため、標準的なリレー式スイッチングデバイスに比べて、物理的に大きく、堅牢になる傾向があります。一方で、多くのコンタクタは、現場での取扱いや設置を考慮した構造となっており、設備や制御盤への組み込みを想定して設計されています。

コンタクタの仕組みとは?

コンタクタの仕組みは、主にコイル、接点、筐体という3つの要素から構成されています。これらの役割を理解することで、コンタクタがどのように回路の開閉を行っているのかを把握できます。

  • コイル:コイルは、通電時に電磁石として機能する主要な構成要素です。装置の設定に応じて電力が供給されることで磁界が発生し、コンタクタの開閉動作を駆動する役割を担います。
  • 接点:接点は、制御対象となる回路に対して電力の供給や遮断を行う部品です。一般的なコンタクタには、主接点や補助接点など複数の接点があり、それぞれ用途に応じて許容される電流や電圧が異なります。
  • 筐体:筐体は、コイルや接点を囲むハウジングで、主要部品を電気的に絶縁し、保護する役割を担います。使用者が誤って導電部に触れることを防ぐとともに、過熱や粉じん、水分の侵入といった外部環境から内部部品を保護します。

コンタクタの動作原理は比較的単純です。電磁コイルに電流が流れると磁界が発生し、その磁力によってアーマチュアが動作します。これにより接点が開閉され、制御対象となる回路のオン・オフが行われます。

設計や用途によって細かな動作は異なりますが、コンタクタの基本的な役割は、回路の開閉を電磁的に制御することにあります。

  • ノーマルオープン(NO)構成のコンタクタ:コイルを励磁すると接点が閉じて回路が成立し、電力が流れます。非通電状態になると接点は開き、回路は遮断されます。多くのコンタクタは、この構成を採用しています。
  • ノーマルクローズ(NC)構成のコンタクタ:非通電状態で接点が閉じて回路が成立しており、コイルに通電すると接点が開いて回路が遮断されます。この構成はコンタクタでは一般的ではありませんが、制御用リレーでは比較的よく用いられています。

このようなスイッチング動作を、コンタクタは、耐用年数の間に数千回から、用途や仕様によっては数百万回にわたって繰り返します。

コンタクタの配線図

コンタクタの配線図

コンタクタの配線図の一例です。3極の主接点(ノーマルオープン:NO)と、1組の補助接点(ノーマルオープン:NO)を備えた構成を示しています。

コンタクタとリレーの違い

コンタクタは、リレーと比べてより大きな電流や電力負荷を扱う用途に用いられることはすでに述べましたが、両者の違いを正しく理解するには、いくつかの観点から整理して捉える必要があります。

コンタクタとリレーの違いを主な項目ごとに整理すると、次のようになります。

  • 負荷容量:コンタクタは、一般的な制御用リレーと比べて大きな電流を扱う用途を想定して設計されています。一方、リレーは、比較的小〜中程度の電流を扱う用途で用いられることが多く、数A〜十数A程度の定格を持つ製品が一般的です。
  • 接点の構成:コンタクタは、主接点としてノーマルオープン(NO)接点のみで構成される場合が多く、コイルが励磁されている間のみ回路が成立します。一方、リレーは、NO接点とノーマルクローズ(NC)接点の両方を備えた製品が多く、用途に応じて使い分けられます。
  • 保護機能および安全機能:コンタクタは、高負荷の回路で使用されることが多いため、リレーと比べて保護や安全性を考慮した構成が採られることが一般的です。その一例として、コンタクタと組み合わせて使用される過負荷リレー(サーマルリレー)は、機械や電源回路の過熱を防ぐ役割を担います。

コンタクタを用いた回路構成では、次のような安全機能が用いられます。

  • 電源遮断時に回路を自動的に開放するバネ式接点
  • 過負荷リレーによる過負荷保護機能
  • 磁気アーク抑制機構(発生したアークを分散・消弧する仕組み)

構造面から見ると、コンタクタは、高負荷用途を想定して設計されているため、一般的なリレーと比べてスイッチング速度が遅くなる傾向があります。また、構造や本体サイズの違いから、価格や電磁コイルの消費電力が大きくなる場合があります。

コンタクタ選択ガイド

Contactor

コンタクタにはさまざまな種類があり、用途や条件に応じて適切な製品を選定することが重要です。

本章では、用途に適したコンタクタを選定する際に確認しておきたい主な指標や仕様について解説します。なかでも、負荷条件や定格(電圧・電流)は、特に重要な検討項目です。

コンタクタの種類

電磁式コンタクタ

電磁式コンタクタは、電磁力によって動作するコンタクタで、機械的な直接操作を必要としません。少量の制御電力で動作するため、接点の開閉を安定して行える構造となっています。また、制御回路を介して遠隔操作が可能である点も特長です。現在では、多くのコンタクタがこの方式を採用しています。

接点の定格とコイルの電圧

コンタクタの接点定格は、通常、定格接点電圧と定格接点電流という2つの指標で示されます。設計やメーカー、モデルごとに扱える電圧・電流の上限は異なるため、使用する回路やモータの要件に照らして確認する必要があります。

製品によっては、230Vコンタクタ、240Vコンタクタ、1000V DCコンタクタなどと記載されている場合がありますが、これらは主にコイル電圧や用途区分を示しており、接点定格を直接示しているとは限りません。詳細な仕様については、メーカーの仕様書で確認する必要があります。仕様書には、選定時に確認すべき項目として、最大コイル電圧や定格接点電流、定格接点電圧、定格電力などが記載されています。そのほか、補助接点の数、端子の種類、通常時の接点構成、使用温度範囲なども選定時の確認項目です。

コンタクタは、リレーに比べて大きな電流を扱う用途で用いられることが多く、条件によっては発熱量が大きくなる傾向があります。そのため、放熱条件や周囲環境を考慮し、設置場所を踏まえて選定することが重要です。

コンタクタの電気定格は、用途に応じて、抵抗性負荷または誘導性負荷のいずれかで示されます。抵抗性負荷の定格は、ヒータや照明制御用途で用いられる場合が多く、誘導性負荷の定格は、モータ、トランス、ソレノイドなどで一般的です。

一方、コンタクタのコイル電圧(制御回路側の電圧)は、制御対象となる負荷の電圧と必ずしも一致する必要はありません。例えば、コイルの電圧がDC24Vであっても、制御対象のモータがAC400Vで動作する構成も一般的です。代表的なコイル電圧としては、12V、24V、48V、110V、230V、400Vなどがあります。

よくある質問

コンタクタの故障で最も多いのは何ですか?

コンタクタの故障原因はいくつかありますが、最も多く見られるのは接点の溶着や固着です。これは、接点が開閉せず、特定の位置に張り付いた状態になる現象を指します。

このような故障は、過大な突入電流やピーク電流、制御電圧の不安定さ、電流の立ち上がりが急激であることなどが原因となって発生します。また、長期間の使用による経年劣化が関係する場合もあります。この場合、接点表面を覆っている合金が徐々に消耗し、内部の金属が露出することで溶着が生じます。

一方、比較的まれですが、コイルの焼損が原因となる場合もあります。これは、定格を超える電圧の印加や長時間の連続励磁などが原因となる場合があります。さらに、コイル周辺に粉じんや水分が侵入することも、動作不良や故障の原因となります。

コンタクタのA1とA2の意味は何ですか?

コンタクタのA1とA2は、電磁コイルの両端に設けられた端子を指します。多くのコンタクタメーカーでは、コイルに制御電圧を供給するための2つの端子をA1およびA2として定義しています。交流(AC)用コイルの場合、A1とA2に極性はありませんが、直流(DC)用コイルでは極性が指定される場合があるため、配線時には仕様書を確認する必要があります。

コンタクタの13と14は何ですか?

コンタクタの13と14は、補助接点(ノーマルオープン:NO)に割り当てられた端子番号を指します。これは多くのメーカーで共通して用いられている表示方法で、制御回路などにおいて、NO補助接点であることを識別するための番号です。なお、同じ補助接点でも、ノーマルクローズ(NC)の場合は21・22などの番号が用いられるのが一般的です。

コンタクタの主要メーカー

産業用途で使用されるコンタクタは、各国の主要メーカーによって開発・製造されています。RSコンポーネンツの取扱い製品には、オムロン三菱電機、ABB、Allen Bradley、Eaton、Lovato、Schneider Electric、Siemens、TE Connectivity、WEGなどのメーカー製コンタクタが含まれています。また、補助接点や取り付け金具などのコンタクタ用アクセサリについても、これらのメーカーの製品を幅広く取り扱っています。

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