• 発行日 2023年2月21日
    • 最終変更日 2026年3月5日
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EEPROM完全ガイド~使い方や利点について徹底解説~

この記事では、EEPROMとは何かを説明し、フラッシュメモリやEPROMとの違い、用途の例、さらにEEPROMチップやプログラマ/リーダの概要を解説します。

EEPROMは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの頭文字を取った名称で、電気的に消去および再書き込みが可能な不揮発性メモリICの一種です。電源を切ってもデータを保持できる点が特徴です。

この点で、EEPROM(E2PROMとも呼ばれる)は、SDカードやUSBメモリに代表されるフラッシュメモリと基本的な仕組みに共通点があります。フラッシュメモリは、EEPROMの技術を基に発展したメモリであり、構造や消去方式に違いがあります。

一方、組み込み機器やマイクロコントローラで使用されるEEPROM ICは、フラッシュメモリやEPROMなどの他のメモリとは、消去方式や用途の面で重要な違いがあります。

本記事では、こうした類似点と相違点を整理し、EEPROMの特徴や用途の例、オンラインで販売されているEEPROMチップやプログラマ/リーダの概要を解説します。

EEPROMとは?

EEPROMとは、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略で、電気的に消去および再書き込みが可能な不揮発性メモリです。EEPROMがどのような機能を持ち、どのような用途に使われているかを理解するために、それぞれの単語の意味を分解して確認していきます。

電気的に消去可能(Electrically Erasable)

  • EEPROMは、電子回路に接続された状態で電圧を印加することで、内部のデータを電気的に消去できます。多くのデバイスでは、バイト単位での消去・書き換えが可能です。

プログラマブル(Programmable)

  • PROM(プログラマブルROM)は、チップをシステムに組み込んだ後に、一度だけプログラムを書き込むことができるROMです。
  • EEPROMチップは、回路に接続された状態で電気的な制御により、内部に保存されたデータを書き換えることができます。

読み取り専用(Read-Only)

  • 読み出し専用メモリ(ROM、PROM)は、頻繁に変更されない情報を長期間保存するためのメモリです。
  • このような情報には、ファームウェアや設定データ、識別情報など、頻繁な更新を想定していないデータが含まれます。
  • EEPROM ICは、多くのROMチップと同様に、不揮発性を備えています。つまり、チップに保存された情報は、電源を切った後でも保持され、再投入後も読み出すことができます。一方、RAM(Random Access Memory)は揮発性メモリであり、電源を切ると内容が消去されます。RAMは、長期保存ではなく、一時的なデータ処理や作業領域として使用されるメモリです。

EEPROMとは、コンピュータなどの電子機器に搭載され、情報の保持・読み出し・消去を行う不揮発性メモリICの一種です。

他のさまざまな種類のメモリチップも同様の機能を持ちますが、EEPROMとは消去方式や書き換え単位、用途の面で違いがあります。その中でも代表的なのがフラッシュメモリです。

EEPROMとフラッシュメモリの関係

フラッシュメモリは、長期保存を目的としたデータ保存に広く使用されている半導体メモリ技術です。現在では、マルチメディアファイルをはじめとするさまざまなデータの保存に利用されています。

この技術は1980年代後半に登場し、EPROMに代わって普及してきたもので、EEPROMの技術を基に発展したメモリと位置づけられます。しかし、EEPROMは、フラッシュメモリでは対応しにくい一部の用途において、現在でも重要な役割を担っています。

SDカードUSBドライブは、フラッシュメモリを採用した代表的な製品です。フラッシュメモリは、比較的低コストで扱いやすい不揮発性メモリで、現在では小型デバイスに搭載可能でありながら、大容量化が進んでいます。

また、フラッシュメモリはEEPROMの技術を発展させたメモリであり、特に高密度化と高速なデータ処理を目的として設計されています。そのため、大容量デバイスに複数の大きなデータファイルをまとめて保存する用途に適しています。

Flash Memory

フラッシュメモリと消去ブロックサイズ

例えば、USBメモリやデジタルカメラのSDカードは、比較的大きな文書や画像、動画ファイルを多数保存し、アクセスする用途に適しています。

しかし、欠点もあります。他の不揮発性メモリと同様に、フラッシュメモリは、内容を修正・移動・再書き込みする際に、内部の消去ブロック単位でデータの消去と書き換えを行う仕組みです。そのため、求められる容量や効率を確保する目的から、フラッシュメモリは比較的大きな消去ブロックで構成されるのが一般的です。

消去ブロックとは、フラッシュメモリ内部において、一度に消去および再書き込みが可能な最小単位のデータ量を指します。このブロックサイズが重要な理由は2つあります。1つは処理効率や速度に影響するため、もう1つは、メモリセルの書き込み回数に上限があるためです。

EEPROMとフラッシュメモリーの比較

最近の民生用フラッシュメモリチップの多くは、消去ブロックが数KB以上の単位に設定されています。これは、バイト単位で書き換え可能なEEPROMなどと比べると、はるかに大きな単位です。EEPROMはフラッシュメモリよりも消去ブロックが小さいため、非常に小さなデータを保存・更新する必要がある場合に適しています。

この消去ブロックサイズの違いは、EEPROMとフラッシュメモリの違いを考えるうえで重要な要素です。EEPROMでは、1バイトまたはワード単位での消去および再書き込みが可能です。そのため、小規模なデータの保存や更新に適しています。例えば、パラメータや校正係数の保存、カウンタ値の記録、ブートローダの設定、リモートキーレスシステムの制御情報、電源遷移間の状態保持などに利用されています。

一方、消去単位が小さいという特性から、EEPROMは通常、フラッシュメモリと比べて書き込み速度の面で不利になることがあり、特に大量のデータを書き込む場合は遅くなります。また、集積度が低いため、同じ物理サイズのチップであれば、フラッシュメモリと比較して全体の記憶容量が少なくなります。ただし、現在では大容量のEEPROM製品も提供されています。

このような構造の違いにより、EEPROMはセルあたりの耐久性が高い傾向があります。フラッシュメモリと比較すると、最新のEEPROMでは、動作寿命全体を通じて数倍以上の総書き込み回数に耐えられる場合があります。こうした耐久性や消去単位の違いが、EEPROMとフラッシュメモリの違いとして現れます。

EPROM Chip

EEPROMとEPROMメモリの比較

EEPROMとEPROMの違いは、名称に含まれる「E(Electrically)」の有無、すなわち消去方式の違いにあります。EEPROMは、電気的に消去可能な不揮発性メモリICです。これに対し、従来のEPROMは紫外線によって消去することで再書き込みが可能ですが、電子的に消去する方式ではありませんでした。1970年代から1980年代前半のEPROMチップの多くは、紫外線を照射して消去する必要がありました。

この紫外線による消去は、通常、パッケージ上部に設けられた石英製の透明窓から高強度の紫外線を照射することで行われます。紫外線はフローティングゲートに蓄積された電荷を放出させ、データを消去します。ただし、この作業には手間と時間がかかり、保存されているデータは一括で消去されます。

こうした特性を持つEPROMは、現在でも特定のデバイス向けに設計されており、限定的なメモリ用途において比較的低コストな選択肢として使用されることがあります。UVランプの性能も向上しており、消去窓付きのタイプでは従来より短時間で消去できるようになっています。ただし、「EPROM」と表示されている製品の中には窓のないタイプ(OTP:One Time Programmable)もあり、これらは一度書き込んだ内容を再消去できません。紫外線による消去方式や書き換え可否の違いが、EEPROMとEPROMの違いを理解するうえで重要です。

パラレルEEPROMとシリアルEEPROMの比較

パラレルEEPROMとシリアルEEPROMは、EEPROM ICのインターフェース方式の違いを示すものです。具体的には、EEPROMチップのピン数や配置、ならびに外部機器との通信に用いられるバス構成の違いを指します。

簡単に言えば、パラレルEEPROMは一般に動作が速く、プロセッサ(CPU)との直接接続が比較的容易であるとされています。一方、シリアルEEPROMデバイスは、必要なピン数が少ないため、基板設計を簡素化しやすく、コストを抑えやすいという特長があります。

EEPROMは通常、設定データや制御情報などの小規模なデータを保存する目的で使用されます。動作速度は比較的低く、大量のデータを継続的に書き込む用途は一般的ではありません。これらの点を踏まえると、多くの用途ではシリアルEEPROMで十分な性能が得られます。

EEPROM Programmers

EEPROMプログラマとリーダ

EEPROMプログラマは、対象となるEEPROM ICにコードやデータを書き込むための装置です。チッププログラマやICプログラマとも呼ばれます。

EEPROMプログラマには、機種やブランドによって、デバイス本体のソケットにチップを挿入して書き込む方式と、すでにEEPROMが実装されているPCB(プリント回路基板)に接続して書き込む方式(インサーキットプログラミング)があります。チッププログラマは、USBやLAN(ローカルエリアネットワーク)などを介してコンピュータに接続し、専用ソフトウェアを用いてターゲットデバイスに信号を送ります。通信は、I2CやSPIなどのインターフェースを通じて行われます。

同様に、EEPROMリーダは、EEPROM ICにあらかじめ書き込まれたデータを読み取るための装置です。接続方式はプログラマと同様で、さまざまなインターフェースに対応した製品が市販されています。多くの製品は、1つのデバイスでプログラミングと読み取りの両方に対応しています。

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