コンパレータ回路の仕様
5つの端子で構成
コンパレータは5つの端子で構成されています。それぞれの端子は以下の通りです。
- 正電源端子
- 負電源端子
- 非反転入力端子
- 反転入力端子
- 出力端子
正電源端子と負電源端子はコンパレータを動作させるための電源を供給する端子です。 非反転入力端子はプラス入力端子とも呼ばれ、比較したい信号の1つ目を入力します。反転入力端子はマイナス入力端子とも呼ばれ、非反転入力端子と同様、比較したい信号の2つ目を入力します。 コンパレータでは非反転入力端子と反転入力端子の電位差を比較して、出力端子から出力します。
2入力1出力
コンパレータには5つの端子がありますが、実際にはそのうちの2端子(正電源端子/負電源端子)がコンパレータ動作のための電源なので、一般的には2入力1出力の回路素子となります。
出力形式は2種類ある
コンパレータにはPush-Pull出力とオープンコレクタ/ドレイン出力の2種類があります。
その違いは内部の回路構造です。Push-Pull出力のコンパレータはトランジスタを2つ組み合わせたトーテムポール型で構成されているのに対して、オープンコレクタ/ドレイン出力のタイプはFET(電界効果トランジスタ)で構成されます。
Push-Pull出力の場合には出力端子から電源端子に向かって静電保護ダイオードが存在するため、電源電圧の大きさ+0.6Vの電圧が出力端子に印加されてしまうと、出力端子から電源端子に電流が流れてしまい、故障してしまう恐れがあります。
故障を防ぐためには出力端子側に外付けで抵抗を付けます。こうすることで想定以上の電圧を印加してしまうことを防止できます。
一方で、オープンコレクタ/ドレイン出力の場合にはダイオードは存在しないため、動作電源電圧範囲以下の電圧であれば出力端子に印加してしまったとしても問題はありません。
出力形式も気にしつつ、回路構成によって適切なコンパレータを選択すると良いでしょう。