—— それでは、オペアンプの選び方についてポイントを見ていきましょう。
回路に適したピン配置のオペアンプを選ぶこと
回路に適したピン配置の製品を選ぶことは、オペアンプ選びにおける基本です。オペアンプのピン配置と対応回路は一例として次のようになります。
- 1回路(シングル):8ピン
- 2回路(デュアル):8ピン
- 4回路:14ピン
よく用いられるピン配置は上記のとおりですが、回路により選定するべきピン配置は異なります。ただし、表面実装タイプであれば解説したとおりのピン配置でないことも考えられるので、仕様書などで確認をし、回路に適したピン配置の製品を選びましょう。
入力信号に注意して選ぶこと
汎用オペアンプを選定する際には入力信号に注意して選ぶようにしてください。汎用オペアンプでは入出力の振幅レベルを電源電圧までとすることはできません。電源電圧近辺まで振幅が触れると飽和してしまいます。そのため、両電源で作動する汎用オペアンプを単独で電源として利用する場合には、入出力信号が電源電圧まで振ることがないよう製品選びをすることが必要です。
動作電圧・作動入力電圧・同相入力電圧を超過しないこと
汎用オペアンプ選びでは、動作電圧・作動入力電圧・同相入力電圧を超過しないよう選ぶことも欠かせません。過電圧状態になったり、流せる電圧の許容範囲を越えてしまったりするとオペアンプが故障してしまうことがあります。それぞれの値はオペアンプにより決まっているので、利用する回路の電圧に対応する製品かどうか、確認してから選びましょう。
消費電力量
消費電力量もオペアンプ選びのポイントのひとつです。消費電流が少ないほど消費電力量が少なくなり、ランニングコスト削減につながります。ただし、消費電流の少なさに比例して、最大周波数も低くなることに注意が必要です。コスト削減を重視する際には、増幅可能な最大周波数と消費電力量のバランスが取れた製品を選ぶようにしてください。
オフセット電圧の低さ
汎用オペアンプを正常に作動させるには、オフセット電圧が低い製品を選びましょう。オフセット電圧とは電圧を入力していないときに現れる誤差電圧のことで、高いほど増幅精度が低くなり、急激に高くなるとオペアンプが正常に作動しなくなることもあります。オフセット電圧はゼロが最も理想的で高精度となりますが、できる限り低いものを選ぶことをおすすめします。