コモンモードノイズとは
コモンモードノイズとは伝導ノイズの一種です。浮遊容量を介したノイズ電流が大地を通じて電源ラインに戻る際に放射されるノイズのことで、電源のプラス極側とマイナス極側でノイズ電流の向きが同じとなることから「コモンモード」と呼ばれるようになりました。ケーブル内に何らかの理由で同じ電圧がかかり、同じ向きに電流が流れる場合は線間の電圧がゼロになっているため、測定器での測定が難しいのがコモンモードノイズ。
ノイズには他にノーマルモードノイズがありますが、発生した条件や状況がたとえ同じであっても、コモンモードノイズはノーマルモードノイズに比べて電波の放射と受信が強いことから対策が難しいとされています。ノーマルモードノイズのように相殺効果が現れないことから、場合によってはノーマルモードと比べて1,000倍近くのノイズ電波が放射されることもあります。周波数帯域が100~300MHzのときに大きくなりやすく、ケーブル内配線に共通して伝わりやすいノイズです。
以上のようにコモンモードノイズとは、測定しにくく、強力なことから対策が難しいとされているノイズのことを指します。