ステンレス鋼について
私たちの身の回りには多くのステンレス製品があり、身近なところではスプーンやフォークといった食器のほか、シンクなど水周りの製品によく使用されています。
ステンレスの大きな特徴に「錆びにくい」ということがあげられます。ステンレス鋼(Stainless Steel)とは、鉄にクロム(Cr)や、更にニッケル(Ni)を混ぜた合金です。基本的な仕組みは、鉄に添加したクロム(Cr)が空気中の酸素と結合して、合金の表面に薄い酸化皮膜(不動態皮膜)を作り、さびを防ぐというものです。酸化皮膜は、無色透明でとても薄いので目には見えません。酸化皮膜は、傷がついても酸素や水があればすぐに新しく再生され、さびの発生を防ぎます。
ただし、ステンレス鋼は、錆びにくいのであって、決して錆びないわけではありません。使用される環境においては、錆ができる場合があります。 もう一つの特徴として、「磁石につかない」と考えている人も多いと思いますが、磁石につくステンレスもあります。
下記で紹介しているオーステナイト系には磁性がありませんが、マルテンサイト系、フェライト系のものは磁性があるので磁石につきます。
身の回りにあるステンレスが、オーステナイト系ばかりだと、あまり気がつかないことなのかもしれません。
ステンレス鋼には大きく分けて2種類あります。鉄にクロムとニッケルが含まれるものと、鉄にクロムが含まれるものです。それらを代表的なもので分けると、以下の3つに分類できます。