- 発行日 2023年2月8日
- 最終変更日 2026年9月9日
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電気工事士向け工具とは?基本工具13選と選び方を解説
電気工事士向け工具とは、電線の加工や締結、電圧の確認など、電気工事で使う道具や機器を指します。この記事では、基本的な13種類の工具を紹介します。必要な工具をそろえる際の参考にしてください。

ツールキットは、電気技師の必需品です。仕事にいく際にはいつでも信頼できる工具を持ち歩き、安全で確かなソリューションを提供します。エンジニアがどのような工具をキットに含めているのかを調査し、それをまとめることで電気技師の必須ツールキットガイドを作成しました。すべての製品は高品質な自社ブランドRS PROからお選びいただくことができます。
電気技術者向け工具

電気工事士向け工具とはどのようなものかをイメージしやすいよう、上の画像では、本記事で取り上げる13種類の工具を番号付きで示しています。
電気工事士の工具の選び方
電気工事士向け工具の選び方で重要なポイントは、次のとおりです。
工具の状態を確認すること
電気工事士向け工具は、新品か中古かだけで選ぶのではなく、状態や仕様を確認することが重要です。中古品の場合は、写真だけではサビや摩耗、可動部の状態などを十分に確認できないこともあります。購入前に劣化や損傷の有無を確認し、用途や作業条件に適したものを選びましょう。特に絶縁工具では、絶縁部分に損傷がないかなど、安全性に関わる点も確認する必要があります。
工具セットの内容を確認すること
複数の工具をまとめてそろえる場合は、セット品も選択肢の一つです。ただし、セット内容は製品によって異なるため、必要な工具が含まれているか、それぞれの仕様が用途や作業条件に合っているかを確認しましょう。必要に応じて、工具を個別にそろえる方法もあります。
1. ワイヤーストリッパー
ワイヤーストリッパーは、電線やケーブルの絶縁被覆を取り除き、導体を露出させるための工具です。端子やコネクタの取り付け、はんだ付けなどを行う前の下処理に使用します。製品によっては、電線やケーブルを切断する機能も備えています。
ワイヤーストリッパーは、ケーブルストリッパーや電線ストリッパーと呼ばれることもあります。
ワイヤーストリッパーの種類
ワイヤーストリッパーにはさまざまなタイプがあり、主な種類は次のとおりです。
- 調整可能ストリッパー:電線のサイズに合わせて調整でき、被覆を取り除くタイプです。製品によっては、圧着や切断などの機能も備えています。
- トリプルアクションワイヤーストリッパー:回転・直線・らせん状の3種類の切断方式に対応し、厚いケーブルや剥きにくい絶縁材の処理に適しています。
- ワイヤーストリッパープライヤー:V型のストリッピング部を備え、単芯・多芯の電線の絶縁被覆を取り除く際に使用します。
- シースストリッパー:回転させながら、ケーブルのシースに円周状の切り込みを入れます。
- ピストルワイヤーストリッパー:自己調整式の刃を備え、電線を保持しながら被覆を取り除くタイプです。
- 自動ワイヤーストリッパー:機構が作動して絶縁被覆を自動的に取り除きます。製品によっては、電線を切断するカッター機能も備えています。
- マニュアルワイヤーストリッパー:手動で被覆を取り除くタイプで、バネ式のハンドルやセーフティロックを備えた製品があります。
2. 絶縁ドライバー
ドライバーは基本的な手工具の一つで、電気工事でもよく使用されます。ねじで固定された電気機器やボックスのカバーを取り外したり取り付けたりする際などに使用します。用途に応じてさまざまな種類があります。
ドライバーは、先端をねじ頭の溝や穴に合わせ、回転力(トルク)を加えてねじを締めたり緩めたりします。絶縁ドライバーは、感電リスクを低減するため、ハンドルや軸部などに絶縁処理が施されています。製品によってはIEC 60900に適合し、VDE認証を取得したものがあります。使用時には、製品に表示された使用可能な電圧や適用条件を確認する必要があります。
3. 絶縁プライヤー
絶縁プライヤーは、感電リスクを低減するため、主にハンドル部分に絶縁処理が施されたプライヤーです。プライヤーは、主に対象物をつかんだり、ねじったりする工具で、種類によっては電線などを切断することもできます。手では保持しにくい部品や材料をしっかりつかめるため、電気工事でも幅広く使われます。
多くのプライヤーには鋼などの金属が使われており、用途に応じて先端部(ジョー)の形状や機能が異なります。
プライヤーの種類
プライヤーの種類は用途によって異なり、以下は一般的な例です。電気工事で絶縁仕様の製品を使用する場合は、使用可能な電圧や適用条件、適合規格などを確認する必要があります。
- ロングノーズプライヤー:先端が細長く、小さな部品をつかんだり、狭い場所で作業したりする際に適しています。
- コンビネーションプライヤー:対象物をつかむ機能と、電線などを切断する機能を備えた多用途のプライヤーです。製品によっては、絶縁被覆を取り除く機能も備えています。
- ウォーターポンププライヤー:スリップジョイント式やタング&グルーブ式のものがあります。ジョイント位置を変えて口の開き幅を調整でき、さまざまなサイズのナットやボルト、パイプなどをつかむ際に使用します。
- サイドカッティングプライヤー:サイドカッターやニッパーとも呼ばれ、主に電線などの線材を切断する際に使用します。切断できる材質や線径は製品によって異なります。
- ロッキングプライヤー:対象物を挟んだ状態で固定できるプライヤーで、金属部品などをしっかり保持する作業に適しています。
4. 絶縁テープ
絶縁テープは、電線やケーブルなどの絶縁や保護に使用するテープです。粘着式の製品は、貼り付けた後に押さえて密着させます。耐摩耗性や耐熱性、耐水性などの性能は製品によって異なります。
絶縁テープには、PVC(ポリ塩化ビニル)やガラスクロスなど、さまざまな素材の製品があります。色や幅、厚さ、使用温度範囲、接着強度、絶縁性能なども製品によって異なります。
色分けされた絶縁テープは、配線などを識別するためのマーキングに使用することもできます。
ただし、色が示す意味は、適用される規格や設備の仕様、現場のルールなどによって異なります。配線の識別に使用する場合は、作業対象に適用されるルールを確認する必要があります。
6. ニッパー
ニッパーは、主に電線などを切断するための工具です。切断する材質やサイズに応じてさまざまな製品があり、太いケーブルにはケーブルカッターなどを使用します。製品によっては、電線やケーブルの絶縁被覆を取り除く機能も備えています。
製品によって刃の形状や切断方式が異なり、汎用タイプのほか、フラッシュカットやダイアゴナルカットに対応したものもあります。絶縁仕様の製品を使用する場合は、使用可能な電圧や適用条件、適合規格などを確認する必要があります。また、ESD対応と絶縁仕様は目的が異なり、ESD対応だけでは感電リスクを低減するための絶縁工具であることを意味しません。
選ぶ際は、握りやすさや対象材質に加え、線径・ケーブル径・導体断面積などで示される製品ごとの切断能力を確認することが重要です。対応範囲を超える材質やサイズには使用しないようにします。
7. スパナ
スパナは、ナットやボルトなどを締めたり緩めたりするための工具です。ナットやボルトにはさまざまなサイズがあるため、ナットやボルト頭のサイズに合ったスパナを使用することが重要です。
スパナにはさまざまな種類があり、以下はその例です。
- 調整式スパナ:可動式のジョーを備え、開口幅を調整して異なるサイズのナットやボルトに使用できます。モンキーレンチとも呼ばれます。
- オープンエンドスパナ:先端が開いた形状のスパナで、ナットやボルトに横から掛けて使用できます。両口タイプでは、両端で異なるサイズに対応するものもあります。
8. 電圧テスター
電圧テスターは、回路や電気機器の電圧の有無を確認するための機器です。電線やケーブル、スイッチ、接続箱などを点検する際に使用します。製品によっては、測定結果をLEDやLCDの表示、音などで知らせるものがあります。
マルチメータは、電圧に加えて電流や抵抗など複数の電気量を測定でき、電圧テスターとは機能が異なります。作業時には、対象となる電路や作業内容に応じた方法で安全を確認する必要があります。労働安全衛生規則第339条では、電路を開路して電気工事の作業を行う場合、その電路が高圧または特別高圧であったときは、検電器具による停電確認に加え、短絡接地器具を用いて確実に短絡接地することなどが定められています。また、電圧テスターには、安全性を高めるための冗長回路やサージ耐性を備えた製品もあります。
10. 六角レンチ
六角レンチは、六角穴付きボルトやねじを締めたり緩めたりするための工具で、六角棒スパナとも呼ばれます。一般には鋼製ですが、用途によってはベリリウム銅合金などを使用した製品もあります。形状には、ストレート型、L形、折りたたみ式、T形などがあります。
ストレート型には、ドライバーハンドルなどと組み合わせて使用するタイプがあり、六角穴付きボルトやねじの締め付けや取り外しに使用します。
L形六角レンチは一般に両端を使用でき、差し込む側を使い分けることができます。短い側を六角穴に差し込むと、長い側を持ち手にして大きな力をかけやすくなります。一方、長い側を差し込むと、奥まった位置にあるボルトやねじにも届きやすくなります。折りたたみ式は、複数サイズの六角レンチをホルダーにまとめて収納でき、携帯や保管がしやすいタイプです。
T形六角レンチはT字形のハンドルを備えており、握りやすく、安定して回しやすいのが特徴です。
11. クローハンマー
クローハンマーは、ヘッドの一端に釘を打ち込むための打撃面を、反対側に釘を引き抜くためのクロー(爪)を備えたハンマーです。クローの先端は二股に分かれており、釘の頭の下に掛けて引き抜く際に使用します。
また、クロー部分は、内装パネルや板材などをこじ開けたり取り外したりする際にも使用できます。
12. チゼル(ノミ)
チゼル(ノミ)は、木材を削ったり切ったりするほか、石材やレンガ、コンクリートなどをはつる際に使用する工具です。用途に応じてさまざまな種類があり、使用される鋼材も製品によって異なります。
電気工事では、壁材や施工方法に応じて、配線経路となる溝などを設ける際にチゼル(ノミ)を使用することがあります。製品によって刃幅は異なり、例えば次のようなサイズがあります。
- 5 mm
- 10 mm
- 16 mm
- 18 mm
- 20 mm
- 50 mm
注目の製品:RS PRO VDE認証 32点 電気技術者用工具キット
RS PRO VDE認証 32点 電気技術者用工具キットは、電気工事などに使用する各種手工具をまとめた32点セットです。
VDE認証の絶縁ドライバー(AC 1,000 Vまでの使用について個別に試験済み)のほか、プライヤー、カッター、巻尺、懐中電灯などが含まれています。工具は付属の工具バッグにまとめて収納できます。
電気工事士向け工具に関するよくある質問
電気工事士がそろえておきたい基本工具は?
電気工事士向け工具とはいっても、必要な工具は作業内容や作業環境によって異なります。基本的な工具の例として、次のようなものがあります。
- 絶縁テープ
- 絶縁ドライバー
- 絶縁プライヤー
- ニッパー
- 電圧テスター
電気工事士に適したドライバーとは?
電気工事で使用するドライバーは、ねじ頭の形状やサイズに合ったものを選び、必要に応じて作業条件に適した絶縁仕様を備えているかも確認することが重要です。絶縁ドライバーには、IEC 60900などの規格に適合し、VDE認証を取得した製品があります。VDE認証は、VDE InstituteがVDE、EN、IECなどの適用規格に基づいて製品を試験・認証するものです。
他の工具についても、絶縁仕様の製品を使用する場合は、使用可能な電圧や適用条件、適合規格などを確認する必要があります。絶縁工具は感電リスクを低減するための安全対策の一つであり、作業条件に応じた適切な安全措置を講じることが重要です。
電気工事士向け工具にはどのくらいの費用がかかりますか?
必要な費用は、工具の種類や仕様、そろえる点数などによって異なります。一度にすべてを購入する必要はなく、予算や作業内容に応じて必要な工具から順にそろえる方法もあります。RSコンポーネンツでは、各種工具のほか、工具キットや工具バッグも取り扱っています。



