スプリングクリップとは?
スプリングクリップは、ばねの弾性を利用して、ケーブル、配管、工具、パネル部品などを挟み、所定の位置に保持する固定部品です。ばねクリップや保持クリップとも呼ばれ、対象物を押し込むだけで取り付けられる製品や、ねじで取付面に固定する製品があります。金属や樹脂が変形した後に元の形へ戻ろうとする力を利用し、追加の締付作業を抑えながら対象物を保持します。制御盤、配線設備、空圧配管、車両、機械装置、工具収納などで使用されます。
スプリングクリップの仕組み
スプリングクリップは、対象物を差し込むとアームや湾曲部が広がり、材料の復元力によって内側へ押し戻される仕組みです。このばね力が対象物の外周や側面に作用し、振動や移動によるずれを抑えます。保持力は材質、板厚、形状、開口寸法によって異なり、ねじ、ボルト、リベット、パネル穴などを使って固定します。繰り返し着脱する場合は、変形や摩耗が少ない構造を選ぶことが重要です。
スプリングクリップとホースクランプの違い
スプリングクリップは、ケーブル、配管、工具、部品などを挟み、位置を保持するための部品です。対象物を簡単に着脱できる製品が多く、配線の整理、部品の仮固定、収納などにも使われます。
ホースクランプは、ホースの外周を締め付け、継手からの抜けや流体の漏れを防ぐ部品です。ねじ式、ワイヤ式、スプリングバンド式などがあり、全周に締付力を加える点がスプリングクリップと異なります。ただし、ばね式ホースクランプのように両方の分類が重なる製品もあります。位置の保持が目的か、接続部の密封と抜け止めが目的かを確認して選定します。
スプリングクリップの種類
スプリングクリップは、材質、表面処理、取付方法によって適した用途が異なります。
- ステンレス製スプリングクリップ:耐食性とばね性を備え、屋外設備、食品機械、湿気のある場所、洗浄を行う設備などに適しています。
- ナイロン製スプリングクリップ:軽量で電気を通しにくく、ケーブルや樹脂配管を傷つけにくいタイプです。制御盤や電子機器の配線保持に使われます。
- ばね鋼製スプリングクリップ:高い弾性と保持力を備え、機械部品、工具、配管などを確実に固定したい用途に適しています。
- 亜鉛めっきスプリングクリップ:鋼材の表面に亜鉛めっきを施し、一般的な屋内環境での防錆性を高めたタイプです。
- ゴム被覆スプリングクリップ:金属部をゴムや樹脂で覆い、対象物の傷、滑り、振動、接触音を抑えます。ケーブルや仕上げ面のある部品の保持に適しています。
- プッシュイン式スプリングクリップ:パネル穴や取付部へ押し込んで固定するタイプです。ねじを使わずに取付や交換を行いたい組立工程で使用されます。
スプリングクリップの選び方
スプリングクリップを選定する際は、保持する対象物と必要な固定力を基準に仕様を確認します。
- 保持対象:ケーブル、電線管、ホース、金属パイプ、工具、パネル部品などから、対象物の形状や表面に合うクリップを選びます。
- 材質と表面処理:ステンレス、ばね鋼、亜鉛めっき鋼、ナイロン、ポリプロピレン、ゴム被覆などを比較し、耐食性、絶縁性、耐摩耗性を確認します。
- 対応寸法と保持力:内径、開口幅、板厚、取付穴径、許容荷重、保持力などを確認します。対象物を強く締めすぎず、振動で外れない寸法を選ぶ必要があります。
- 取付方法:ねじ止め、ボルト止め、リベット止め、プッシュイン、パネルエッジ取付、レール取付などから、取付面や作業工程に合う方式を選びます。
- 使用・購入条件:屋内、屋外、高温、振動、薬品、洗浄環境などへの適合を確認します。通販では、メーカー、販売単位、付属ねじ、再使用の可否、在庫、価格も比較します。
スプリングクリップのメーカー
スプリングクリップは、配線固定、ホース接続、配管保持などの用途に応じて、複数のメーカーやブランドから販売されています。
- RS PRO:ケーブル、配管、工具などの保持に使う金属製・樹脂製のクリップや固定部品を扱っています。
- Jubilee:ホースや配管の固定に使用するクランプを中心に、ばね力を利用した締結・保持製品を展開しています。
- Unex:ケーブル管理システムを扱い、電線や配線部材の保持、整理、固定に使用するクリップや関連部品を提供しています。
- Prevost:圧縮空気用のホース、継手、配管システムとともに、配管や接続部の固定に使う関連部品を扱っています。
- Hensel:電気設備用エンクロージャや接続箱を展開し、盤内配線や機器の取付・保持に使用するアクセサリを提供しています。
- JCS:ホースやパイプの締結に用いる各種クランプを扱い、スプリング式を含む固定製品を展開しています。