• 発行日 2024年6月28日
    • 最終変更日 2026年2月5日
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自動車用ヒューズとは?交換手順と種類・サイズの基本

このガイドでは、自動車用ヒューズとは何かを解説し、さまざまな種類やサイズについて紹介します。

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自動車用ヒューズとは?

自動車用ヒューズとは、自動車や車両の電気配線を保護するために設計された部品です。過電流や短絡が発生した際に回路を遮断し、過大な電流から配線や電気機器を保護します。用途や搭載される電気機器に応じて、さまざまな種類とサイズが用意されています。

近年使用されている自動車用ヒューズの多くはブレードヒューズです。色付きのプラスチック製の本体と、ソケットに差し込む2本の金属製端子が特長です。用途に応じて、ヒューズブロック、ヒューズクリップ、ヒューズホルダーなどに取り付けて使用されます。

自動車用ヒューズの点検方法

自動車用ヒューズは使い捨て部品であり、通常は溶断しない限り交換する必要はありません。そのため、定期的なメンテナンスは不要で、多くの場合はヒューズが正常に作動しているかどうかを目視検査で確認できます。ヒューズが溶断している場合は内部の金属線が切断されているため、目視で比較的容易に判断できます。

目視検査が難しい場合や、より正確に状態を確認したい場合は、マルチメータを使用してヒューズの状態を確認できます。主な確認方法は次の2つです。

デジタルマルチメータ

1つ目の方法は、マルチメータを導通測定モード(ブザー機能など)に設定し、プローブをヒューズの両端に当てる方法です。これにより導通の有無を確認できます。マルチメータが導通を示さない、または非常に高い抵抗値を表示する場合は、ヒューズが切れている可能性があります。

2つ目の方法は、マルチメータの抵抗測定(Ω)設定を使用してヒューズの抵抗値を測定する方法です。この測定を行う前に、ヒューズボックスやハウジングからヒューズを取り外す必要があります。プローブをヒューズの両端に当て、抵抗値が低くゼロに近い場合は正常、抵抗値が非常に高い、または無限大を示す場合は溶断している可能性が高いと判断できます。

自動車用ヒューズが切れたかどうかの見分け方

自動車用ヒューズが切れた場合、車内の一部または複数の電気部品が作動しなくなることがあります。ヒューズボックスが複数設置されている車種もあり、その位置はメーカーや車種によって異なります。ヒューズボックスの場所が分からない場合は、取扱説明書を確認してください。

次に、ヒューズボックスを確認し、該当するヒューズを特定します。多くのヒューズボックスには、各ヒューズの役割を示す図が表示されており、作動していない電気部品とヒューズを照合できます。ただし、原因が特定できない場合や、車両全体の電気系統に問題が生じている可能性がある場合は、すべてのヒューズを確認することをおすすめします。

前述のとおり、ヒューズ内部の金属線が断線していないか、溶断していないかを目視で確認します。目視で判断が難しい場合は、前のセクションで紹介したいずれかの方法でマルチメータを使用し、ヒューズの状態を確認します。

自動車に必要なヒューズは?

自動車用ヒューズには複数の種類があります。車内の各電気機器を保護するため、用途に応じてさまざまな種類とサイズのヒューズが使用されます。そのため、1台の自動車には複数種類のヒューズが組み合わせて搭載されているのが一般的です。

このガイドでは、自動車用ヒューズの種類を詳しく解説しますが、自動車に必要なヒューズの種類はいくつかの要因によって決まります。具体的には、車両のメーカーやモデル、既存のヒューズの仕様、保護対象となる電気回路や機器などが挙げられます。

自動車用ヒューズは比較的安価で、交換も容易ですが、不要なトラブルを防ぎ、電気部品の安全性を確保するためには、用途に適したヒューズを選定することが重要です。ブレードヒューズでは、サイズごとに対応可能な定格電流が異なるため、使用する電気機器に適合した定格電流であることを必ず確認する必要があります。

自動車用ヒューズの交換方法

自動車用ヒューズの交換では、まずヒューズボックスの位置と溶断したヒューズの場所を特定し、同じ種類・サイズ・定格電流の新しいヒューズに交換します。新しいヒューズを用意したら、ヒューズボックスやハウジングの該当箇所に確実に挿入します。

新しいヒューズの挿入方法は車種によって異なるため、不明な点がある場合は取扱説明書を確認し、車種別の手順やガイドを参照してください。また、ヒューズを交換した後は、該当する電気機器を作動させ、問題が解消されているかを確認する必要があります。ヒューズを交換しても機器が作動しない場合や、同じヒューズが繰り返し切れる場合は、電気系統に別の異常や不具合が発生している可能性があります。このような場合は、無理に使用を続けず、専門の修理業者への依頼を検討してください。

ヒント:

自動車のヒューズはすべて同じではなく、電気部品ごとにサイズや定格の異なる複数のヒューズが使われています。ヒューズを交換する際は、溶断したヒューズを必ず同じ種類・サイズ・定格電流のものに交換することが重要です。また、定格電流が高いヒューズへ交換すると回路や機器を十分に保護できなくなるおそれがあるため、そのような交換は避けてください。

自動車用ヒューズの交換手順

以下の手順で、自動車用ヒューズの交換が行えます。

  1. エンジンを停止し、必要に応じてイグニッションをオフにした状態で、ヒューズボックスまたはヒューズパネルの位置を確認します。
  2. 交換が必要なヒューズを特定します。
  3. ヒューズを目視で点検し、必要に応じてマルチメータ(テスター)などを使用して、溶断しているかどうかを確認します。
  4. 正しい種類・サイズ・定格電流の新しいヒューズを用意します。
  5. 古いヒューズを慎重に取り外します。
  6. 新しいヒューズを損傷しないよう注意しながら、ハウジングにまっすぐ差し込みます。
  7. ヒューズボックスまたはヒューズパネルを元の状態に戻します。
  8. ヒューズ交換後、該当する電気回路や機器を作動させ、問題が解消されているかを確認します。
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自動車用ヒューズの取り外し方

自動車用ヒューズは種類によって形状が異なりますが、小型で繊細な部品のため、隣接するヒューズや部品に影響を与えないよう注意して取り外す必要があります。

多くの自動車には、ヒューズプーラーと呼ばれる専用工具が付属しており、ヒューズを安全かつ確実に取り外せるようになっています。ヒューズを取り外す前に、車両にヒューズプーラーが付属している場合は、その保管場所をあらかじめ確認しておきましょう。車両にヒューズプーラーがない場合は、別途ヒューズプーラーを用意すると、作業をより安全に行えます。

自動車用ヒューズの種類

自動車用ヒューズの種類は、主に形状(サイズ)や定格電流によって分類されます。前述のとおり、ヒューズの種類や形状によって対応可能な定格電流は異なります。電気回路の安全性を確保し、不要なトラブルを防ぐためには、用途に適した定格のヒューズを選定することが重要です。

ブレードヒューズの定格電流を確認する方法はいくつかあります。最も簡単な方法は、ヒューズ本体に表示された数値を確認することです。定格電流は通常、ヒューズの上部や側面付近に記載されています。また、自動車のヒューズ配置図を確認することで、各スロットに使用されているヒューズのサイズや定格を把握できます。さらに、色分け表を参照することで、ヒューズの種類と定格電流を識別することも可能です。

ヒューズのサイズや色の違いは、それぞれのヒューズが持つ規格上の区分や定格の目安を示しています。サイズによって対応できる定格電流の範囲は異なり、すべての定格電流に対応できるわけではありません。これらの区分は規格によって定められており、DIN 72581は、自動車用ブレードヒューズの寸法や定格区分を定めた規格の一つです。

次の一覧は、一般的なブレードヒューズのカラーコードと、それぞれに対応する定格電流の一般的な対応例を示したものです。 ブレードヒューズには複数のサイズがあり、サイズが異なると同じ色でも定格電流が異なる場合があります。

  • 黒色:定格電流1A
  • 灰色:定格電流2A
  • 紫色:定格電流3A
  • ピンク:定格電流4A
  • 黄褐色:定格電流5A(低定格)/70A(高定格)
  • 茶色:定格電流7.5A
  • 赤色:定格電流10A(低定格)/50A(高定格)
  • 青色:定格電流15A(低定格)/60A(高定格)
  • 黄色:定格電流20A
  • 透明:定格電流25A(低定格)/80A(高定格)
  • 緑色:定格電流30A
  • オレンジ:定格電流40A

※ 同じ色で複数の定格電流が示されている場合は、ヒューズのサイズや規格の違いによるものです。

※ 交換時は必ずヒューズ本体の定格表示を確認してください。

主要な定格電流ごとのヒューズの例は、以下を参照してください。

自動車用ヒューズのサイズ

自動車用ブレードヒューズには、主に6つのサイズがあります。

  • マイクロ2:高さや厚みが小さく、縦長の形状をしたタイプです。
  • マイクロ3:端子が2本ではなく3本付いているタイプで、外観から比較的容易に識別できます。
  • 低背型 :小型でコンパクトなタイプです。端子がヒューズ本体から大きく突き出ていない構造になっています。
  • ミニ :低背型ヒューズと近いサイズですが、端子の長さが低背型よりも長い点が主な違いです。
  • ATO :標準的なサイズで、2番目に大きいタイプです。
  • MAXI:最も大きいサイズで、大電流用途向けに設計されています。

以下の自動車用ヒューズのサイズチャートでは、代表的な自動車用ヒューズの種類について、サイズや形状の違いを視覚的に比較できます。

よくある質問

自動車用ヒューズが切れる原因は何ですか?

自動車用ヒューズは、過電流や短絡(ショート)が発生した際に、電気機器や配線を保護するために溶断するよう設計されています。そのため、定格を超える異常な電流が流れるとヒューズが切れる仕組みになっています。

自動車用ヒューズは使い捨ての製品であり、一度溶断した場合は再使用できないため、新しいヒューズへの交換が必要になります。

同じ箇所のヒューズが繰り返し切れる場合は、配線の損傷、接続不良、電気機器側の不具合など、回路や接続部に何らかの異常がある可能性があります。その場合は、ヒューズを交換するだけでなく、回路や接続部を含めて原因を特定するための追加調査を行うことが重要です。

シガーライターのヒューズを交換する方法とは?

自動車のシガーライターが機能しなくなる原因はいくつか考えられますが、比較的簡単な対処方法の一つが、ヒューズの状態を確認し、必要に応じて交換することです。以下の手順に従って確認してください。

  • シガーライター回路に対応するヒューズを特定します。
  • ヒューズに明らかな破損がないかを目視で点検し、溶断していないかを確認します。
  • 目視だけで判断できない場合は、マルチメータ(テスター)を使用して、ヒューズが正常に機能しているかを確認します。
  • ヒューズが正常な場合は、原因がヒューズ以外にある可能性があります。一方で、ヒューズが溶断している、または正常に機能していない場合は、交換が必要です。
  • 同じ種類・サイズ・定格電流の新しいヒューズを用意します。
  • ヒューズボックスのハウジングからヒューズを慎重に取り外し、新しいヒューズを差し込みます。
  • ヒューズ交換後、シガーライターを作動させ、正常に動くかを確認します。

カーラジオのヒューズを確認・交換するには?

カーラジオが動作しなくなった場合、ヒューズが溶断している可能性があります。以下の手順を参考に、カーラジオに対応するヒューズを確認し、必要に応じて交換してください。

  • ヒューズパネルの位置を確認し、ヒューズ配置図を参照して、カーラジオに関連するヒューズを特定します。
  • ヒューズプーラーを使用してヒューズを取り外し、目視で溶断していないかを確認します。
  • ヒューズが溶断している場合は、同じ種類・サイズ・定格電流の新しいヒューズに交換します。
  • 周囲のヒューズや部品を傷つけないよう注意しながら、新しいヒューズをヒューズパネルの所定の位置に差し込みます。
  • パネルカバーを元に戻した後、カーラジオを作動させ、正常に動作するかを確認します。
  • ヒューズを交換してもカーラジオが正常に作動しない場合は、配線や本体など、ヒューズ以外に原因がある可能性があるため、追加で点検を行う必要があります。

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