—— 設定した後は固定抵抗と同じなので選定は簡単ですね。
半固定抵抗器を選定する際のパラメータとしては、機械的な項目と電気的な項目があります。機械的な項目としては、サイズや取り付け位置(上から回すか横から回すか)のほかに、単回転か多回転かが分かれ目になります。
一般には単回転が使用されますが、単回転のものは子細に見ると設定時にごくわずかなバックラッシュ(回転の戻り)があります。したがって、精密な設定を必要とする用途には、多回転型のものが選ばれます(図1 , 2)。
電気的なパラメータでは全抵抗値(両端間の抵抗)が基本となります。当然ながら全抵抗値を大きくすれば可変範囲が拡がりますが、設定の分解能が損なわれます。反対に抵抗値が小さいと設定(調節)範囲を満足できなくなります。実際的な設計上の目安としては、想定される可変範囲を全抵抗値の半分程度とします。
つまり、半固定抵抗器の可変範囲の内の約1/2を使い、回転の端の部分はできるだけ使わずに済むようにすることです。回転の端で使用することは様々な意味から好ましくありません。電気的には抵抗値の精度や定格電力、温度係数など抵抗器としてのパラメータを考慮することになります。
例えば、SMD(表面実装)用の小型品では定格電力が0.1Wなどと小さくなっていますから、使い方によっては過熱・焼損の恐れがあります。このため、選択に当たっては回路の電流と電圧が定格の範囲内であることを確認します。この場合、抵抗値によって流せる電流の大きさも異なることに注意してください。また、使用箇所の周囲温度が高い場合はディレーティングも必要になります。