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      • 発行日 2023年2月17日
      • 最終変更日 2024年5月28日
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    防音材についてのガイド

    この記事では、防音材の種類や使用方法を紹介しています。

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    防音を目的とする資材にはさまざまな種類があります。どの程度騒音を低減させたいのか、あるいはシャットアウトしたいのかによって、適切な資材は異なります。防音材は、室内の音質を改善する目的や、隣接する部屋やエリアへの音漏れを低減する目的で設置されるのが一般的です。防音材には、発泡シートや遮音材などがあります。

    防音とは何か、またその仕組みとは

    防音とは、音源と耳との関係において、音圧を低減する方法です。吸音、遮音、音響絶縁などと呼ばれることもあります。防音材を設置することで、デシベル(dB)値の低減や吸音が可能になります。防音材にはさまざまな種類があり、それぞれに適した用途があります。自分がいる場所とは別の空間、部屋、建物内で発生する音のレベルを最小限に抑えたい場合には、防音製品の使用をおすすめします。

    防音は、反響音、共鳴音、残響音などの好ましくない間接音を抑制する効果的な手段です。また、自然と耳に入ってきて耳障りになるような、不快な間接音波の伝達を抑えるためにも使用できます。

    防音対策は、住宅と施設、どちらにも行うことができます。防音の目的は外部からの音の侵入を低減するか、完全にシャットアウトすることです。住宅の防音は、窓やドアなどの既存の構造物に焦点を当てて行われるのが一般的です。そのため、一般的な防音対策としては、カーテンや二重窓の設置などが挙げられます。また、防音効果を高めるために外窓を設置する場合もあります。

    同様に、レストラン、学校、オフィスビルなどの施設でも、防音対策を行うことで、スタッフやお客様に少しでも快適に過ごしてもらうことができます。オープンプランのオフィスでは、騒音を最小限に抑え、従業員の生産性を向上させるために、防音技術を設計に取り入れることが一般的になっています。このような技術は、内密な協議などが定期的に行われる場所などにも導入されることがあります。

    防音材は、以下のような仕組みで音を低減します。

    • 構造物に質量をもたせることで空気伝播音を遮断し、音のエネルギーを反射させたり、熱に変換したりする
    • 構造物間の衝撃音を分離または減衰し、音の振動・エネルギーの広がりを最小化する
    • 音を吸収して空間の中で反響するのを防ぐ

    防音材とは何か

    先に述べたように、防音材にはさまざまな種類があり、それぞれに適した用途があります。どの程度騒音を抑えたいのかによって、最適な資材は異なります。騒音の大きさは通常デシベル(dB)という単位で示されます。また、防音材はその最も弱い値が全体の強度となるとなります。

    一般的に、デシベル(dB)値は、騒音が既存の材料とそこに設置した防音材を通して伝わった際に、どの程度低減されているかということを示します。防音材を設置することで、さまざまな環境下での騒音を効果的に抑えることができます。

    防音材の種類

    防音材は次の4つの種類に分けられます。 ①吸音材 「吸音材」とは、大気に伝わる音の振動を減らす防音材です。音によって生じる振動をエネルギーに変換して音を減らし、反響音を減らしたり、残響時間を短くしたりするために役立ちます。

    ②遮音材 「遮音材」とは、大気に伝わる音を遮る作用を持つ防音材のこと。密に作られた素材を使って、音を遮断して跳ね返す仕組みになっています。素材によって、その遮音性能は異なりますが、密度が高く、質量のある素材ほど性能が高くなると言われる防音材です。

    ③防振材 「防振材」とは、大気に音の振動が伝わらないようにする防音材のことです。防音材と違い、音によって生じる振動を、素材の力により吸収し、音と一緒に振動を抑えます。また、防振材は音によって生じる振動だけではなく、機器の差動による振動も防げるという特徴を持つ防音材です。

    ④制振材 「制振材」は、共振を減らすことを目的として使われます。防振材と同じように、音の振動が伝わらないようにするための防音材ですが、防振材が振動を遮断するのに対し、制振材は揺れを抑止して、音と一緒に共振を減らすのを目的とする点に違いがあります。

    以下は、各種防音材を紹介した表です。

    Soundproofing Materials

    防音フォーム

    ソフトで軽量な防音フォームを使うと、自然音の音波を吸収し、硬い表面(壁や天井など)への接触により発生する音を抑えることができます。これは音のエネルギーを熱に変換し、室内に広がる音波を最小限に抑えることで実現します。防音フォームは、特に音楽スタジオでの音質向上を目的として設置されることもあります。フォームの厚みと密度は、音の透過性に直接影響します。

    Soundproofing foam

    防音フォームパネル・タイル

    部屋の中で音を効果的に吸収するためには、硬い表面を柔らかくすることが不可欠です。フォームパネルを設置したり、面積が広い部分(床や天井)に専用のタイルを貼ったりすることで、この効果が得られます。フォームパネルは通常、音の広がりを防ぐために部屋と部屋を分離する壁に取り付けられます。防音フォームタイルは、仕様に合わせてカットすることも可能です。

    防音パネル

    防音パネルは、レストランやオフィス、その他の商業空間における防音・消音に適しています。このパネルは、高密度の音響石膏ボードで作られており、部屋間の音の伝達を効果的に防ぐことができます。目的に応じて、布貼りパネル、パンチングウッドパネル、耐水パネルなどのオプションがあります。防音パネルは、音波の吸収、音声の明瞭化、室内空間における残響の抑制など、さまざまな目的に利用できます。家庭用と商業用、どちらにも適しています。

    Soundproofing Sheet

    防音シート

    防音シートは、様々な充填材とシートがセットになって販売されています。それぞれの素材は、吸音性と遮音性に優れ、埃や湿気の侵入を防ぐこともできます。また、一部のシートは裏面が接着式になっており、機械や装置にしっかりと取り付けることができます。

    壁の防音方法

    一般的に防音対策が必要とされる壁は、大きく分けて2種類あります。1つ目のタイプは、レンガやブロックでできた標準的な一枚壁です。もう1つのタイプは内部スタッド壁で、通常は木材フレームと石膏ボードの遮音材でできています。通常、スタッド壁を使用した建物には、より高いレベルの防音が求められます。隣接する場所からの騒音に対して防音パネルを取り付けたり、防音壁を作ったりすることが一般的です。これは寝室の防音にも効果的です。

    スタッド壁の防音対策では、まず、隙間やウィークポイントがないかどうかをチェックすることが重要です。このような部分に防音用シーリング材を充填することで、防音効果を高めることができます。その後、壁に質量をもたせ、木材の間に遮音材を追加するというプロセスが続きます。異なる周波数の騒音を抑制するために、複数の資材を組み合わせて使用することをお勧めします。

    壁に防音対策を施す

    高いレベルの防音効果を実現するには、外部構造とは別に、部屋の中に部屋を作る必要があります。これは音響デカップリングとも呼ばれています。これには固体材料間や空気中に伝わる振動を除去することが必要となります。ただし、安全性を考慮して、換気を適切に行い、ガスヒーターの使用を避けることが重要です。

    その他の壁の防音対策には、薄いサウンドパネルを設置する方法や、完全な防音壁システムを設置する方法があります。防音パネルを利用すれば、室内のスペースを犠牲にすることなく、効果的に騒音を抑えることができます。ただし、高い防音効果を必要とする場合には、複数の資材を組み合わせて使用します。遮音性を高め、残響を抑制するには、高密度の遮音スラブがあります。また、既存のスタッド壁の奥行きに合わせて、さまざまな厚さや遮音効果のスタッド壁を取り付けることもできます。

    部屋の防音方法

    部屋全体の防音をしたいとお考えの方には、さまざまな理由があることでしょう。何にも邪魔されず完全に集中できる、独立したクリエイティブな空間を作りたいのかもしれません。または、ホームエンターテイメントの空間を作ろうとしているのかもしれません。そういった場合は音を完全に閉じ込める必要があります。どのような場合でも、さまざまな防音対策を検討することができます。

    部屋の防音対策は、まず、音の発生源を特定することから始める必要があります。これにより適切な防音材を選択できます。また、騒音の種類や大きさも考慮する必要があります。上記で説明したように、一枚壁とスタッド壁では適した防音材が異なります。

    防音施工の最初のステップは、壁に質量をもたせることです。その際、再生コットン材や防音システムを追加する場合もあります。部屋の中で次に防音すべき場所は天井です。防音材は、施工の過程で天井根太の間に取り付けられる場合があります。または、既存の天井の防音システムの間に遮音パネルを取り付けることもできます。

    理想的なのは、上から床を防音できることです。遮音性の高い床材を設置することで、床の上を人が歩いたり、家具を動かしたりする際に発生する騒音を効果的に抑えることができます。防音浮き床を設置することで、より高い防音効果を得ることができます。

    住宅用建物の遮音性能

    下の表は、住宅用建物の基本的な遮音性能を示しています。 DnTwは建物に使われている建築部材が空気伝播音を遮断する能力を表します。これは、間仕切り、天井の空洞、外壁など、音を伝達するすべての物理的な経路に影響します。一方、Rwは重み付き音響透過損失(デシベル値で測定)で、建物の特定の部材が空気伝播音を遮断する能力を表します。LnTwは衝撃音遮断、Ctrは補正係数を表します。

    Noise Laws and Regulations

    新築、改築、および代替利用が予定されている建物は、表に記載された値に基づいてテストが行われます。この値を超えた場合は、改善作業と再試験が必要となります。

    この規則では、床の根太の間に何らかの遮音材を設置する必要があると定められています。遮音材を設置することで、質量が増し、空気中の音を最小限に抑えることができます。また、天井には2層の防音石膏ボードを貼る必要があります。遮音下敷きマットは、下張りが済んでいる床の防音に十分な効果を発揮します。防音基準に適合させるために、遮音下地を追加することもあります。

    騒音の種類

    防音材で抑えることができる騒音の種類は主に3つあります。

    Soundproofing Foam

    空気伝播音

    空気伝播音とは、簡単に言えば空気中を伝わる騒音のことです。テレビや犬の鳴き声など、あらゆるものから発生する可能性があります。空気伝播音と固体伝搬音は、一方が他方を引き起こすというように、しばしば関連しています。空気伝播音を効果的に抑えるためには、遮蔽物や遮音材を設置する必要があります。このような資材は、密度と厚さがその防音効果に直接影響します。

    Soundproofing Sheet

    衝撃音

    衝撃音は、異なる資材同士が強く接することで発生します。例えば、壁に釘を打つときには高音の衝撃音が生じます。このような音は、資材と資材の間に遮蔽物を設置することで、最小限に抑えることができます。他に、浮き床や遮音天井のシステムを導入することもできます。

    Soundproofing Foam

    固体伝搬音

    固体伝搬音とは、建物の構造体を介して伝わる音のことです。隣接する振動面を伝わって生じる音の結果として起こります。わかりやすい例としては、床を歩く時に下の部屋に聞こえる足音などです。先に述べたように、固体伝搬音は空気伝播音を引き起こす可能性があり、その逆もあります。

    Soundproofing Foam

    側路伝搬騒音

    マンションでは、建物の建材を通して音が伝わってくる側路伝搬騒音がよく聞かれます。衝撃音から起こる場合が一般的で、室内の壁を伝って広がります。壁が軽量な素材で作られている場合は特に問題となります。昨今のマンションは、このような理由から高密度のブロックで建造されるのが一般的です。側路伝搬騒音を効果的に抑えるため、少なくとも7キロニュートンの密度を持つブロックを使用する必要があります。

    音の測定方法

    知覚される音量と実際の音量は、さまざまな要因に影響を受ける可能性があります。暴露時間、周波数(ピッチ)、環境などが影響する場合もあります。音の強さ(音響パワー、音圧などともいう)は、デシベル(dB)で測定されます。音は対数で測定されますが、聞いたときに感じる身体的感覚と関係していることを知っておいてください。音量が徐々に増加していくと、音の強さと知覚される音量が大幅に増加します。

    音量は、A特性音圧レベル(dBA)で測定されることもあります。この測定の結果は、音量が聴覚の健康に与える影響と密接に関わっています。具体的には、音の強さと人間の耳への影響の関りです。dBAレベルのわずかな上昇が、聴力に大きな影響を与えます。 以下の暴露時間で、聴覚障害のリスクが高くなります。

    • 85dBAで、8時間以上
    • 100dBAで、14分間以上
    • 110dBAで、2分以上

    音の周波数は、1秒間の音の振動数で測定されます。耳の健康状態が良好な人は、20ヘルツから20,000ヘルツの周波数の音を聞くことができます。音量をdBやdBAで測定するために利用できる電子機器には、さまざまな種類があります。

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