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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2023年11月7日
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    プライヤーに関するガイド

    この記事では、プライヤーとは何か、使用方法、種類などプライヤーについて紹介しています。

    プライヤーとは?

    プライヤーは、携帯工具の中でも最も基本的で身近なものです。さまざまなサイズがあり、さまざまな作業に対応できるように設計されていますが、基本的には同じです。2本のスチールを中間点近くでリベット留めしてピボットを作り、一端にクランプ、反対側の一端にハンドルが付いています。クランプは、細長くて先の尖ったもの、幅広で盛り上がりのある頑丈なもの、またはその中間のものがあります。

    プライヤーの設計

    プライヤーは、作業内容に応じて設計が異なりますが、主な構成要素は同じです。下記のコンビネーションプライヤーの図には、すべての主要部品が示されています。

    Parts of pliers

    プライヤーのパーツ

    • ハンドル
    • ジョイント部
    • ジョー
    • カッター
    • パイプグリップ
    • チップ
    全てのプライヤーを見る

    プライヤーは何に使うのがベスト?

    プライヤーは対象物をしっかりとつかみ、「トルク」(回転力)を加えることができるため、つかみ、ねじり、引っ張り、せん断を必要とする建築、メンテナンス、エンジニアリング、修理などの作業に最適です。

    一般的な用途としては、ボルトからナット、プラグからテレビアンテナなど、小さな部品やケーブルの着脱が挙げられます。斜めプライヤーは、スチール、銅、アルミなどの金属配線を切断するために設計されているため、別名「ワイヤーカッター」と呼ばれています。

    基本的に、プライヤーはシンプルな工具です。ハンドルを握って対象物をクランプで挟み、テコを使って圧力を増幅します。非常に専門的なプライヤーの場合は、技術を要することがあります。

    プライヤーの種類

    さまざまな作業に対応できるよう、プライヤーには非常に多くの種類があります。ここでは、その中でも代表的なものをご紹介します。

    Circlip pliers

    Circlip pliers

    サークリッププライヤーは、サークリップの取り付け、取り外しという決まった目的のために設計されています。サークリップとは、回転するベアリングを固定したり、パイプやシャフト、ハウジングなどに垂直に取り付けられた部品を固定したりするための円形の金属クリップです。洗濯機や自転車、ミキサーなどに使われています。

    サークリッププライヤーは、その外観も特徴的で、先端が細長いクランプになっており、サークリップのグリップ穴に差し込めるようになっています。調整したいサークリップのサイズに合ったプライヤーを用意してください。

    通常、インターナルサークリップまたはエクスターナルサークリップのいずれかに対応していますが、両方に対応しているモデルもあります。これらは「リバーシブル」または「コンバーチブル」プライヤーと呼ばれています。エクスターナルサークリップ用に設計されたプライヤーは、ハンドルを閉じたときに先端が開くスプリングを備えています。

    また、先端のチップを外して交換できるタイプもあり、異なるサイズのサークリップに対応したり、壊れたチップを簡単に交換したりすることができます。サークリッププライヤーは、リテーニングリングプライヤーやスナップリングプライヤーとも呼ばれています。

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    Combination pliers

    コンビネーションプライヤー

    コンビネーションプライヤーは、ワイヤーカットと絶縁体剥離に加え、曲げる、ひねる、縮めるといった作業を可能にする鋸歯ジョーを備えたプライヤーです。他の追加機能があるモデルや、てこの力を大きくしたモデルもあります。

    コンビネーションプライヤーのジョーには、対象物を掴みやすいように円形のくぼみが付いているのが一般的です。コンビネーションプライヤーはその汎用性から、プロの技術者からアマチュアのDIY愛好家にまで、幅広く使用されています。

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    Cutters

    カッティングプライヤー

    カッティングプライヤーは、その名の通り、主に素材を切断するために設計されたプライヤーです。斜めカッティングプライヤーは、ワイヤーを切断するだけでなく、掴んでスプライスしたり、圧着などのために絶縁体を剥離したりするのにも使用します。また、釘を抜いたり、刻み目をつけて作業をしたりするのにも便利です。斜めカッティングプライヤーは、サイドカッティングプライヤーやワイヤーカッターとも呼ばれます。

    エンドカッティングプライヤーは「ニッパー」としても知られています。こちらは、よりきれいに切断することに重点が置かれており、ボルト、釘、リベットなどの固いものを切るのにも使用できます。

    ボルトカッターは、金属製の錠前を壊す大きな切断力を発揮するように設計されています。

    ワイヤーロープカッターは、その名の通り、しっかりとした保持力で、素材が飛び出さないようにワイヤーロープを切断することができます。

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    Flat nose pliers

    フラットノーズプライヤー

    フラットノーズプライヤーは、ワイヤーをまっすぐにしたり曲げたりして形を整えるほか、「クリンプビーズ」を取り付けるのにも使用します。クリンプビーズとは、アタッチメントを固定するためのビーズで、「クリンプ」とは圧縮して取り付けることを意味します。

    フラットノーズプライヤーは、宝石細工の場で広く使われています。

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    Locking pliers

    ロッキングプライヤー

    金属加工や溶接などの作業で、しっかりと固定できるプライヤーが必要な場合に使用します。ボルトとレバーでクランプを固定し、再び離す仕組みになっています。

    ロッキングプライヤーには用途に応じて様々な形状やサイズがあり、米国では「Vice-Grips」、英国では「Mole wrenches」という商品名で知られています。

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    Long nose pliers

    ロングノーズプライヤー

    ロングノーズプライヤーは、電気技師やエンジニアが電気ボックスなどの狭い場所で電線を握ったり、曲げたり、形を整えたり、切断したりするための繊細な工具です。また、職人やジュエリーデザイナーも広く使用しています。細長いジョーは柔軟性があり、小さなものをつまんだり、手の届かない場所に入れたりすることができます。切断は通常、ジョイント部の近くで行います。

    ロングノーズプライヤーは、ニードルノーズプライヤーピンチノーズプライヤースナイプノーズプライヤーとも呼ばれます。ベントノーズプライヤーは、「曲がった鼻」という名の通り、クランプ部分が曲がっているタイプのプライヤーです。

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    Pincers

    ピンサー

    ピンサーは一般的に、丸みを帯びたジョーの先端を閉じて力を加えたり、材料をつかんだりします。挟んだり、ねじったり、ワイヤーを切ったりと、さまざまな用途があり、スチールのような硬い素材のものにも対応できます。また、木材から釘を抜くなど、引っ張る力が必要な作業にも適しています。

    ピンサーは、土木、建設、工業、大工、DIYなどで幅広く使用されています。サイズとデザインが豊富で、使いやすいソフトグリップ付きのモデルもあります。

    主な種類は以下の通りです。

    • コンクリート作業用:

      強力なねじり力と切断力があり、刃先が硬くなっています。

    • 大工仕事用:

      釘などをきれいに抜くのに適しています。

    • 強力ピンサー:

      グリップ力を高めるために長いハンドルと丸みを帯びたヘッドを備えており、厳しい環境下で釘を抜くのに適しています。

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    Slip joint pliers

    スリップジョイントプライヤー

    スリップジョイントプライヤーは、可動式のジョイント部を備えており、装置の長さを調整してジョーの開く距離を大きくすることができます。チャンネルプライヤーも同様ですが、ジョーの調整にはジョイントではなくスライド式を採用しています。

    ストレートスリップジョイントプライヤーは、ハンドルに合わせてジョーが直線的に配置されていますが、タングアンドグルーブ(ウォーターポンプ)プライヤーは、ジョーが斜めに配置されています。後者は、配管工、電気技師、機械工などが、ナットやボルト、その他の不定形の付属品を調整するために頻繁に使用します。一般的には、平行にした状態のハンドルから45〜60度の角度で鋸歯ジョーが付いています。

    ウォーターポンププライヤーには、アークジョイントプライヤー、パイプスパナーなどの別名があります。

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    Wire twisting pliers

    ワイヤーツイスタープライヤー

    自動車や飛行機のエンジンなど、振動の多い環境での精密なワイヤー作業に最適です。ワイヤーツイスタープライヤーは、狭い場所でも異なる長さを素早くカットし、耐久性のあるストランドを作ることができます。

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    プライヤーの使い方と注意点

    プライヤーにはさまざまな種類がありますが、いずれも使い方と注意点を守って使用することが大切です。

    プライヤーの使い方

    プライヤーを使う際には、開け幅を調整することと、挟む位置を使い分けることがポイントです。開け幅はジョイントで調整できるので、挟みたい物にあわせて適切な開け幅にしましょう。また、先端部分では小さなものや薄いものを、中央部分の滑り止めがついている部分では大きなものや太いものを挟むようにするとスムーズに操作ができます。挟みたい物にあわせて開け幅と挟む位置を調整して使いましょう。

    プライヤーの注意点

    プライヤーを使用する際には、次のような注意点を意識してください。

    • ものがしっかりと挟めていることを確認すること
    • ハンドルの柄本のほうを持たないこと
    • 保護メガネを着用して使うこと

    挟んだ物に対して適切に力を加えるためには、しっかりと物が挟まれていることと、ハンドルの柄本を持たないことが大切。なるべくハンドルの端のほうを持って力を加えるようにしましょう。

    また、物が破損して飛散したときのために、保護メガネなどで防護することも忘れないようにしてください。以上の3点を守り、効果的に、安全に使用することが注意点です。

    Circlip plier tips

    サークリッププライヤーのチップ交換方法

    サークリッププライヤーのチップ交換方法は以下の通りです。

    1. 現在取り付けられているチップを取り外します。頭部に1~2本のネジで固定されています。
    2. ドライバーや六角レンチなど、プライヤーに付属している専用工具を使ってネジを外します。
    3. 調整したいサークリップの種類とサイズに応じて、必要な交換用ヘッドを選びます。
    4. 新しいチップを挿入し、ネジを締め直します。
    サークリッププライヤーチップを見る
    RS pro plier sets

    製品紹介:RS PRO 3ピースプライヤーセット

    複数の種類・設計のプライヤーがセットになったプライヤーセットは、どんな作業にも対応できる優れたツールキットです。 RS PRO 3ピース・スチールプライヤーセットは、コンビネーションプライヤー、ヘビーデューティーサイドカッター、ロングノーズプライヤーなど、人気・品質の高いプライヤー3種で構成されています。 ダブルインジェクションハンドルは、ソフトなグリップ感で、スムーズで正確な操作を可能にし、長時間の使用でも疲れにくい設計です。 プライヤーには高周波焼入れ処理された鋸歯ジョーが付いており、対象物をしっかりと掴むことができます。ポーチに収納されているので、保管や持ち運びに便利です。

    キット内容:

    • 180 mm ハイレバレッジ・コンビネーションプライヤー
    • 160 mm ヘビーデューティーサイドカッター
    • 200 mm ロングノーズプライヤー

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    よくある質問

    プライヤーとレンチの違いは何ですか?

    どちらも定番工具であり、「物を握って操作する」という点では共通していますが、プライヤーは、大きさや形がさまざまな回転するジョーで対象物を挟み、素手ではできないような力を加えたり、非常に小さいものや扱いにくいものを操作したりすることができます。一方、レンチは、ナットやボルトを締めたり緩めたりすることに特化して設計されており、特殊な形状のヘッドでナットやボルトを掴むことで、大きな回転力(トルク)を加えて動かすことができます。レンチはナットやボルトを傷つけにくくなっています。

    プライヤーを発明したのは?

    プライヤーの発明者ははっきり分かっていません。紀元前3,000年頃に製錬や金属加工が発明された時には、溶けた材料を扱うための道具が必要だったので、このような形の道具が存在していた可能性が高いと考えられています。初めてプライヤーが描かれたのは、古代ギリシャ期です。

    交換可能なサークリッププライヤーチップは何のためにあるの?

    サークリッププライヤーのチップを交換することで、1つのプライヤーセットで異なるサイズのリングに対応することができ、作業者は作業に応じて複数の工具を持ち歩く必要がなくなり、実用性が高まります。

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