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      • 発行日 2023年2月17日
      • 最終変更日 2024年2月21日
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    六角穴付きネジについてのガイド

    この記事では、六角穴付きネジの種類、材料、設計について説明します。また、特定の用途や取り付け要件に対して使用できる最適な六角穴付き止めネジについても紹介しています。

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    六角穴付きネジとは

    六角穴付きネジは、従来のネジの形を変え、頭部の内側に六角形の穴を組み込んで設計・製造されています。そのため、従来のドライバーの代わりに六角棒スパナで締めたり緩めたりできます。

    これは、従来の十字ネジ、汎用マイナスネジ・皿ネジ、最近一般的になってきている星型ネジなど、他の身近なネジ頭のネジとは異なる、六角穴付きネジの大きな特徴です。

    もう1つの違いに、六角穴付きネジの先端は通常フラットであることが挙げられます。これは一般に六角穴付き皿ネジと呼ばれ、広く使用されています。ただし、この記事で詳しく説明するように、コーンポイント、カップポイント、ドッグポイントなど、六角穴付きネジにはさまざまな種類があります。

    日常的な用途においては、一般的なサイズ、形状、仕上げなどの細かな点で六角穴付きネジと通常のネジの間に物理的な違いはありません。では、六角穴付きネジのメリットはそもそも何で、どのようなときに使用すればいいのでしょうか。

    簡単に言うと、六角穴付きネジは、六角ネジの高機能性(ナットとボルトのシステム)と標準的なネジセットの利便性を効果的に組み合わせて設計されたものです。2種類のネジの中間をとったこの設計は、外から六角ヘッドを固定するための十分なスペースがない場合や、固定しづらいスペースで作業する場合など、ボルトと比較した場合に多くの状況で有効活用できます。

    六角穴付きネジのメリット

    六角穴付きネジは、通常のネジよりも高いトルクと軸力を得られるため、一般的な使用時に好ましいです。通常のネジやボルトと比較すると、六角穴付きネジには、以下のような長所があります。

    • 六角穴付きネジの軸力は、標準ネジや他の多くの小型締め具よりも大きいため、特定の用途においては、より少ない本数で、結合部やワークピース全体に同じ締め付け力を実現できます。
    • 使用するネジの数が少ないということは、次のことを意味します。

       -金物類コストの削減

       -取り付け面や合わせ面に開ける穴が少なくて済むため、時間が節約でき、部品への損傷も軽減できる

       -完成品の総重量の軽減

    • 六角穴付きネジは他の多くのネジや固定部品よりも個々のサイズが小さいため、特にナットとボルトによる固定と比較すると、軽量化の傾向がさらに高まります。特に、六角穴付きネジの円筒形の頭部と内側の穴の直径は、ネジ頭全体が六角である六角ネジに比べはるかに小さいため、取り付けに必要なスペースが少なくて済みます(レンチを操作するための追加のスペースは必要ありません)。

    六角穴付ボルト(キャップボルト)とは

    「キャップボルト」とは、従来は、ナットとボルトによる固定が不適切である場合に使われる各種ネジを指す総称でしたが、今日では、特定の形のネジ頭を具体的に指す傾向があります。

    肩付きネジや皿ネジからボタンネジや平ネジなど、さまざまな種類のネジがキャップボルトの頭として設計されていますが、どれも「キャップボルト」と呼ばれています。六角穴付きボルトは、一般にソケットキャップネジ、アレンボルト、または単にソケットネジとも呼ばれます(ソケットネジの「標準」バージョンです)。

    六角穴付ボルトは、自動車、家具製造、工作機械、鉄鋼など、あらゆる種類の工業生産および組立ラインで非常に広く使用されています。取り付けや締め付け・緩めが簡単なだけでなく、目立たずきれいな仕上がりを維持しながら、優れた締め付け力を提供できるからです。

    六角穴付きネジと同様、六角穴付きボルトには円筒形の頭部の内側に六角形の穴があり、ほとんどの場合柄の全長に渡ってネジが切られています。また、ほぼすべての六角穴付きネジと同様、組み立て時に従来のナットとボルトを取り付けるための十分なスペースがない場合や、標準的なソケットレンチで作業できない場合における使用を目的としています。

    六角穴付きネジのサイズ

    平均的な六角穴付きボルトの頭部の直径はネジの柄の約1.5倍で、高さは柄の幅とほぼ同じです。ただし、六角穴付きボルトの頭部には、皿穴やその他の用途に応じた取り付け位置に締めることを目的とした、ローヘッド、ボタンヘッド、フラットヘッドなどの種類があります。

    六角穴付きネジを購入する際には、製品に記載されている長さは、頭のすぐ下から先端までの長さであることに注意してください。(これはほとんどの種類のネジに当てはまりますが、つまみネジなど一部の特殊なネジでは、頭の長さを含む全体の長さの測定値が仕様に記載されています。)

    メーカーやサプライヤーによりますが、六角穴付きネジの長さと直径はメートル法または帝国単位(あるいはその両方)での記載が一般的です。主要メーカーの多くは、購入時に参照できる六角穴付きネジサイズ表または同様のツールをサプライヤーに提供しています。

    比較的小さいサイズの六角穴付きネジ(直径M2.5からM6、長さ約3mmから20mm)が、幅広い作業や用途で需要が高い傾向がありますが、利用可能なサイズは多岐にわたります。大きくて重いものや非常に長いもの(特に幅M8からM20、最長130mm)も珍しくありません。

    特に、電気プラグのソケットには、非常に長い六角穴付きネジがよく使用されます。一般的な電気ソケットのネジのサイズは40mm50mm60mm75mm100mmです。

    六角穴付きネジの素材

    六角穴付きネジの製造には、一般的な鋼やステンレス鋼だけでなく、真ちゅう、アルミニウム、黒ニッケルまたは亜鉛メッキ、さらにはクロムなど、さまざまな材料が使用されています。どの素材を選ぶかは、ネジが使用される特用途によって決まります。

    アルミニウム製六角穴付きネジ

    アルミニウム製の六角穴付きボルトは、重量が重要視される場合によく使用されます。自動車産業から、可動家具、キャビネット、ドア、窓などに金具やトリムを取り付ける家庭用まで、あらゆる用途に使用されています。

    アルミニウムは重量が鋼の約3分の1であるにもかかわらず耐久性に優れているものの、鋼の耐久性に比べると劣っており、特にせん断強度が低くなる傾向があります。アルミニウムは、厳しい環境下での耐食性という点では十分な性能を発揮しますが、ステンレス鋼よりも耐久性に劣ります。

    アルミニウム製の六角穴付きネジは、台所用品や食品の調理・生産ラインでの使用には不適切であると見なされています。アルミニウムは不適切な条件下で特定の食品の風味や外観に影響を与えるため、ステンレス鋼が好まれます。

    その他の六角穴付きネジの素材については、以下で詳しく説明します。

    亜鉛/ニッケルめっき鋼製の六角穴付きネジ

    亜鉛/ニッケルめっき鋼製の六角穴付きネジ

    鋼製六角穴付きボルトのセットの多くに亜鉛、ニッケル、亜鉛ニッケルメッキの各オプションがある主な理由は、メッキというシンプルな工程によって、あらゆる種類のネジに優れた耐食性(耐錆性)を持たせられるからです。 亜鉛ニッケル合金メッキは一般に、標準的な亜鉛メッキより強靭(最大2倍の硬度)であり、また、他の金属の最大4倍の耐食性を備えています。ただし、通常はかなり高価であり、標準的な亜鉛メッキ鋼製六角穴付きネジで十分な場合は、特に費用効果の高いオプションとはいえません。

    亜鉛ニッケルメッキ六角穴付きネジの一般的な産業用途には、以下が挙げられます。

    -軍事および航空宇宙建設

    -船舶・自動車分野での締結具

    真ちゅう製六角穴付きネジ

    真ちゅう製六角穴付きネジ

    真ちゅう製の六角穴付きネジは、外観の美しさのために選ばれることがよくあります。しかし、銅と亜鉛の合金である真ちゅう製(または先端が真ちゅう製)の六角穴付きネジには、状況によっては他の利点もあります。真ちゅうは銅よりも強度に勝りますが、大多数の鋼やステンレス鋼の六角穴付きネジに比べると、剛性はかなり低くなります。 ただし、真ちゅうめっきは完全に真ちゅう製の六角穴付きネジよりも耐食性が劣るため、露出の多い場所で使用する製品を選ぶ場合は、その点をよく理解しておく必要があります。

    適切な用途:

    -屋外での使用

    黒ニッケル製六角穴付きネジ

    黒ニッケル製六角穴付きネジは、コーティングにより光沢があるネジです。中央には六角形のネジ穴がついており、黒色のニッケルによるメッキコーティングの上から、さらにニスによるクリアコーティングが施されています。 黒色で、光沢感と高級感のある強い輝きを放つことが特徴です。コーティングによりサビにくいというメリットを持つことと、耐食性と外観の良さが魅力的で、六角穴付きネジについて知っておくべきすべてのこととしては、RoHS指令にも対応していることがポイントです。コーティングによる光沢感があることと、変色に強いことから、長期間に渡る使用に適しているでしょう。

    クロム製六角穴付きネジ

    クロムのメッキを施した、中央に六角形の穴が空いているタイプのネジです。下地はニッケルメッキですが、その上からクロムによるメッキを施しています。硬いため耐食性と耐摩耗性が高く、重厚な光沢感があることが特徴です。変色にも強いので、長期間に渡る使用に最適です。 ただし、サビを予防する力はニッケルのほうが高いとされています。色味はシルバーですが、黒色のクロムをコーティングしているタイプもありますが、六価クロムはRoHSにより規制されているので、黒ニッケル製六角穴付きネジを使用されることをおすすめします。

    六角穴付きネジの種類

    六角穴付きネジは、材料だけでなく、その種類もさまざまです。

    六角穴付きボタンネジ

    六角穴付きボタンネジ

    ボタンヘッドの六角穴付きボルトは、ナベまたはドームヘッドソケットネジとしても知られています。名前が示すように、これらは、頭部の先端に滑らかでわずかに丸みを帯びたドームまたは「ボタン」を付けて製造されています。標準的なタイプのボルトよりもやや大きく、球状になる傾向があります。 六角穴付きボタンネジは寸法が大きな六角レンチやドライバーに対応できるため、より大きなトルクで固定し、より大きな締め付け力を実現できます。ただし、小さいサイズの六角穴付きボタンネジは、より小さなトルクで固定する必要があります。六角穴付きボタンネジは、いたずら防止用のドライブが付属することもあります。

    六角穴付きボタンネジの主なメリットは次のとおりです。

    • 頭部が滑らかなドーム型で突出部や鋭角がないため、他の物体や材料が損傷したり、周りの人が怪我したりすることがありません。
    • 軽作業に最適です。
    六角穴付き皿ネジ

    六角穴付き皿ネジ

    六角穴付き皿ネジはフラットまたはフラットヘッドソケットネジとも呼ばれ、取り付けられたネジがワークピースの表面と同じ高さ(またはそのすぐ下)にあることが重要な場合に使用されます。 皿ネジの肩は傾斜(通常は約82度)して設計されており、事前に開けられた皿穴を介して表面に固定できます。皿ネジもまた、長さと幅が豊富で、帝国法とメートル法の両方のサイズで広く入手できます。

    適切な用途:

    • 美しさが最優先される家具製造および室内装飾
    • 頭部が突き出ていることが安全上の懸念となる可能性がある状況

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