スタンドオフ

スタンドオフとは?

電子機器や機械の組み立てにおいて、部品同士の間隔を確保する小型の支持部品がスタンドオフです。主に基板と基板の間や基板と筐体の間を分離・固定するために利用されます。日本国内の産業ロボットや半導体製造装置でも広く使われており、信頼性や耐久性が求められる環境で重要な役割を果たしています。

スタンドオフの仕組み

スタンドオフは、ねじ穴やねじ山を持つ円筒形や六角形の部品で、ネジやボルトを介して基板などを固定します。この構造により、電気的絶縁と物理的な安定性を両立させることができます。

スタンドオフの主な機能は、部品間隔の確保、電気的ショートの防止、そして冷却やメンテナンスの容易化です。六角スタンドオフや丸形スタンドオフなど、形状に応じて取り付けやすさや強度が異なります。

スタンドオフとスペーサーの違い

スタンドオフとスペーサーは似た役割を持つ部品ですが、構造と用途に違いがあります。スタンドオフは雌ねじや雄ねじを持ち、ねじを使って固定できるため、強度の高い固定や繰り返しの取り付け・取り外しに適しています。一方、スペーサーはねじ穴を持たず、単純に部品間に挟んで距離を確保するために用いられます。

日本の製造現場では、強度と再利用性が必要な基板固定にはスタンドオフが選ばれることが多く、低コストで一時的な間隔保持にはスペーサーが利用されます。用途に応じて選択することが、コスト効率や信頼性を高めるために重要です。

スタンドオフの種類

スタンドオフには、形状や材質、ねじの種類に応じた多様なタイプが存在します。

  • 六角スタンドオフ:工具で回しやすく、高い強度を持つため産業用途に広く使用されます。
  • 丸形スタンドオフ:軽量でシンプルな構造を持ち、電子基板の一般的な組み立てに利用されます。
  • 絶縁ナイロン製スタンドオフ:軽量で電気絶縁性に優れ、IoT機器やAIデバイスなど小型電子機器に適しています。
  • 真鍮製スタンドオフ:導電性と強度を兼ね備え、工業用制御盤や国内のロボット産業で使用されます。
  • ステンレス製スタンドオフ:耐食性に優れ、屋外や湿度の高い環境での利用に適しています。
  • アルミ製スタンドオフ:軽量かつ強度を持ち、航空宇宙や輸送業界で応用されています。

スタンドオフの利点

スタンドオフを使用することには多くのメリットがあります。

  • 安全性の確保:基板間の距離を保ち、短絡を防止します。例:日本国内の半導体製造ラインや太陽光発電システム。
  • 放熱性の向上:間隔を空けることで空気の流れが良くなり、冷却性能が向上します。例:AIサーバーや国内のデータセンター。
  • メンテナンス性:取り付け・取り外しが容易で、修理や部品交換がしやすくなります。例:ロボット制御装置や物流システム。
  • 多様な選択肢:丸形スタンドオフや六角スタンドオフなど、形状や材質の種類が豊富です。例:研究所での実験機材や産業用IoT機器。
  • 耐環境性:ステンレスやアルミ素材を選べば、過酷な環境下でも使用可能です。例:日本の風力発電施設や輸送業界。
  • コスト効率:長寿命で再利用可能なため、長期的にコスト削減につながります。

ただし以下のデメリットも存在します。

  • 材料や表面処理によってはコストが高くなる場合があります。
  • 金属製の場合、重量が増すことがあります。
  • 不適切な選定をすると固定力不足や絶縁性の問題が発生することがあります。

スタンドオフの選び方

スタンドオフを選定する際は、以下の要素を考慮することが重要です。

  • 形状:六角形や丸形を用途や取り付けやすさに応じて選びます。
  • 材質:ナイロン、真鍮、ステンレス、スチール、アルミなどから選び、耐久性や絶縁性を考慮します。
  • 性別タイプ:オス-オス、オス-メス、メス-オス、メス-メスといったねじの構造を確認します。
  • ねじ長さ:基板や部品間隔に応じて適切な長さを選びます。
  • 表面処理:亜鉛メッキ、ニッケルメッキ、酸化皮膜処理などにより耐食性や外観を改善できます。

スタンドオフの用途

スタンドオフは、幅広い分野で使用されています。

  • 産業ロボット:制御基板を固定し、安定動作を支えます。
  • 再生可能エネルギー設備:太陽光発電のパワーコンディショナや風力発電制御装置の内部構造で利用されます。
  • IoT機器:小型電子デバイスで基板の安全な固定に使用されます。
  • 輸送業界:自動車の電子制御ユニットや鉄道システムで利用されています。
  • 研究機関・教育現場:試験装置や実験機材に用いられ、国内の研究開発を支えています。

スタンドオフメーカー

スタンドオフは、国内外のメーカーから供給されています。以下は代表的なブランドです。

  • RS PRO:多様な形状と材質のスタンドオフを提供しています。
  • Wurth Elektronik:ドイツのメーカーで、高品質な電子部品を幅広く展開しています。
  • 廣杉計器(Hirosugi):日本国内メーカーで、精密なスタンドオフ製品を多数製造しています。
  • Essentra:イギリスを拠点とするメーカーで、プラスチック部品やスタンドオフに強みを持っています。
  • HARWIN:イギリスの電子部品メーカーで、産業・航空宇宙分野に対応しています。
  • Mac 8:日本のメーカーで、電子部品用の小型スタンドオフやスペーサーを多く取り扱っています。

スタンドオフは、基板や部品の安定した配置を可能にし、安全性や冷却性を高める重要な部品です。日本の産業や研究現場においても広く使用されており、再生可能エネルギーやIoT機器の進化に伴ってその需要はますます拡大しています。適切な選定と活用により、効率的で信頼性の高いシステム設計を実現できるでしょう。

スタンドオフ用RSコンポーネントのご紹介

RSは、日本全国で使用されるスタンドオフの世界的なサプライヤーとして認知されています。当社は、日本の高い性能・信頼性基準を満たすスタンドオフを提供しており、産業用途から革新的なプロジェクトまで対応する幅広いスタンドオフを卸売価格で取り扱っています。おすすめ品や交換部品も低価格でご用意しています。配送については、配送ページをご確認ください。

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