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      • 発行日 2023年2月17日
      • 最終変更日 2023年11月8日
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    ツイストドリルビットについて

    この記事では、ツイストドリルビットとは何かや、その使用法、プロジェクトの要件に合った製品の選び方について説明します。

    ツイストドリルビットとは

    ツイストドリルビットとは、専門職用でない一般的な穴あけ加工用工具を思い浮かべた際、おそらく誰もがイメージする定番のドリル刃です。よって全体区分としてのツイスト ドリルビットはごく広範囲にわたる切削工具、アドオンやアクセサリをアドオンやアクセサリを含みます。

    しかし、ツイストドリルビットにはいくつかのタイプがあるとはいえ、基本設計は類似しています。ツイストビットと他のあらゆるドリルビットとの主な相違点は形です。ツイストビットは、そのねじれ溝、もしくは旋回溝の形状によって簡単に見分けることができます。

    ツイストビットは、現在製造されているドリル工具のなかで、最も大量に生産され、一般的に広く利用されています。コードレス・有線を問わず、電気ドリルやドリルドライバーを所有するプロや趣味ユーザーであれば、ツイストビットを所有しているでしょう。

    前述したように、材料や使用用途に合わせ様々な種類のツイストドリルビットが存在するとはいえ、このタイプのすべてのビットには共通する特徴があります。シリンダー状のシャフト周りのねじれ溝のほかに、ドリルチャックへ挿入するため片方の先端には切削チップがあり、もう片方の先端には複数タイプのシャンクがあるという特徴もあります。

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    ツイストドリルビットの歴史

    ツイストドリルビットは、1860年代の初めにアメリカ人メカニック、スティーブン・アンブローズ・モールスによってマサチューセッツで発明されました。彼が地元で創業し成長させた会社Morse Cutting Toolsは、約150年経った今も、金属切削工具のデザインと製造で、アメリカはもとより国際市場で広く知られています。

    モールスの当初のコンセプトは、とがった先端を持ち、切断材料(削りくず)を押し出しつつ穴から遠ざけさせる、シャフト脇に溝の付いたドリルビットを製造する事で、使いやすさと穴あけ作業の正確さを向上させるというものでした。

    それを実現させるべく、彼は現在よく知られている、ねじれ溝もしくは二重螺旋溝の形を作成するため、シリンダー状の金属棒の両サイドに2つの溝部を切り込み、次にその棒を重回転下でねじる、という早期製造過程の特許を取得しました。以来、実際の製造メカニズムは大幅に機械化され合理化されたとはいえ、モールスが当初考案した、ねじって螺旋溝を成形するというこのメソッドが、現在に至るまでこのドリルビットの名を知らしめる要因となっています。

    ツイストドリルビットの原理

    ツイストドリルビットについている「ねじれ」は、穴を空ける際に、次のような大事な役割を果たしています。

    ツイストドリルビットのねじれで切りくずを除去

    ツイストドリルビットのねじれは、穴を空ける際に切りくずを除去する役割を果たします。 対象物に穴を空けていくと、穴を空けた部分の切りくずが穴の中に溜まりますが、ドリルビットのツイストは、穴を空けながら切りくずを外へと排出するため、切りくずが溜まることはありません。

    ツイストした形状は、切りくずを効率よく外に排出させ、作業効率を高めることを目的としています。

    ツイスト ドリルビットにおけるねじれの大小の違い

    ツイストドリルビットのねじれの大小により、切りくずが排出されるまでの距離に違いが現れます。ねじれが大きい場合は、ドリルビットにより作られる溝と溝の幅が広くなり、角度が深くなることから、切りくずが外に排出されるまでの距離が長くなるため、切りくずが詰まりやすくなります。 反対にねじれが小さいと、溝の幅と幅が狭くなり角度が浅くなるため、切りくずが詰まりにくくなります。

    以上のように、ツイストドリルビットのねじれ方の違いにより、空けた穴の中での切りくずのつまり方にも違いが発生します。

    ツイストドリルビットの製造方法

    現在、ツイストドリルビットの製造は、棒鋼(または、一部の製品の場合は他の素材)を万力などで固定し、適切に調整された研磨ホイール上を高速で回転させつつ通過させることにより行います。

    ツイストドリルビットの製造過程では、ドリルビットのシャフト周辺の溝に特定の角度を出すため、研磨ホイールの軸をさまざまな角度に変えます。28~32度の螺旋度はほぼすべてのツイスト ドリルビットの基準規格で、大半の一般的な穴あけ作業や材質に適合するとみなされています。

    しかしながら、ある種の特化した用途や材質には幾分異なる螺旋度が適していることもあり、そのような用途のため、基準規格外のツイスト ドリルビットが広く製造されています。

    高速スパイラルツイストビット

    • 螺旋度が基準規格のものより高く、通常34~38度です。
    • 高速スパイラル ビットは、溝の角度が高いため、削りくず、切りくずなどの除去された素材の排出性に優れており、硬い表面に穴を開けたり、際立って深い穴を開けることができます。

    低螺旋度ビット

    • 逆に、特定のシート材や、柔らかい金属など(特に真鍮やブロンズ)を含む、ある種の柔らかい素材には、基準規格より低めの溝角度のツイスト ドリルビットの使用にメリットがあり、これは12~22度が一般的です。
    • 螺旋角度を低くすることにより、穴に挿入した際ツイストドリルビットが引っ張られることや出口で引っかかることを抑制します。リーマーはこの目的の為に低溝角度(または場合によってゼロ角度)でデザインされた切削工具の代表例です。
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    ロングツイストドリルビット

    ロング ツイスト ドリルビットはプロ・趣味ユーザーを問わず、よく使われているドリル工具のひとつです。標準的な長さのドリルビットよりも深さのある物に穴あけ作業をする場合などに使われます。例えば、ドア上下部分に防犯ラッチを設置する場合、対象の端から最大約30センチの深さにまで穴を開けなければならないことがあります。

    このように、日常の作業に欠かせないロングツイストドリルビットですが、主な欠点は、掘り進むにつれ、ずれが生じやすいことです。さらに、ロングツイストビットは直径が細いと短いビットより折れやすく、深く掘り下げるために強い力が加えられた際は折れやすくなります。ツイストドリルビットにはショート形のものもあります。

    リバースツイストドリルビット

    リバースツイストドリルビットはその名の通りの仕事をします。手持ちのドリルセットでリバース回転方向(反時計回り)に使用するよう設計された商品です。ドリルが反転することにより単純にカッティングエッジが穴の内部で逆回転する通常の基準規格ドリルビットとは異なり、リバースツイストドリルビットは切削溝の表面が逆方向に機械加工されています。

    つまり、リバースビットがチャックに装着され、ドリルが反時計回りに回転する時、このビットは、基準のドリルビットが行うのと同様の切削作業を前進しながら(時計回りで)行うのです。これはスクリューのスロットが潰れたり崩れたりした際のスクリュー引き抜きに非常に有効です。さらに、リバースビットは一般的に左利き用ツイストドリルビットとして知られています。

    高速ツイストドリルビット

    ツイストドリルビットは通常、高品質スチールで製造されています。中でも、以下の2つの特殊配合のスチールがよく使われます。

    ハイスピードスチール、または高速度鋼

    • ハイスピードツイストビットは、事実上、標準タイプのドリルビットです。ハイスピードスチールツイストビットはどれも、一般的な穴あけ作業に適しています。
    • ハイスピード スチール ツイストビットは強度(硬度)を失う事なく金属の穴あけで生じる摩擦増加による高温に耐えられるよう製造されており、各種金属のワークピースや表面の穴あけに必須です。

    カーボンスチール

    • これに対し、木材の穴あけ作業のみの使用であるならば、カーボンスチールツイスト ドリルビットを選ぶと良いでしょう。
    • カーボンスチールツイストビットはハイスピードスチール製品と比較すると柔軟性が低く、回転力と温度の高い環境では折れやすい傾向がありますが、木材や複合木材などの穴あけ作業ではそのような問題はほとんど起きないでしょう。
    • 砕けやすく強固さに劣るとはいえ、ハイスピードスチールツイストビットと比較し低価格のカーボンスチールツイストドリルビットは特に高温度下での作業、もっぱら木材の穴あけ用途にはコストパフォーマンスの高い選択肢です。

    硬度と穴あけ速度を向上させるには、超硬チップ付きとコバルトスチールといった選択肢もあります。しかし、コバルトスチールビットは非常に硬く砕けやすいため、不用意に扱うと折れることがあり、使用するにはそれなりのスキルが求められるので注意が必要です。

    ツイストドリルビットのサイズ

    ツイストドリルビットの購入の際、メーカーのガイドラインやサプライヤーの仕様書に記載されているビットサイズはドリルビット本体の長さと直径を表しています。

    プロ・趣味ユーザーが通常使用するドリルビットセットにあるツイスト ドリルビットの最大サイズは25mm~30mmが相場です。特別に重切削な加工を多量に引き受けていない限り、家まわりの使用用途においては小さく短いツイストドリルビット各種を利用するのが一般的です。

    ビットのサイズはメートル法(mm)または帝国法(1/32インチ、1/2インチなど)で記載されていること、また、現在入手可能なツイストドリルビットセットには、幅広いサイズのビットが含まれており、日常的な仕事をこなすのには十分であることを覚えておきましょう。小さなツイストドリルビットは精密な穴あけ作業や、小さく複雑な備品や留め具、金物類などの取り付けに使用されます。

    さらに、使用するドリルに必要なツイストドリルビットのシャンクサイズにも注意してください。一般的には、家庭用コードレスドリルの上部チャックサイズは10mm(もしくは3/8インチ)ですが、大型で強力なドリルには、太く長いビットが使える、より大きなシャンクサイズに対応しているものがあります。

    通常より深い、もしくは幅広口径の穴あけ作業をよく行うのであれば、幅広シャンクに対応可能な、より大きなチャックの付いたドリルを探すことをおすすめします。

    ツイストドリルビットを購入

    金属用ツイストドリルビット

    前述したように、通常は、普通のスチールやカーボンスチールの木材切削用ドリルビットで金属を切削することはできません。

    特に、スチールなどの非常に硬い材質や表面の作業には使えません(スチールにスチールで穴を開けようとしても、穴が開くのが先なのか、ドリルビットが折れるのが先なのかは誰にも分かりません)。しかし、強硬な金属切削作業用に製造された強固な切削工具が販売されており、金属対応用の処理加工やコーティング加工、チップ付きのツイスト ドリルビットなどの豊富なラインナップがあります。

    その中でも最大に普及しているのはチタン ツイスト ドリルビットとコバルトドリルビットです。通常の高速スチール(ハイスピードスチール)ドリルビットと同様、金属の穴あけ作業用として製造されています。チタンとコバルト ドリルビットの相違点は、チタン製はチタン酸化物(もしくはチタン窒化物TiNドリルビットとしても知られている)コーティング加工によって強化されており、コバルトスチールツイストドリルビットは固形のコバルトスチールから作られているという点です。

    チタン製は特別な酸化物コーティング加工によって強度が増しているとはいえ、その製造過程が理由で、長年の板金作業に伴い鈍くなり劣化しても研磨はできません。一方で、コバルト スチール ツイスト ドリルビットは固形の断片から製造されているため研磨が可能です。非常に堅く研磨性があり、チタン、鋳鉄、ステンレス鋼などの非常に硬い金属の穴あけ作業に適しています。

    コバルトスチールの代替の選択肢にはカーバイドとカーバイド チップ付きツイスト ドリルビットもあります。超高速切削が可能で、耐用性も高い製品です。しかしながら、強度の増加と引き換えに脆性も高いため、自分の経験値や作業する材質、求めている耐用性などをふまえ、自分にとってどれが最適なのかを見極めて購入する必要があるでしょう。

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