- 発行日 2023年2月6日
- 最終変更日 2024年5月28日
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シリコンシーラントについてのガイド
この記事では、シリコンシーラントの種類や用途について解説しています。

シリコンシーラントとは
シリコンシーラントは接着剤の一種であり、2つの表面間の接合部に水密または気密シーリングを形成するために多く使用されます。シリコンシーラントは、シリコングルーと呼ばれることもあります。シリコンシーラントや一般的なシーラント、接着剤を含む多くの製品に対して、コーキングまたはマスチックなどの一般的な用語がしばしば使われます。
シリコンシーラントは通常、塗布時には、液体のゲル状の粘度を持っています。そして、適切な温度および湿度条件下で一定時間乾燥すると、より頑丈なゴム状の質感へと硬化します。硬化したシリコンシーラント製品は、耐久性と柔軟性を兼ね備えた固形シリコンゴムの質感になります。 シーリング材を手で塗布する、独立型のスクイーズチューブに入った製品が多く販売されていますが、大型で丈夫なカートリッジ形式の製品も人気があります。後者は、シーラントガンや、ディスペンスシリンジなどの便利なアプリケーターに装着して使うのに適しており、より美しい仕上げができます。
この記事では、シリコンシーラントについて詳しく説明し、壁、タイル、窓、備品の周りに丈夫で防水性のあるシーリングができるシリコン製品の種類について紹介します。また、これらの製品をどのように、どこで使用するのが最適かについて説明し、異なる場所でのシリコンシーラントの塗布とメンテナンスに関するよくある質問に回答します。
シリコンシーラントの用途
上述したように、最も一般的なシリコンシーラントの用途は、2つの表面間または角の接合部に防水性と気密性を持つ結合部を作ることです。これは多くの場合、耐久性といくらか弾性のあるシーリングが必要とされる、使用頻度の高い場所ということになります。
シリコンシーリング材は優れた柔軟性と耐久性を兼ねそろえているので、他のシーリング材、接着剤、コーキング剤よりも多く使用されています。硬化すると、丈夫かつわずかに弾力性のあるシーリングが形成され、時間が経過してもその形状を非常によく保持し、極端に高い温度と低い温度の両方で比較的不活性な状態を維持します。
このような性質を持つシリコンは、使用頻度が高く、特に過酷な環境にさらされる場所で、丈夫で長持ちするシーリングや接合部を作るための理想的な素材であるといえます。乾燥したシリコンシーリングは、ゴムのような性質を持っているため、機械的な力や、湿気や温度変化による伸縮によって動くことのある表面間にクッション性を与えるのに適しています。
シリコンシーラントの用途は、大きく分けて4つに分類されます。住宅の補修やメンテナンス、建築物のシーリングや接着、工芸品やペット用品で使用されるガラスやプラスチックの接着(テラリウムやアクアリウムのシーリングを含む)、電子機器や家電、自動車などの幅広い製品の製造や生産用です。
シリコングルーを使用して、シーリングがよく行われる場所の代表例としては、以下のようなものが挙げられます。
プロやDIYの愛好家が、ポリウレタン系やアクリル系の接着剤やマスチックではなく、シリコンシーラントを選ぶ理由は、物理的な素材の特性以外にもたくさんあります。
まず、シリコンシーラントは硬化後の信頼性と安定性の点で優れています。また、使用方法も非常に簡単で、素早く簡単に塗布することができるため、最小限の労力で防水性のある接合部を形成することができます。硬化プロセスでは、液体ジェルが所定の位置に定着するのを待つだけで良いため、ユーザーはほとんど何もする必要がありません。
シリコンシーラントは耐候性に優れており、屋内外のさまざまな厳しい条件に耐える製品が揃っています。また、化学的な活性がなく、カビの発生を防ぐことができるほか、特別に配合された接着成分により、さまざまな表面や素材に簡単に接着することができます。
つまり、丈夫で信頼性が高く、長持ちするシリコンシーリングを形成することができ、良好な状態を長期間にわたって維持するためのメンテナンスはほとんど必要ないということです。
シリコンシーラントの使い方
シリコンシーラントをこれから使用する方、手塗りやコーキングガンで理想的なシリコンシーリングを作る方法を探している方に役立つ、便利なヒントやテクニックがいくつかあります。
まず、何よりも大切なのは、用途や設置環境に合わせて適切な製品を選ぶことです。
次に、シリコン製品を使って美しい接合部やビードを形成するためには、基本的な塗布方法をよく理解しておくことが大切です。正しく塗布することで、シーリング材の効果を最大限に発揮することができます。
シリコンシーラントの種類
シリコンシーラントには、ブラック、グレー、ホワイト、クリアなど、さまざまな色があります。一般的には、カートリッジまたはチューブに入っており、多くの場合、正確なビード塗布のためのノズルがあります。手で塗布する際に使用するスクイーズチューブや、コーキングガンで使用するための硬いチューブがあります。
シリコンシーラントは、一般的に中性硬化型と酸性硬化型(またはアセトキシ型)の2つに大別されます。後者は、施釉タイルやガラスのような非多孔性の表面には最適ですが、適していない素材に酸性のシリコンシーラントを使用すると、腐食や損傷を引き起こす可能性があるため、木材や傷つきやすいプラスチックや金属などには中性硬化型のシリコンを使用した方が良いでしょう。
高弾性シーラントは、硬化速度が速く、より硬くなる性質があり、硬化するとわずかに酢のような匂いがします。アセトキシシリコンシーラントは高弾性ですが、中性硬化型のシーラントは低弾性で、臭いもほとんどなく、硬化速度もやや遅いため、より柔軟で弾性のあるシーリングを形成することができます。
シリコンシーラント製品の大半は、多目的製品です。さまざまな用途で使用することができ、多くの表面材料を結合するのに適しています。衛生用シリコンシーラントは、カビやカビの発生に対してより高い耐性を持っているため、浴室などの湿った場所での使用に最適です。
コーキング剤やマスチック剤を購入する際には、製品が屋内・屋外用のシリコンシーラントであることが明示されているかどうかを確認することが重要です。また、製品の説明書に記載されている使用温度の範囲にも注意してください。
シリコンシーラントは硬化後、温暖な気候でも寒冷な気候でも優れた性能を発揮しますが、塗布作業中に過度の熱や寒さがあると、接着剤が接合部の周囲で均一かつきれいに硬化しないことがあります。これは、完全な防水性や気密性を維持する必要があるシーリングの場合、特に重要な注意点です。
マスチック、接着剤、コーキング剤の多くは、特定の使用状況に対応した化学組成を備えていると言われています。一般的な例としては、防水性シリコンシーラント、速乾性シリコンシーラント、高伸度タイプなどがあります。シーラントのパッケージやメーカーのガイドラインに記載されている、その他のラベルや特徴には、以下のようなものがあります。
- 柔軟性
- 防菌/防カビシリコン
- 高弾性
- 高強度
- 高温対応
- 低収縮
- 低弾性
- 低臭気
- 非腐食性
- 不燃性
- タックフリー
シリコンシーラントの塗り方
シリコンシーラントを塗るときには、次のような手順で塗っていきましょう。
- コーキングを丁寧に剥がす
- 剥がしたら清掃をする
- 塗りたくない部分にマスキングテープを貼る
- コーキング材をコーキングガンに入れる
- 目地にあわせコーキング材を塗っていく
- ヘラでコーキング材を均一にする
- マスキングテープを剥がす
- 乾燥させる
コーキングを剥がした後に清掃をすると、コーキング後がきれいに仕上がります。
乾燥させる時間は、8時間が目安。1時間ほどで、触ると硬いと感じられるようになり、8時間後には、水濡れに耐えられるようになります。ただし、まだ衝撃には弱い状態なので、コーキングを施した後24時間後には、完全に固まると考えてください。
シリコンシーラントをきれいに塗るためのコツ
きれいに塗るためには、丁寧さより素早さを重視することが最大のコツです。シリコンシーラントを塗る際には、手間取っていると乾燥してしまうので、空気を押し出すように、素早く充填するようにしましょう。
マスキングテープを貼っておけば、はみ出しても問題ありませんので、塗りたい部分だけ丁寧に塗るよりも、手順に従って、たっぷりと素早く塗ることをおすすめします。
人気ブランド
プロやDIY市場向けに高品質のシリコンシーラントを製造している、人気と信頼のあるブランドは以下の通りです。
- Ambersil
- ダウ・東レ
- ボスティック
- ロックタイト
- Electrolube
- Evo-Stik
- Geocel
- ヘンケル
- RS PRO
- ACC Silicones
よくある質問
シリコンシーラントは、使用後、どのように保管する必要がありますか?
シリコンシーラントやコーキング剤を使用した後は、チューブやカートリッジ内に残った製品に空気が触れないようにする必要があります。小さな塊を絞り出して、ノズルの開口部を塞ぎ、気密性を高めるといった方法もあります。その後、気密性の高いラップをノズル全体に巻きつけ、輪ゴムで固定します。永久に保存できるわけではありませんが、これで開封後の保存期間が飛躍的に延びます。
シリコンに発生した黒カビは、どのように除去することができますか?
ほとんどのシリコンシーリング材は、長期間にわたってカビの発生を防ぐことができますが、特に湿気の多い場所では、古いシリコンシーリング材に発生した黒カビを除去する必要が出てくるかもしれません。黒カビを除去する最も簡単な方法は、ティッシュやコットンに濃い家庭用漂白剤を染み込ませ、それを発生部に直接塗布して15〜20時間放置することです。
古いシリコンシーラントはどのようにして除去しますか?
古いコーキングやマスチックを除去する方法はいくつかありますが、最もシンプルで効果的、かつ手間がかからない方法は、専用の化学シーラントリムーバーを使用することです。この方法は、費用対効果が高く、短い時間で作業を終えることができます。ただし、シリコンを除去する効果があることが明記されている製品を選ぶようにしてください。
シーラントの乾燥時間はどのくらいですか?
シリコンシーラント製品は、その製品に含まれる材料や化合物によって、推奨される乾燥および硬化時間が異なります。また、施工場所の温度や湿度、シーラントを塗布する素材に残っている水分など(最近漆喰を塗った表面など)も必要な乾燥・硬化時間に大きく影響します。
一般的な目安として、ほとんどのシリコンベースのマスチックやコーキングは、1〜3時間程度でドライタッチになります。しかし、硬化したシーリング材を直接水に触れさせる前に、少なくとも10~12時間(可能なら24時間)待つことをお勧めします。丸1日経過すれば、一般的な環境では、ほとんどの高品質なシリコンシーラントは完全に硬化しています。