ツェナーダイオードの特性
ツェナーダイオードにはいくつかの特性があります。この章ではその特徴を3つ紹介します。
逆バイアス動作
逆バイアスとは、ダイオードなどにおいて、電流が流れにくい方向に電圧をかけることを意味しています。
通常のダイオードでは逆方向電圧をかけてもほとんど逆方向電流は流れませんが、ツェナーダイオードでは逆方向に電圧をかけると、ある値を超えた時点で安定した電流が流れる特性があります。
どの程度の電圧で安定した電流を流し始めるかについては製造プロセスで調整することが可能であり、用途によって様々な値に調整されます。
逆起電力
逆バイアス動作時において、ある値を超えた時点でのツェナーダイオードは安定した電流を提供しますが、この際の電圧はほとんど変化がなく定電圧となります。
この特性を利用して、ツェナーダイオードを定電圧源として用います。
定電圧源として利用する際には電圧の値がブレないことが重要であり、どれくらいの精度を担保するのかについてはツェナーダイオードの仕様によって異なります。
温度特性
ツェナーダイオードの温度特性とは、逆起電力や逆方向電流への反応が温度によってどのくらい変化するかを示しています。
一般的にツェナーダイオードの逆起電力は温度に依存しており、温度が上昇すると逆起電力も上昇する傾向があります。
温度特性はツェナーダイオードがどのような材料でできているのかによっても受ける影響が大きく変わるため、ツェナーダイオードの仕様を決める際には材料も重要な要素となります。