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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2023年11月7日
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    ハンドソーに関するガイド

    この記事では、さまざまな種類のハンドソーを取り上げ、その使用方法を説明します。

    ハンドソーとは?

    ハンドソー(「手鋸」と呼ばれることもあります)は、工具箱には欠かせないツールです。ハンマーやノミ、スパナと並んで、一般的なリフォーム作業や保守工事でよく使われる工具です。

    最新の電動式切削工具は、素晴らしいスピードと利便性を提供してくれますが、決して万能ではありません。入手性、利便性、重量、安全性、精巧さなどは、電動工具よりもハンドソーの方がはるかに優れていることも多くあります。

    もちろん、ハンドソーにはさまざまな種類があります。他の手動式切削工具と同様、最高の成果を出すためには、どの作業にどんなハンドソーを使用すべきかを知ることが重要です。

    ハンドソーの種類

    前述したとおり、ハンドソーには様々な種類があります。多目的の一般的な鋸刃として設計されたものもあれば、より特殊な切断作業に最適な、精密に設計された専門ツールもあります。

    ここで注意するのは、基本的なハンドソーの名称は、サプライヤーやメーカー、ユーザーによって必ずしも統一されていないということです。これが混乱の原因となっています。例えば、シンプルな木材用ノコギリを購入する際によく見かけるノコギリの種類と名称には以下のようなものがあります。

    The Different Types of Hand Saws Image

    また、上記の名称は、同じタイプの基本的なハンドソーを指してほとんど同じ意味で使われていることがあります。

    多くの場合、上記の種類の違いは微妙です。また、デザインが異なるように見えても、実際の用途は似ていることもあります。

    例えば、木材を簡単に切断するための「ウッドソー」は、縦引きノコギリ、パネルソー、横引きノコギリのいずれかに分類されていることがあります。業者によっては、「テノンソー」が「バックソー」や「ダブテールソー」と表記されていることもあります。また、パンチソー、キーホールソー、引き回しノコギリ、フレットソーなど、穴やカーブなどの正確な形状をカットするためのさまざまなハンドソーがあります。さらに、細工用ノコギリや頑丈なモデルなど、まったく別の特徴で識別されているものもあります。

    ここではシンプルに、素材別に大きく分けて、木工用、金属用、石膏ボード用、剪定用の4種類をご紹介します。

    Hand saw TPI

    ハンドソーTPIガイド

    ハンドソーのTPI(1インチあたりの歯数)は、特定の作業や素材に最適な手動切断工具を選ぶ際に非常に重要です。実際、TPIはハンドソーの種別のうちで最も大きな違いの1つです。

    TPIを簡単に説明すると、ノコギリの刃の1インチあたりの歯数が多ければ多いほど、切り口が細かくなる(仕上がりがきれいになる)傾向があります。 そのため、フレットソーやコーピングソーなど、細かい作業をするために設計された工具は、TPI数が高いことになります。また、薄い木材や金属を加工する場合には、一般的に高いTPI数が好まれます。 枝の剪定、板材の切断、板材パネルのサイズに合わせた切断など、精度の低い作業を主目的としたハンドソーは、通常TPI数が低くなります。同様に、厚手の木材や生木、処理木材には、TPI数が低い方が適している傾向があります。

    主に金属やプラスチックの切断に使用される弓ノコギリは、上記ルールの例外といえます。素材の物理的な性質のため、比較的高いTPI数の刃を持つことが多いのですが、細かい作業にはあまり使われません。

    基本的なハンドソーのTPIの目安として、通常、以下のようなおおよその区分があります。

    • TPIが7未満のものは、一般的に荒目ノコギリとして販売されています。
    • TPIが7~11のものは、中目ノコギリとして販売されています。
    • TPIが12以上のものは、通常細目ノコギリと表示されます。

    次に、さまざまな素材に使用できる各種ハンドソーをご紹介します。

    Hand Saw Cutting Wood

    木工用ハンドソー

    木材の切断に適しているハンドソーを見つけるのは難しいかもしれません。というのも、「木材の切断」といっても、その作業は多岐にわたるからです。丸太や木の枝をノコギリで切るのと、家具のパネルにきれいな穴を開けるのとでは、作業内容が大きく異なります。手作りの木工品のように滑らかな曲線を切り出すのも、また別の作業です。

    いずれの場合も、正確な作業を行うためには、さまざまな速度と力で切断する必要があります。当然のことながら、それぞれの状況に応じて「最適な」ハンドソーがあるということです。一般的には、TPIの法則に従うのがよいでしょう。

    • ゆっくりとしたスピードと高い精度が要求される作業には、目の細かいノコギリを使うようにしましょう。1インチあたりの歯数が多いほど刃が細かくなるので、切り口はきれいになりますが、厚い木や硬い木を切るときには少しずつ進むことになります。
    • 粗い歯のノコギリは、厚い素材や硬い素材を素早く切るのに適しています。歯と歯の間の隙間が広いので、刃を動かすたびにより多く切り取ることができますが、あまりきれいに仕上がりません。

    いわゆる「ハードポイントソー」は、簡単な木工作業には経済的で便利な選択肢です。プラスチック製のハンドルと、高周波焼入れ処理した鋭い歯を備えた、比較的ベーシックなノコギリです。汎用ハードポイントソーの多くは、ほとんどの種類の木材に対応していますが、高周波焼入れ処理された刃は、研ぐことができないことに留意してください。ハードポイントソーの歯が鈍くなったら、工具全体を交換しなければなりません。そのため、たまにしかハンドソーを使わないという方には適しています。

    Hand Saw for Metal

    金属切断用ハンドソー

    金属を切断する場合は、昔ながらの弓ノコギリが選ばれることが多いです。これは細かくて柔軟性のある弓ノコギリの刃を、硬いC字型のフレームの両端に挟んで引っ張ったものです。シンプルでありふれた道具ですが、薄い金属板を手で切るために広く使われています。

    しかしそれだけではなく、様々な要素を考慮した上で、最適なハンドソーを選ぶ必要があります。金属を切断するためのハンドソーを選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。

    • 切断する金属の材料特性
    • 作業する板のサイズと厚さ
    • 必要なカットの形状
    • 求められている仕上げの美しさ

    金属板の切断に弓ノコギリを使うことが決まっていても、TPI数や刃の材質などにより、作業の難度が大きく変わります。木工用ノコギリと同様に、金属用ノコギリもTPI数と素材の特性が一致していれば最も効果的です。

    • TPI数が低い刃は、鉄や鋼などの硬い金属や厚い金属に対応するのに適していますが、切り口がより粗くなります。
    • TPI数の高い刃は、より繊細な切断が可能ですが、一般的にアルミニウムや銅などの薄いまたは柔らかい金属に適しています。

    図解でわかるハンドソーの基礎知識

    これまで見てきたように、ハンドソーにはさまざまな種類があり、その用途も多岐にわたります。どのタイプのハンドソーを選べばよいのかを考えるとき、業者によって使われている用語が微妙に異なるため、混乱してしまうかもしれません。

    そのようなときは、以下の画像を参考にして、一般的なハンドソーの種類を確認してください。

    An Illustrated Guide to Hand Saws

    ハンドソー解剖図

    下の図は、ハンドソーの構造と、ノコギリの各部品の正しい用語について解説しています。

    The Anatomy of a Hand Saw image

    テノンソーとは?

    テノンソーとは、特殊なタイプのバックソーです。背金付きのものはバックソーと呼ぶことができますが、テノンソーは木材を制御して正確に切断することに特化しています。

    テノンソーの定義とは?

    テノンソーは、以下のような特徴があるので、簡単に見分けることができます。

    • 刃の上側(切断しない側)に沿って硬い背金があり、これは一般的には鋼、真鍮、または(あまり多くはないが)木で作られている。
    • テノンソーは通常、短くて頑丈な刃を持ち、一端には使用者を保護するためのピストルグリップのハンドル(通常は取り外し不可)が付いている。
    • テノンソーの刃のTPI数は10~14が一般的で、粗目のハンドソーよりも時間がかかるものの、切断面の制御が容易。
    • 一部のテノンソーは、押して切断するように設計されていますが(「プルソー」ではなく「プッシュソー」)、必ずしもそうではないことに注意してください。

    テノンソーは何に使う?

    テノンソーは、主に建具や家具などの精密な作業において、短く正確に切断するために使用されます。テノンソー(ほぞノコギリ)の名前の由来は、小さい木材や複雑な形状の木材を切るときによく使われるからで、特に継ぎ目を作るときによく使われます。

    ノコギリの背金は、切断中に鋸の刃が反ったり曲がったりしないようにするためのものです。また、切り込みの深さも制限できます。これは、ほぞ穴とほぞの継ぎ目を切るときに不可欠であり、これがテノンソー(ほぞノコギリ)の名称の由来となっています。テノンソーは木目に沿って切る縦引きではなく、木目を断ち切る横引きに適しています。縦引きには縦引きノコギリやパネルソーが必要です。

    剪定ソーとは?

    その名が示すように、剪定用のハンドソーは伸びすぎた枝や丸太、小枝、その他の太くて粗い庭木や葉を素早く簡単に切ることを目的としています。中程度の長さの刃が特徴で、曲がっていることが多く、TPI数がかなり低いので、生木や低木の植え込みをより効果的に切ることができます。保管しやすいように、折りたたみ式の剪定ソーもあります。

    小型の直刃剪定ソーは、若い木や生木、樹液の多い木や枝を細く切るのに適しています。これらの剪定ソーは、TPI数がやや高く、通常7~8程度です。

    太い枝や古い枝、硬い枝には、歯の間隔が広い大型の曲線刃の剪定ソー(TPI数5~7)が適しています。この頑丈な設計により、直径約6~7センチまでの茂みや木の枝を素早く取り除くことができます。ストローク数は少なくて済みますが、切り口はあまり滑らかではありません。

    石膏ボードソー

    石膏ボードソーは、ジャブソーやドライウォールソーとも呼ばれ、壁や天井のパネルの穴や空洞を切断するために特別に設計されています。

    石膏ボードソーは、中程度の長さのかなり細い刃が先に向かって鋭くなっているのが特徴です。また、刃の広い部分にカーブしたハンドルが付いている製品が多くあります。全体的に引き回しノコギリと似ており、石膏ボードソーの方が刃が短いことを除けば、2つの特性は似ています。

    石膏ボードは通常、石膏、紙、場合によっては合板を組み合わせて作られています。石膏ボード切断用のドライウォールソーは、電気ソケットなどの金具や家電製品の周囲に大まかな切り込みを入れるのに適しています。先の細い刃は、パネルに穴を開けて貫通させ、切り込みを入れるのに便利だからです。

    石膏ボード用のノコギリはTPI数が比較的低いため、精密な作業にはあまり使用されません。かなりラフな仕上がりになるので、これは化粧板や仕上げパネルで隠します。また、刃の部分には柔軟性があるので、角度やカーブをつけた切断も容易です。乾式壁の細かい作業には安全ナイフ(別名:カッターナイフ、スタンレーナイフ)が使われます。

    ハンドソーの選び方のポイント

    それではハンドソーの選び方のポイントをご紹介します。

    刃の長さと形状

    まずは刃の長さや形状などを確認して、用途や目的にあったものを選びましょう。刃の長さは切断するものの大きさにあわせて選びますが、形状は切断物の硬さや面積などを考慮して適切なものを選ぶことが大切です。

    • スキップ刃:硬さのない素材を切断するのに適する
    • かき刃:面積が小さく硬い素材を切断するのに適する
    • プロファイル刃:複数の素材を一度に切断したいときに適する

    切断する素材の特徴から適切な刃の長さと形状を選んでください。

    持ち手の形状

    持ち手の形状は持ちやすさに影響を与えるので、ハンドソーを選ぶ際に必ず吟味したいポイントです。初心者の方なら「弦かけ型」や「ガングリップ型」を、細かな作業を行うなら「弦なし型」を選ぶことをおすすめします。持ちやすさは切断のしやすさにも影響を与えるので、持ち手の形状も意識しながら選びましょう。

    作業時の静音性

    作業をする環境によっては静音性もハンドソー選びのポイントとなります。基本的にハンドソーの作業音は小さいですが、静音性に配慮した製品も販売されています。もし夜間や室内での作業に使うのであれば、静音性の高い製品を選ぶことも大切です。

    ハンドソーの研ぎ方

    ハンドソーの研ぎ方についての質問はよくあります。酷使されたり、不適切な方法で長期間保管されたりしたノコギリは、元の性能よりもはるかに鈍く感じられることがあります。数回刃を引いたり押したりするだけでも違いは明らかに分かります。

    切れ味の悪いノコギリでは、切り始めに刃が食い込まず、線がきれいに出なかったり、厚手の材料を切り進むのに手間取ったりします。一方、切れ味の良いハンドソーは、刃筋が通っており、歯が常に鋭い状態を保っています。

    ハンドソーの研ぎ方は決して難しいものではありませんが、正しく安全に行うことが大切です。また、そもそも研ぐのに適していないものもあります。例えば、ハードポイントソーは、歯が処理されており、永久的に使えるものではありません。

    安価なハンドソーであれば、刃(あるいは道具全体)を交換した方が経済的な場合もあります。適切な修理を行うのにかかる時間やその他の材料を考慮するとなおさらです。また、研ぎ方が悪いと、工具を放置した場合と同じようなダメージを受けることがあります。

    • 縦引きノコギリの場合、1~2本の歯が他の歯よりもわずかに短くなったとしても(酷使した場合や不正確な研ぎ方をした場合)、ハンドソーの動作が完全にダメージを受けることはないでしょう。
    • 1~2本の歯が他の歯よりも長くなってしまった場合は、鋸を引いたときの不快な引っ掛かりや震えにすぐ気づくでしょう。
    • 横引きノコギリの場合、歯の「アサリ」(刃の中心線からの交互の角度)も、時間の経過とともに調整が必要になります。アサリが狭すぎると切断時に刃がくっつくことがあります。一方、アサリが広すぎると、切り口が緩んだり、ふらつきが起こります。

    とはいえ、良いハンドソーを購入して、ずっと道具箱に入れておきたいと思うこともあるでしょう。その場合、いつかは歯を研ぐ必要が出てきます。ノコギリを研ぐ技術があれば、長年にわたって使い続けてもよい切れ味を保つことができます。

    ハンドソーの歯の研ぎ方には、簡単な方法と複雑な方法があります。複雑な方法(特に上述の横引きノコギリの場合)では、鋸歯目立てなどの工具が必要になります。ここでは、縦引きノコギリの基本的な研ぎ方を紹介します。

    必要な工具

    • 鋸の刃を固定するための万力
    • 工具を保護するための万力台または木材
    • ミルヤスリ(平)とテーパーヤスリ(三角)

    これらのヤスリは、ヤスリセットによく含まれています。三角ヤスリは、ノコギリの歯の間に収まる大きさであれば使用できます。

    手順:

    1. まず、万力の中でできるだけ低い位置に刃をセットします。その際、歯を露出させておくと、やすりがけの際のぐらつきやたわみを最小限に抑えることができます。
    2. 次に、平ヤスリを使って歯を平らにします。ヤスリを歯の上部に水平に当て、刃と垂直にします。刃の全長に沿って左右に軽く均等な圧力をかけ、各歯の上に小さな平らな部分を作ります。光にかざすと、平らになった歯の部分が明るく輝いているのがわかります。
    3. 次はテーパーヤスリに切り替えます。2本の歯の間にヤスリを入れ、ノコギリの先端に向かって少し角度をつけ、削る歯の背に当てます。このとき、ヤスリは水平に持ち、刃に対して垂直になるようにします。刃の長さに沿って、すべての歯に対して同じ方向に2~3回軽く横に動かします。
    4. すべての歯の光沢のある平らな部分が尖って、すべての歯が同じ大きさになったら、正しく研がれたことになります。研いだばかりのノコギリを試してみて、必要であれば問題がなくなるまで少しずつ調整してください。

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