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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2023年11月7日
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    エポキシ樹脂に関するガイド

    エポキシ樹脂の使用方法や種類、一般的な塗布方法などを詳しく紹介します。

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    エポキシ樹脂とは?

    エポキシ樹脂は、ポリエポキシ樹脂とも呼ばれ、さまざまな用途や各種産業で使用されている接着剤の一種です。

    特に高い曲げ強度を持ち、家庭用、商業用のどちらにも適しています。2種類の液から成り、通常は樹脂と硬化剤を2:1~4:1の割合で混合して使用します。また、ポットライフ(可使時間)が長いという特徴があり、速いタイプではゲル化するまでの可使時間が約15分、通常~遅いタイプでは約100分とされています。

    エポキシ樹脂の特長には、強靭さ、強力な接着性、耐薬品性などが挙げられます。エポキシ樹脂は建設業や製造業など様々な分野で使用されています。また、光ファイバーや電気回路基板などの電子部品の製造にも使用されています。

    エポキシ樹脂の安全な使用方法

    エポキシ樹脂を使用する際には、さまざまな安全上の注意が必要です。 まず、樹脂や硬化剤の液体から手を保護するために手袋を着用する必要があります。皮膚や樹脂に触れても反応する可能性が極めて低いニトリル手袋をお勧めします。肌に触れた樹脂を取り除くには、ベビーワイプを使うとよいでしょう。残った樹脂は、石鹸と水で洗い流すことができます。角質除去剤は特に効果的です。 プラスチックエプロンを着用すると、こぼれた樹脂を簡単に取り除くことができます。また、目を保護するために安全ゴーグルを着用することをおすすめします。目に入った場合は水で15分間繰り返し洗い流し、こすらないようにしてください。早めに医師の診察を受けてください。 最後に、エポキシ樹脂を扱う際には、十分な換気を行うことが重要です。作業場の窓を開けたり、天井のファンを回したりするとよいでしょう。また、十分な換気ができない場合は、レスピレーターマスクを着用することもできます。

    エポキシ樹脂を使用する際に必要となるPPEの一部を以下に示します。

    エポキシ樹脂の種類は?

    エポキシ樹脂には、大きく分けてグリシジル系と非グリシジル系の2種類があります。グリシジル系樹脂は、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミンに分類されます。非グリシジル系は、脂肪族か脂環式です。グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、なかでも特にビスフェノール型とノボラック型のものが最も一般的に使用されます。

    ビスフェノール型エポキシ樹脂

    ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)は、市販のエポキシ樹脂の中でもよく使われる種類のものです。ビスフェノールAを塩基性触媒下でエピクロルヒドリンと接触させて反応させることで生成されます。最も分子量が小さいエポキシ樹脂です。

    脂肪族エポキシ樹脂

    このエポキシ樹脂は、二重結合のエポキシ化(脂環式エポキシ樹脂やエポキシ化植物油を含む)やエピクロロヒドリン(グリシジルエーテルやエステル)との反応の結果として製造されます。脂環式エポキシ樹脂は、分子内にオキシラン環を含む1つ以上の脂環があることが特徴です。脂肪族構造が明確で、オキシランの含有量が多く塩素が含まれていません。これにより、低粘度、良好な耐候性、低誘電率、高Tgを実現しています。

    ノボラック型エポキシ樹脂

    フェノールとメタノール(ホルムアルデヒド)が接触・反応して生成される樹脂です。エピクロロヒドリンとノボラックの反応により、エポキシフェノールノボラック(EPN)やエポキシクレゾールノボラック(ECN)などのグリシジル残基を持つノボラックが生成されます。このエポキシは、溶剤や揮発性有機化合物を含みません。揮発性有機化合物を含まないため、使用時の安全性が非常に高く、レスピレーターマスクが必要ありません。また、粘着力が比較的高いため広い用途に使えます。保護性や耐久性にも優れています。

    ハロゲン化エポキシ樹脂

    特殊な特性を持たせたエポキシ樹脂です。臭素系とフッ素系を混合して使用されます。難燃性を持たせたり、電気的用途に使用したりする場合は臭素化ビスフェノールAが適しています。しかし、このような樹脂はコストが高くTgが低いため、商業的な生産や使用は限られています。

    エポキシ樹脂希釈剤

    エポキシ樹脂希釈剤は、脂肪族アルコールやポリオールをグリシジル化して作られます。このプロセスの結果として生成される物質は、単官能(ドデカノールグリシジルエーテルなど)、2官能(ブタンジオールジグリシジルエーテル)、または多官能(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなど)のいずれかです。

    グリシジルアミン系エポキシ樹脂

    芳香族アミンとエピクロルヒドリンの接触反応により生成される、比較的高機能なエポキシ樹脂です。工業グレードでは、トリグリシジル-p-アミノフェノール(3官能)、N,N,N′,N′-テトラグリシジル-ビス-(4-アミノフェニル)メタン(4官能)などがあります。室温での粘度は低~中程度で、EPNやECNに比べて加工しやすいのが特徴です。

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    エポキシパテ

    エポキシパテとは、空間を充填する接着剤として使用される常温硬化性の物質の総称です。パテの組成は、メーカーや用途によって異なる場合があります。これらのパテは強力な接着剤として機能し、様々な材料を結合、固定、防水します。エポキシパテを塗布することで防水性が確保されます。

    エポキシ樹脂の硬化時間とプロセス

    未硬化のエポキシ樹脂は、機械的特性、化学的特性、耐熱性に劣ります。しかし、硬化させることによりこのような特性を変化させることができます。硬化とは、樹脂と適切な硬化剤を反応させて、架橋された熱硬化性構造を形成することです。エポキシペーストやパテの種類によって、必要な硬化時間には多少の違いがあります。重要な用途であればエポキシを冷やさず、ゆっくりと長時間かけて硬化させることが推奨されます。エポキシの準備と強力な結合の形成のため、最大72時間をみておく必要があります。高圧または高応力がかかる用途では、完全に硬化するまでの時間を確保しておかねばなりません。

    エポキシ樹脂の硬化には、それ自体との反応(ホモポリマー化)と、多官能硬化剤や硬化剤を含むコポリマーの形成があります。エポキシ樹脂硬化剤の種類には、アミン、酸、酸無水物、フェノール、アルコール、チオールなどがあります。反応性のレベルは、フェノール<無水物<芳香族アミン<シクロ脂肪族アミン<脂肪族アミン<チオールです。3級アミン、カルボン酸、アルコールなどの促進剤を少量添加することで、硬化反応の速度を上げることができます。

    エポキシ樹脂の用途と塗布方法

    エポキシ樹脂の用途は、コーティング、接着、炭素繊維やガラス繊維の強化材を用いた複合材料の形成など多岐にわたります。また、高い導電性を持つエポキシ銀ペーストなど、エポキシ樹脂の特性を変化させることも可能です。

    以下は、エポキシ樹脂の種類と用途品種を記載した表です。

    Epoxy Resin Uses and Application Methods Table

    エポキシ樹脂接着剤

    エポキシ樹脂接着剤は、ポリウレタン、アクリル、シアノアクリレートなどの化学的種類があり、構造用接着剤またはエンジニアリング接着剤に分類されます。航空機部品、ゴルフクラブ、スキー、スノーボードなどを効果的に結合するために使用されます。また、木、金属、ガラス、石などの素材を強力に接着することもできます。ただし177°C(350°F)を超える温度では接着力が低下します。

    エポキシ樹脂の工業用工具への応用

    エポキシ樹脂は、金型、親模型、積層板、鋳造品、固定具などのツールの強力な結合と製造に使用することができます。このようなプラスチック製の工具は、金属や木材などの素材の理想的な代替品です。これにより様々な産業プロセスにおいて、効率化やコスト削減、リードタイムの短縮を実現できます。

    電気用エポキシ樹脂

    エポキシ樹脂は、モーター、発電機、トランス、絶縁体、プリント配線板などの製造に使用されています。この樹脂は高い電気絶縁性を持ち、埃や水分の蓄積によるショートから部品を保護することができます。

    消費者向けエポキシ樹脂

    エポキシ樹脂は、その高い接着性から、一般消費者が家庭用品の修理やメンテナンスに使用することが多くあります。エポキシ樹脂は、ガラス、セラミック、陶器などの壊れやすいものを比較的短時間で効果的に固定することができます。また、木、金属、ラテックスなどの素材を使用した家庭用品の修理にも使用できます。

    アートワークやDIYのためのエポキシ樹脂

    エポキシ樹脂は、顔料と組み合わせることで様々な芸術的用途に使用することができます。レイヤーを重ねることで完成度の高い絵を作ることができます。また、ジュエリーのデコレーションや作品の表面のデコパージュなどにも使用されています。

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    エポキシ塗料と塗装

    エポキシ塗料は、別名エポキシフロアコーティングと呼ばれ、ガレージ、地下室、パティオの床を塗装するためによく使用されています。ストレートエポキシ塗料は、アクリル塗料と1液型のエポキシの混合物です。通常の塗料と同じように乾燥するアクリルエポキシ塗料を使えば色のバリエーションも作れます。この塗料はメタリックブルーやクリーム色など、魅力的な仕上がりになるものがあります。

    エポキシ塗料は、エポキシ樹脂とポリアミン硬化剤という異なる要素を持つ化合物から作られています。これらを混合すると、硬化過程で架橋を伴う化学反応が起こります。エポキシ塗料は、摩耗、乱流、腐食性流体、および極端な温度に対し高い耐性があります。

    エポキシ塗装のメリット

    • 耐久性
    • 無毒性
    • 耐候性
    • 耐衝撃性
    • 耐薬品性
    • 清潔でメンテナンスしやすい

    エポキシ樹脂は3Dプリンターでも活躍

    最近では、エポキシ樹脂は3Dプリンターの材料としても活用されています。熱硬化性がありガラスのような光沢を持つ仕上がりとなるエポキシ樹脂は、3Dプリンターの光造形に頻繁に用いられる素材です。ABSライクとPPライクのいずれも利用されますが、PPライクの方が強度が高く、ABS樹脂の代用としても利用できます。

    3Dプリンターで使用できる材料はABS樹脂、PLA樹脂、アクリル樹脂、金属、石膏パウダーなどさまざまですが、エポキシ樹脂は硬くなる速度が遅いため光造形機での利用がメインです。照射をやめても硬化が続くなど少々取り扱いが難しい面もありますが、耐熱性・耐薬品性・難燃性に優れており、電気絶縁性が高いという優れた性能を発揮します。また、表面がなめらかで透明処理を施せることから、簡易治療器具や形状確認のための試作品、展示用の模型を作る用途で活躍してする材料です。ただし、紫外線により劣化する特性も持つため、主な用途は屋内での使用となります。

    3Dプリンターの光造形においてエポキシ樹脂は、アクリル樹脂とともにメジャーな二大原料となっており、今後のエポキシ樹脂の3Dプリンターでの需要は高まっていくと考えられます。

    よくある質問

    エポキシ樹脂はどのように除去するのですか?

    エポキシ樹脂は、その高い接着力のため除去するのは簡単ではありません。しかし樹脂が固まっていない状態であれば、作業ははるかに簡単です。この場合は、ホワイトビネガーや変性アルコールを使って布で取り除くことができます。

    硬化したエポキシ樹脂の除去には、次のような方法があります。

    • こすったり削ったりして剥がしとる:樹脂が少量しか固まっていない場合は、このような方法で十分です。
    • アセトンの使用:木やコンクリートの表面からエポキシ樹脂を効果的に除去するには、アセトンを使用することができます。ただし、十分な換気を行い、アセトンを可燃物に近づけないようにする必要があります。
    • ヒートガンの使用:ヒートガンは、エポキシ樹脂を効果的に軟化させ、除去することができます。その後、プラスチックスクレーパーを使ってエポキシ樹脂を取り除きます。安全のために、厚手の作業用手袋、ゴーグル、マスクを着用してください。
    • 化学薬品の使用:プラスチックやガラスに固着したエポキシ樹脂は、化学薬品を使って効果的に除去することができます。薬品でエポキシを軟化させ、スクレーパーで除去します。特に頑固なエポキシを除去するには、シンナーを使用するとよいでしょう。

    エポキシ樹脂の着色はどのようにして行うのですか。最初に色を混ぜておくのですか。

    エポキシ樹脂は様々な色や色合いのものを購入することができますが、特定の材料を加えて自分でエポキシ樹脂を着色することもできます。それぞれの材料には長所と短所があります。

    エポキシ樹脂を着色するには、まずエポキシ樹脂と硬化剤を同量ずつミキシングカップに入れます。その後、泡がなくなるまで溶液を軽くかき混ぜます。次に、メーカーの指示に従って選択した着色剤を加えます。エポキシ樹脂液1オンスに対し、粉末状の着色剤を1グラム加えます。着色剤は、不透明になるまで混ぜる必要があります。混ぜ合わせた溶液を材料に塗布します。

    エポキシ樹脂の強度は?

    エポキシ樹脂の種類によって、強度には多少の差があります。強度には、せん断強度、圧縮強度、曲げ強度、剥離強度などがあります。エポキシ接着剤は、引張強度が最も大きく、1液加熱硬化型接着剤では、一般的に35~41N/mm2(5100~6000psi)の強度があります。

    エポキシ樹脂が付着しないものはありますか?

    エポキシ樹脂が付着しないものには以下があります。

    • ワックス
    • ポリエチレン樹脂
    • シリコン
    • 油分の多い表面
    • マスキングテープ

    エポキシ樹脂で覆われた表面はどのように研磨するのですか?

    エポキシ樹脂で仕上げられたものの、くすんだり傷がついたりした表面は最適な外観になるように研磨することができます。それには洗浄、サンディング、研磨剤の塗布といった基本的な作業が必要です。その後、石鹸ときれいな水を使って表面の洗浄と研磨を行います。傷の除去にはサンドペーパーを使用することができます。また、タオルで砂やほこりを取り除くこともできます。

    研磨作業は、樹脂の表面に研磨剤を塗布することから始めます。研磨剤は、最初にマイクロファイバーの布で小さな面積に塗布してください。その後、バフや研磨ツールを使って全体に塗布します。完成した樹脂の表面は、滑らかで光沢のある外観になっているはずです。

    木材へのエポキシ樹脂の使用方法は?

    木材の表面がきれいで乾燥していることを確認してから、塗布作業を開始してください。表面のきめが細かすぎる場合は、研磨する必要があるかもしれません。表面積の大きい木材の場合は、ムラを防ぐためにオービタルサンダーを使用するとよいでしょう。その後、きめが粗くなった表面を薄めていない混合エポキシ樹脂で覆う作業を行います。気泡の発生を防ぐために、エポキシは少しずつ流し込みましょう。ただし、気泡が発生した場合は、ピンなどの鋭利なもので取り除くことができます。最後に樹脂を覆い、十分な時間をかけて硬化させれば完成です。

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