丸型コネクタバックシェル

丸型コネクタバックシェルとは?

丸型コネクタバックシェルは、ケーブルとコネクタの接続部を保護し、機械的強度や電磁的シールド性能を高めるための部品です。英語では「circular connector backshell」と呼ばれ、産業機器や輸送機器、通信装置など幅広い分野で使用されています。特に、日本の産業用ロボットや再生可能エネルギー装置など、厳しい環境での安定した接続を求められる場面で重要な役割を果たしています。

丸型コネクタバックシェルの仕組み

丸型コネクタバックシェルは、ケーブルが接続されたコネクタの背面に取り付けられ、ケーブルの固定や保護を行う構造になっています。金属または高耐久樹脂で作られ、ケーブルの曲げや引っ張りによるダメージを軽減し、信号品質を維持します。

主な機能は、ケーブルのストレインリリーフ(引張応力の緩和)、防塵・防水、電磁シールド(EMI保護)です。これにより、外部環境によるノイズ干渉を防ぎ、機器の信頼性を高めることができます。特に、AI制御機器やIoT端末など、通信の安定性が重視される装置では欠かせません。

丸型コネクタバックシェルとケーブルグランドの違い

丸型コネクタバックシェルとケーブルグランドは、いずれもケーブル接続部を保護する役割を持ちますが、構造と用途に明確な違いがあります。バックシェルはコネクタの一部として設計され、コネクタ本体と一体化して使用されます。これに対し、ケーブルグランドはパネルや筐体のケーブル貫通部に取り付けられ、ケーブルの固定と防水を行います。

また、丸型コネクタバックシェルは、電磁シールド性能やケーブルの曲げ角度を調整できる構造を備える点が特徴です。一方、ケーブルグランドは構造が比較的単純で、主に防塵や防水を目的としています。高信頼性が求められる国内の輸送機器や風力発電装置では、バックシェルが選定されることが多いです。

丸型コネクタバックシェルの種類

丸型コネクタバックシェルには多様なタイプが存在し、環境条件や用途に応じて選定されます。以下に代表的な種類を紹介します。

  • ストレートタイプ:最も一般的な形状で、ケーブルを真っすぐに取り付けるタイプ。狭いスペースでも使いやすく、標準的な産業機器に適しています。
  • アングルタイプ(90度型):ケーブルの取り回しを容易にするため、限られたスペースでの配線に便利です。制御盤やロボットアーム内部で多用されます。
  • EMIシールドタイプ:電磁波干渉を防止するための金属シールド構造を備え、半導体製造装置や通信機器で使用されます。
  • 防水防塵タイプ:IP67以上の保護等級を備えたモデルで、屋外設備や再生可能エネルギー装置に最適です。
  • 軽量タイプ:アルミニウムやアルミ合金を採用し、航空・輸送分野での使用に向いています。
  • ねじ固定型:堅牢な取り付けが可能で、振動や衝撃がある現場で使用されます。

丸型コネクタバックシェルの利点

丸型コネクタバックシェルを使用することで、電気的・機械的安定性が向上し、長期間の信頼性を確保できます。国内の工業分野や再生可能エネルギー市場でも、高い需要を持つ部品のひとつです。

  • 高い保護性能:防塵・防水構造により、過酷な環境でも安定動作を実現。例:風力発電制御ユニット、屋外監視カメラ。
  • 電磁シールド効果:外部ノイズを遮断し、通信精度を維持。例:AIサーバー、半導体検査装置。
  • ケーブルの応力軽減:ストレインリリーフ構造により、ケーブルの断線を防止。例:自動搬送装置、ロボット制御モジュール。
  • 長寿命とコスパ:耐久性の高い素材を使用し、交換頻度を減らすことでコスパを向上。例:太陽光発電システム、鉄道信号装置。
  • 整然とした配線:アングルタイプや小型タイプを使うことで配線効率を高め、メンテナンス性を向上。例:制御盤内部、IoTセンサーノード。

デメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 高性能モデルほど価格が上がる傾向があります。
  • 材質や構造によっては重量が増し、取り付けに工夫が必要な場合があります。

丸型コネクタバックシェルの選び方

丸型コネクタバックシェルを選定する際には、使用環境や目的に応じて複数の要素を考慮する必要があります。以下のポイントを確認することで、最適なコネクタバックシェルを選べます。

  • シェルサイズ:対応するコネクタサイズに合わせて選定。サイズが合わないと防水・防塵性能が低下するおそれがあります。
  • 取付方向(ストレート/アングル):設置スペースやケーブル配線経路に応じて決定します。
  • オス/メス:コネクタとの適合性を確認。誤接続を防ぐため、メーカーの仕様を参照することが重要です。
  • ハウジング材質:アルミニウム、アルミ合金、ステンレススチール、樹脂など。使用環境により耐食性や軽量性を考慮します。
  • 防水・防塵等級:屋外や湿度の高い環境では、IP67以上のモデルが推奨されます。

丸型コネクタバックシェルの用途

丸型コネクタバックシェルは、産業用から民生用、研究用途まで幅広く使用されています。高い耐久性と防護性能により、日本国内でも多くの分野で導入が進んでいます。

  • 産業ロボット:稼働部のケーブル保護により、長時間の安定動作を実現。
  • 再生可能エネルギー装置:太陽光パネルや風力発電制御盤のケーブル接続部で使用。
  • 鉄道・輸送機器:振動や衝撃に強く、信号ケーブルや制御線の安全性を確保。
  • 通信設備:データ伝送の安定化に寄与し、AIサーバーや基地局などで使用。
  • DIY・ホビー用途:自作電子工作やドローン製作などで、耐久性の高い接続を実現。

丸型コネクタバックシェルメーカー

信頼性と性能を兼ね備えた丸型コネクタバックシェルのメーカーは、国内外に多数存在します。以下は主要なメーカーとその特徴です。

  • Amphenol Limited(アンフェノール):グローバルに展開する大手メーカーで、高信頼性の航空・防衛向けバックシェルを製造。
  • TE Connectivity(ティーイー・コネクティビティ):多様な産業向けに高性能バックシェルを提供。防水・防塵仕様に強みがあります。
  • ITT Cannon(アイティーティーキャノン):堅牢で精密な設計により、輸送機器や産業機器分野で広く採用。
  • Phoenix Contact(フェニックスコンタクト):制御盤機器向けのバックシェルを展開し、信頼性の高い通信品質を実現。
  • ヒロセ電機(Hirose Electric):国内メーカーで、小型・軽量・高精度な製品を開発。日本のIoT市場で人気があります。
  • 日本航空電子工業(Japan Aviation Electronics Industry):高耐久性のコネクタバックシェルを製造し、半導体・交通分野で高い評価を得ています。

丸型コネクタバックシェルは、単なる保護部品ではなく、信号品質や装置の信頼性を左右する重要なコンポーネントです。国内産業の自動化や再生可能エネルギーの拡大に伴い、今後ますます需要が高まると予想されます。適切な選定と設計により、長期的な安定運用と高いコスパを実現することが可能です。

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