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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2024年5月28日
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    ガッファーテープの種類・サイズ・用途について

    ガッファーテープの用途と選び方を目的別に紹介します。

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    ガッファーテープとは?

    ガッファーテープは、高品質の粘着テープです。綺麗にはがすことができる製品です。

    ガッファーテープがテープ製品の代表格として根強い人気を誇っているのには、いくつもの理由があります。高負荷な場面で極めて信頼性の高い性能を発揮する価値の高い粘着製品として、プロからホビーユーザーにまで幅広く支持されています。

    この記事では、他の一般的なテープと比較したときのガッファーテープの主な強みを詳しく説明します。また、使用に適した作業・環境や、作業内容に最適なガッファーテープの種類について記載しています。ガッファーテープをオンラインで購入する方法や場所についても詳しく説明します。

    ガッファーテープは何に使う?

    最も身近なガッファーテープの用途の一つは、ケーブルを壁や床に一時的に押さえつけて固定することです。配線に使用されるガッファーテープには、床や壁を這うケーブルを目立たなくすることと、つまずいたり引っかかったりする危険を最小限に抑えるという2つの目的があります。

    ガッファーテープはエンターテイメント業界での需要が高く、主に技術者の仕事に使われます。実際に映画クルーの間では「ガッファー」と呼ばれています。「ガッファーテープ」という名称が必ずしもそこから派生したものかどうかは定かではありませんが、この2つの言葉が密接に結びついていることは確かです。現在でも、このように固定されたケーブルは英語で「gaffed」や「gaffered」などと呼ばれています。

    そのため、映画やテレビのセット、音楽のステージ、リハーサルやパフォーマンスのスペースなど、電気ケーブルを一定時間しっかりと安全に固定し、後で取り外す必要がある環境では、ほぼ常にこの種のテープが使用されています。ブランドによっては、「劇場用ガッファーテープ」や「写真用ガッファーテープ」などと明記されているものもありますが、基本的には幅広い用途に使用できます(作業に適した幅、長さ、色などを選択することが条件です)。

    しかし、「ガッファーテープは何に使うのか」と聞かれれば、答えは「ケーブルを固定する」だけではありません。実際この万能テープは、あらゆる困難な状況下で、あらゆる種類のさまざまな用途に使用されています。他の仮接着剤にはない独自の長所を持つガッファーテープは、様々な用途や素材を短時間仮止めするのに理想的な製品です。

    ガッファーテープの種類

    ガッファーテープには様々な種類があり、それぞれの用途に最適なものを購入することができます。購入を検討しているものの、「どのガッファーテープを買えばよいのか」と悩んでいる方は、各タイプの詳細を知っておくとよいでしょう。

    ここでは、ガッファーテープの種類をご紹介します。

    Cloth Gaffer Tape

    布製ガッファーテープ

    ガッファーテープはほとんどが布製です。ダクトテープなどの工業用テープとは異なり、丈夫な布ベースがガッファーテープの基本です。「ガッファー布テープ」などと呼ばれることもありますが、一般的にはこのような製品はすべて、丈夫な布素材の片面に高品質の粘着剤が付いているものです。

    標準的なガッファーテープは、ほとんどの場合、布テープです。丈夫でしっかりとした布製のウェビングテープで、全体的な耐久性を高めるために様々な合成素材や化合物でコーティングされています。素材や製造工程の詳細については、このガイドの最後にある「よくある質問」をご覧ください。

    Matt Gaffer Tape

    マットガッファーテープ

    マットガッファーテープは、見られたくない見苦しいケーブルや配線を遠目からは見えにくくするのに最も効果的です。これが、映画や舞台などでマットタイプのガッファーテープが好まれる主な理由の一つとなっています。

    表面にくすんだ質感のコーティングを施したガッファーテープは光をあまり反射しないため、効果的に視界から隠すことができます。暗い環境では、近くの照明が光沢のある製品の表面に反射して目立ってしまう場合があるので、そのようなときはマットブラックのガッファーテープが特に有効です。

    Gloss Gaffer Tape

    グロスガッファーテープ

    ガッファーテープはマット仕上げのものが一般的ですが、光沢のあるガッファーテープもあります。これは逆の効果が必要な場合、つまり固定されたケーブルやその他の部品の正確な位置を知らせたい場合に使用される傾向があります。

    これは主に安全上の理由から使われます。特に、暗がりでの視認性の低下などから生じるリスクが美観上の利点を上回る場所で使用されます。このような場合には、はっきりとしたハイライト効果を得るため、反射テープや蛍光テープなどを使用します。

    Coloured Gaffer Tape

    カラーガッファーテープ

    カラーガッファーテープもまた、様々な理由で広く便利に使える製品です。特に、手軽に周囲になじませるために、特定の色のガッファーテープを選びたいという方も多いでしょう。例えば、木材のステージのケーブルを隠すには茶色のガッファーテープが適していますし、スポーツなどの屋外イベントでは緑や青、赤のガッファーテープが人気です。

    テープを色分けすると、複数の固定ケーブルや部品などを区別するのにも役立ちます。さらに、簡単に参照できる粘着ラベルや識別用のラベルとしても使用できます。色付きのものは白や黒のガッファーテープほどの人気はありませんが、銀、黄、緑、赤、茶などの色があります。淡い色であれば、ペンでテープに文字を書くことができます。

    また、特定の部品やワイヤーを素早く識別する必要がある場合には、透明なガッファーテープを使用するとよいでしょう。

    防水ガッファーテープ

    「ガッファーテープは防水ですか」という質問もよくありますが、その答えは必ずしも明確ではありません。ほとんどのガッファーテープは完全防水ではなく「耐水性」です。布をベースにしているため、雨や液体で濡れる場合や湿度が高い場合など、身近な環境にある水や湿気の影響を完全に受けないわけではありません。

    ガッファーテープの大半は、水分がある状態においても性能を高めるために様々な化合物でコーティングされていますが、水濡れを防ぐことを第一の目的とするのであれば、別の製品を選んだほうが良いでしょう。

    ガッファーテープの種類

    以下の表は、各種ガッファーテープの利点と主な用途を示しています。

    Different Types of Gaffer Tape table

    この記事の最後の章では、特定の用途に最適なガッファーテープを選ぶための「よくある質問」やヒントをご覧いただけます。

    正しいガッファーテープの選び方

    どのガッファーテープを購入すべきかは、使用する用途や環境によって異なります。簡単に言えば、ガッファーテープの選び方を知ることは、それを使って何をするかを知ることに他なりません。

    ここでは、ニーズに合った理想的なガッファーテープを選ぶために、いくつかのポイントをご紹介します。

    長さ

    代表的な長さは25m、50mのロール状のガッファーテープですが、使用する際に必要なサイズに合わせてカットするのも簡単です。

    ガッファーテープの大きなメリットは、高品質の粘着剤が硬化・乾燥しにくいことです。そのため、未使用のテープは適切な方法で保管しておけば、長期間にわたって使用することができます。

    さまざまな色が揃うガッファーテープを選ぶ際には、適切な色を選ぶこともポイントです。ピンクやイエローなどの蛍光色であればライブやコンサート中などの暗所でも視認性が良く、バミリ用のテープとして使うことができます。黒や白などのシンプルな色のテープは目立ちにくいため、カメラマンの位置把握など、裏方作業の方が使うと便利です。もちろん、使う人物や目的、用途によって色分けしても良いでしょう。ガッファーテープを選ぶ際には、目的と用途、視認性を考慮し最も適切な色を選ぶことが大切です。

    背面素材

    前述したように、ガッファーテープはほとんどが布地でできています。しかし、特定の作業や設置環境を想定して作られた製品の中には、ガッファーテープという名称でありながら、標準的な布製のものとは異なる素材を使用しているものもあるので注意が必要です。

    例えば、布製のガッファーテープとは異なり、薄くて柔軟性があり、かつ堅牢な金属シートを使用したホイルガッファーテープがあります。このタイプは、通常のガッファーテープよりもはるかに過酷な温度範囲での使用を想定しています。この種の製品は一般的なガッファーテープの例外ですが、特定の状況で必要とされる場合には便利です。

    ガッファーテープと他のテープとの比較

    ガッファーテープを一般的で頑丈な他のテープ製品と比較する場合、よく引き合いに出されるのはダクトテープです。この2つのテープは一見するとよく似ており、似たような環境での使用が考えられます。しかし、実際には全く異なる製品であり、それぞれの用途に応じた長所と短所があります。

    ガッファーテープとダクトテープの比較

    ダクトテープとガッファーテープの比較は非常に重要です。ダクトテープとガッファーテープの主な違いは、その構造と素材の構成にあります。

    ガッファーテープ

    • すでに述べたように、ガッファーテープは主に布をベースにしています。つまり、主な材料として丈夫でしっかりとした織りのメッシュ生地を使用しています。
    • ガッファーテープの種類によっては、このメッシュ生地に様々な化合物やコーティングが施されているものもあります。
    • さらに、ガッファーテープの多くには、高品質な合成ゴム製の粘着剤が使用されています。

    ダクトテープ

    • 対照的に、ダクトテープは一般的に安価であり、頑丈さは劣ります。
    • プラスチックやビニールをベースにしたダクトテープは、構造的な頑丈さよりも耐水性を優先しており、機械の圧力や高温にさらされた場合には、ガッファーテープほどの性能を発揮しません。
    • ダクトテープは高性能ではない、接着性の強い粘着剤を使用しています。ダクトテープはさまざまな材質の表面によく接着しますが、剥がすときに厄介な残留物が残り、表面を損傷することがあります。

    次回、誰かに「ガッファーテープってダクトテープのことですか?」と聞かれたら、その答えが「ノー」である理由を正確に伝えることができますね。

    以上のようにガッファーテープとダクトテープを比較すると、素材や丈夫さ、粘着力に違いがあることがわかります。素材に布を使用していることから耐久性が高く、合成ゴムの粘着剤が使われているガッファーテープに対し、ダクトテープはビニールやプラスチックなど安価な素材で作られることが多く、耐久性よりも耐水性を重視していることが特徴です。また、ダクトテープは剥がした後に粘着剤が残ることもあるので、接着を剥がす予定のない部位に対しての使用をおすすめします。

    ガッファーテープとダクトテープのどちらを選ぶか迷ったときには、構造や素材の構成の違いを比較して、どちらが目的にあっているか考えてから選ぶようにしてください。

    よくある質問

    ガッファーテープは剥がし跡が残りますか?

    ガッファーテープはその構造上、ダクトテープに比べるとほとんど剥がし跡が残りません。布をベースに、高品質で接着力の低い粘着剤を使用しているため、通常はどんな表面に対しても影響が少なく、熱が当たっても過剰に接着しません。また、素材だけでなく剥がした後に粘着剤が残らないことも、ダクトテープとの大きな違いとして挙げられます。

    ガッファーテープは布やカーペットに貼れますか?

    はい。他のテープと同様に、ガッファーテープは硬い表面よりも布地の方が剥がれやすいため、過酷な用途や重要な用途には適していません。しかし、カーペット、ラグ、タオル、布マット、毛皮などの繊維質の表面にはしっかりと接着しますので、数本のケーブルをしばらくの間固定したい場合などには良い選択肢です。また、上述の通り、ガッファーテープは、布地から剥がす際に面倒な剥がし跡が残りません。ただし、繊細な繊維は剥がす際に抜け落ちてしまうことがありますのでご注意ください。

    ガッファーテープはレンガにも貼れますか?

    はい。コーティングされていない天然のレンガに使用する場合は、まず表面のほこりや汚れをできる限り取り除いてから貼ると、全体的にきれいに仕上がります。塗装されたレンガには、ガッファーテープはしっかりと接着できます。

    ガッファーテープは絶縁テープですか?

    いいえ。ガッファーテープは主にケーブルや配線を固定するために使用されますが、絶縁にはあまり向いていません。絶縁は、一般的にプラスチックベース(多くはビニール)の絶縁テープの重要な役目です。布製のガッファーテープは、状況によっては電気を通す可能性があるため裸の電線を巻いたり、コーティングしたり、絶縁・保護するのには適していません。

    ガッファーテープは熱に強いですか?

    ガッファーテープは布で作られているため、このカテゴリーの製品としては比較的耐熱性があります(ダクトテープなどのプラスチックベースの代替品よりも耐熱性があります)。しかし、ガッファーテープであっても、かなり限られた温度範囲でしか使用できません。広く出回っているテープ製品には、完全な耐熱性を持つものはほとんどありません。極端な温度から保護することが主な目的であれば、どんなものであれ粘着テープは適していません。

    ガッファーテープはどのように作られるのですか?

    他のテープと同様、ガッファーテープも工場の非常に大きなロールから作られています。まず、厚手の布地にさまざまな強化剤を塗布したベース材を1本の大きなロールから巻き出し、片面に熱した接着剤(不要な硬化を防ぐための溶剤も含む)を塗布する機械に通します。こうしてガッファーテープの粘着面ができあがると、再び1本の大きなリールに巻き戻され、さらに機械で様々な標準小売幅のロールに切り分けられます。

    ガッファーテープの寿命はどのくらいですか?

    粘着テープは、長期間使用すると粘着力が低下します。これは、テープの片面に使用されている接着剤や溶剤が、空気や紫外線(日光)に長時間さらされると、やがて蒸発したり硬化したりするためです。しかし、ガッファーテープは同種の他の多くの製品よりもはるかに長い間粘着性を維持することができます。外線(日光)に長時間さらされると、やがて蒸発したり硬化したりするためです。しかし、ガッファーテープは同種の他の多くの製品よりもはるかに長い間、粘着性を維持することができます。

    環境的・物理的要因によって、ガッファーテープが良好で丈夫な状態を保つ期間は変わります。最も重要なのは、テープが貼られた後にかかる繰り返しの機械的圧力と、テープがさらされる環境(熱、湿気、埃や汚れの侵入など)です。全体的に見て、ガッファーテープは他の仮接着製品と比較して非常に長持ちします。

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