- 発行日 2023年6月1日
- 最終変更日 2026年8月5日
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ZigBeeとは?Bluetoothとの違いと選定の注意点
Zigbeeは、低消費電力のセンサネットワークやスマートホーム機器、設備管理などで利用される、IoT向けの無線通信規格の一つです。この記事では、Zigbeeとはどのような通信規格なのか、Bluetoothとの違い、メリット、使用上の注意点を解説します。

ZigBeeとセンサネットワーク
身の回りのさまざまな機器が通信し合うIoTネットワークでは、端末の配置や状態が変わっても通信を維持できる仕組みが求められます。アドホックとは、ネットワークの文脈では、固定された通信経路に依存せず、ノード間でその場の状態に応じて通信経路を構成する方式を指します。
一般的なコンピュータネットワークや電話網では、アクセスポイント、交換機、基地局など、各端末を受け入れて通信を制御する機器が存在します。一方、IoTネットワークでは、端末がいつ、どこに設置されるか、また状態がどのように変化するかを事前に固定しにくい場合があります。そのため、通信ルートをあらかじめ固定するだけでは運用しにくく、各所に分散した端末同士が必要に応じてネットワークを形成し、状態に合わせて組み替えられることが重要になります。
中継機能を持つノードで構成されるネットワークでは、送り手から受け手まで複数のノードを経由して情報を伝達します。このようなマルチホップ通信を利用すると、直接電波が届きにくい場所でも、途中のノードを介して通信経路を構成できます。また、分散配置された機器でネットワークを構成するには、配線に依存しない無線接続が適しています。そのため、周波数、変調方式、通信方式、消費電力、法規制などの条件を踏まえて通信規格を選定する必要があります。
センシングと制御
家庭、オフィス、工場などでは、防災、防犯、設備管理、環境制御のために多数のセンサやスイッチが利用されます。物流や医療・介護施設の分野でも、人や物品の位置、状態、温度、振動などを把握できれば、管理や品質維持に役立ちます。温度、照明、空調、機器の稼働状態などを管理・制御するには、多数の端末から小容量のデータを継続的に取得する仕組みが必要です。
こうした用途では、従来型の有線ネットワークや一般的な無線LANを利用することもできます。ただし、端末数が多く、電池駆動で長期間運用したい場合や、設置場所の変更が想定される場合には、低消費電力で小容量データを扱えるセンサネットワークが選択肢になります。こうしたネットワークは、家庭、工場、ビル管理、物流などでIoTネットワークを構成する際の基盤技術の一つです。
FA(ファクトリーオートメーション)やBA(ビルオートメーション)などの制御システムでは、センサ、モータ、バルブなどのフィールド機器が多数配置され、検出と制御が行われます。これらの分野では有線のフィールドネットワークも広く使われていますが、配線工事の負担を抑えたい場合や、設置場所の自由度を高めたい場合には、無線センサネットワークの活用が検討されます。
Zigbeeとは?
Zigbee(ジグビー)は、低速・低消費電力の無線通信を前提とした、IoT機器やセンサネットワーク向け通信規格の一つです。ZigbeeはIEEE 802.15.4を基盤とし、その上位層としてネットワーク層やアプリケーション層の仕様を定めることで、メッシュネットワークや機器間の接続・制御を可能にしています。
Zigbeeの主なメリットは、低消費電力で小容量データを扱いやすく、センサや照明など多数の端末をネットワーク化しやすい点です。一方で、使用時には機器同士の互換性、認証状況、対応周波数帯、技術基準適合証明、実際の電波環境を事前に確認しておく必要があります。
Zigbeeは、もともとZigbee Allianceによって策定・推進されてきました。その後、Zigbee AllianceはConnectivity Standards Alliance(CSA)に名称変更しており、Zigbeeは現在、CSAが策定・管理するIoT向け通信規格の一つとして扱われています。CSAはZigbeeのほか、スマートホーム関連規格であるMatterなども扱っています。
近年は、Bluetooth Low Energy(BLE)、Bluetooth Mesh、Thread、Matterなど、IoTやスマートホームに関係する通信規格・標準も増えています。その中でZigbeeは、低消費電力のメッシュネットワークを構成できる無線通信規格として、スマートホーム機器、照明制御、センサ、設備管理などで利用されています。
また、Zigbeeは現在も仕様の更新が続いており、2025年にはZigbee 4.0が発表されました。Zigbee 4.0では、従来のZigbee 3.0やSmart Energyとの後方互換性を保ちながら、セキュリティ、相互運用性、ネットワーク安定性、デバイスの初期設定などの改善が図られています。
Zigbeeの名称は、ジグザグ(zigzag)に動くミツバチ(bee)に由来するとされ、複数のノードが経路を構成しながら通信する様子を表しています。
※Zigbee®は、Connectivity Standards Allianceの登録商標です。
Zigbeeは、IoT機器やセンサネットワークに適した通信方式として設計されており、ネットワークトポロジーとしてスター、ツリー、メッシュなどに対応します(図1)。各端末の役割は、ネットワーク形成を管理するコーディネータ、データを中継するルータ、センサやスイッチなどの末端機器として動作するエンドデバイスに分けられます。
◀図1:ZigBeeのトポロジー
ZigBeeとBluetoothの違い
ZigbeeとBluetoothの違いは、主に想定用途とネットワーク構成にあります。どちらも近距離無線通信に使われる規格ですが、Zigbeeは、センサや照明などの小容量データを低消費電力でやりとりする用途や、メッシュネットワークの構築に向いています。一方、Bluetoothは、スマートフォン、パソコン、イヤホン、キーボード、ウェアラブル機器など、身近な機器との接続に広く利用されています。
接続できる機器の違い
Bluetoothは、スマートフォン、パソコン、タブレット、オーディオ機器、ゲーム機、ウェアラブル機器など、多くの市販製品に搭載されています。既存のスマートフォンやパソコンと接続しやすいため、ユーザーが日常的に利用する機器との連携ではBluetoothを選びやすくなります。
Zigbeeは、一般消費者がさまざまな機器を直接つなぐ用途よりも、照明、センサ、スイッチ、スマートホーム機器、設備管理用端末など、専用ネットワーク内で使われることが多い規格です。Zigbee対応機器同士、またはZigbee対応ハブやゲートウェイを介して利用する形が一般的です。日常的に使う機器との接続しやすさではBluetoothが有利ですが、専用ネットワークを構成して多数の端末を管理する用途ではZigbeeを検討しやすくなります。
同時に接続できる機器台数の違い
Zigbeeは、多数のノードを含むネットワークを構成できる点が特徴です。規格上は多数のノードを扱えますが、実際に安定して運用できる端末数は、ネットワーク構成や通信頻度、設置環境、機器性能などによって変わります。
Bluetoothも用途によって接続可能な機器数が異なります。従来のBluetooth Classicでは周辺機器との接続が中心でしたが、現在はBLEを基盤としたBluetooth Meshも利用されており、単純に「Bluetoothは少数接続、Zigbeeは多数接続」とだけ整理すると不正確です。実務上は、スマートフォンやパソコンとの接続を重視するならBluetooth、センサや照明など多数の端末を専用ネットワークとして管理するならZigbee、というように用途で考えるとよいでしょう。
相互接続性の違い
Bluetoothは、対応製品の数が多く、スマートフォンやパソコンとの接続性に優れています。ユーザーが既に所有している端末と連携しやすく、汎用的な周辺機器接続に向いています。
Zigbeeは、認証、プロファイル、メーカーごとの実装、利用するハブやゲートウェイによって相互接続性が左右されます。Zigbee対応と表示されていても、すべての機器があらゆる環境で相互接続できるわけではありません。一方で、用途やシステム要件に合わせて専用ネットワークを構築しやすい点はZigbeeの特徴です。相互接続性を重視する場合は、対応する仕様やプロファイル、認証状況、利用予定のハブやコントローラとの互換性を事前に確認しておくとよいでしょう。
通信速度の違い
通信速度を重視する用途では、一般にZigbeeよりもBluetoothの方が適しています。音声、周辺機器連携、データ転送など、比較的まとまったデータを扱う用途ではBluetoothが選ばれることが多くなります。
Zigbeeは、2.4GHz帯では最大250kbpsの低速通信を前提としています。そのため、画像、音声、動画などの大容量データ転送には向きません。Zigbeeは、温度、湿度、照度、スイッチのオンオフ、機器の状態など、小容量のデータを必要なタイミングで送受信する用途を想定しています。通信速度の高さよりも、低消費電力やネットワーク構成、端末数、運用期間を重視する用途で使いやすい規格です。
通信距離の違い
通信距離は、規格名だけで一律に判断できません。ZigbeeもBluetoothも、出力、アンテナ設計、周波数帯、障害物、設置環境、端末の無線仕様によって通信可能距離が変わります。
Zigbeeは、個々の端末間の通信距離だけでなく、ルータを介したメッシュネットワークによって通信経路を広げられる点が特徴です。一方、Bluetoothも出力クラス、BLEの仕様、Bluetooth Meshの利用有無などによって通信距離やネットワーク構成が変わります。したがって、通信距離を比較する際は、規格の代表値だけでなく、実際の設置環境とネットワーク構成を前提に評価する必要があります。
セキュリティレベルの違い
ZigbeeとBluetoothはいずれも、暗号化や認証に関する仕組みを備えています。ただし、セキュリティの水準は規格名だけで決まるものではなく、実装や初期設定、鍵管理、ファームウェア更新など、設計・運用の仕方に大きく左右されます。
Zigbeeは、専用ネットワーク内で特定の機器同士を接続する用途が多いため、利用範囲を限定しやすいという面があります。一方で、対応機器が少ないこと自体をセキュリティ上の優位性と考えるのは適切ではありません。実際の安全性を確保するには、認証済み製品を選び、鍵管理や初期設定、不要な機器参加や接続経路の制限、ファームウェア更新などを確認しておくことが重要です。
Bluetoothも、用途やバージョンに応じてセキュリティ機能が用意されています。スマートフォンやパソコンとの接続を前提とする場合は、ペアリング方式や接続先の管理、OSやアプリの更新状況も確認対象になります。
消費電力の違い
Zigbeeは、センサのように小容量データを間欠的に送信する用途に適しており、スリープ状態を活用しながら長期間動作させやすい点が特徴です。電池駆動のセンサやスイッチでは、必要なときだけ通信し、それ以外の時間は低消費電力状態にすることで、電池寿命を延ばしやすくなります。
ただし、現在はBluetoothにも低消費電力用途を想定したBLEが広く利用されています。「Zigbeeは低消費電力、Bluetoothは消費電力が大きい」と単純に比較するのではなく、通信頻度、送信データ量、スリープ設計、接続先、使用するチップやモジュールの仕様を踏まえて比較する必要があります。
多数のセンサを長期間電池で動作させる専用ネットワークではZigbeeが適することがあります。一方、スマートフォン連携やウェアラブル機器などではBLEが向く場合があります。
コストの違い
ZigbeeとBluetoothの導入コストは、モジュール価格だけでは判断できません。開発環境や認証、ソフトウェア実装、量産規模、保守体制まで含めて比較する必要があります。Zigbeeは、用途が明確で認証済みモジュールや既存スタックを活用できる場合、低消費電力の専用ネットワークを効率よく構築できる可能性があります。
一方、スマートフォンやパソコンとの接続を前提とする製品では、Bluetoothを利用した方が開発や運用を進めやすい場合があります。Zigbeeは、多くの場合、スマートフォンやパソコンと直接接続する構成ではなく、専用ハブやゲートウェイが必要になることもあるため、システム全体の構成まで含めてコストを見積もる必要があります。
Zigbeeの通信構造と低消費電力の仕組み
Zigbeeの通信構造は、無線通信の基本部分、Zigbeeとしてネットワークやセキュリティの仕組みを定める部分、ユーザーが利用するアプリケーション部分に分けて理解できます(図2)。物理層(PHY)とMAC層にはIEEE 802.15.4が用いられ、その上位にZigbeeのネットワーク層やアプリケーション層が位置します。
IEEE 802.15.4は、低速・低消費電力の無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)向けに策定された規格です。ZigbeeはこのIEEE 802.15.4を基盤として、メッシュネットワーク、機器の役割、セキュリティ、アプリケーション連携などを扱います。
IEEE 802.15.4はその後も改訂が続いているため、製品設計やモジュール選定では、IEEE 802.15.4の対応仕様、Zigbeeの仕様・認証、利用する周波数帯、技術基準適合証明の有無を確認しておくことが重要です。
◀図2:ZigBeeのレイヤー構造デジタルオシロスコープの信号取り込み範囲
IEEE 802.15.4の特徴は、短距離・低速の小容量データ通信に適していることです(図3)。2.4GHz帯では、通信速度は最大250kbpsです。Zigbeeを利用するセンサや機器で扱うデータは、温度、湿度、照度、スイッチのオンオフ、機器の状態などが中心であり、動画や音声のような大容量データ転送は想定されません。
Zigbeeでは、多数のノードをネットワーク内で管理できます。ただし、実際の接続台数や通信品質は、ネットワーク構成や通信頻度、端末性能、設置環境などによって変わります。
◀図3:IEEE 802系の各通信方式と適用範囲
図4に、代表的な通信方式におけるS/N比(SNR)とBER(Bit Error Rate)の関係を示します。Zigbeeは、低速・小容量データ通信を前提とした方式であり、センサ情報や機器状態などを必要なタイミングで送受信する用途に適しています。センサネットワークでは、通信速度の高さよりも、必要なデータを安定して送れること、端末の消費電力を抑えられることが重要になります。
◀図4:SNRとBERの特性比較
Zigbeeでは、ネットワーク層から上のプロトコルスタックとして、ネットワーク接続、ルーティング、セキュリティ、アプリケーション連携などが規定されています。
Bluetoothは、スマートフォンやパソコン、周辺機器などとの接続に広く使われる規格です。一方、Zigbeeは、センサ、スイッチ、照明、設備機器などを低消費電力のネットワークで接続する用途に向いています。Zigbeeでは、用途に応じてプロファイルを利用したり、システム要件に合わせて設計したりできるため、設備監視や状態管理のように機器の種類や構成が多様な場面でも利用しやすい面があります。
Zigbeeの規格や認証の枠組みは、当初のZigbee Allianceから現在のCSAへと引き継がれています。現在は、2000年代当時の「本格的普及はこれから」という段階ではなく、既存のIoT・スマートホーム・センサネットワーク向け通信規格の一つとして位置づけられます。
ZigBeeと無線モジュール
取材協力:NECエンジニアリング株式会社(現 NECプラットフォームズ株式会社)
ここまで、Zigbeeの基本的な特徴やBluetoothとの違いを整理しました。ここからは、取材協力に基づき、Zigbeeを含むIEEE 802.15.4系の無線通信を機器設計で利用する際の考え方を、無線モジュールの選定・活用の観点から紹介します。
無線センサ応用 ~ 名前に惑わされない ~
Zigbeeの応用イメージが今ひとつはっきりしません。
「無線センサネットワーク」や「Zigbee」は、特定用途向けのテクノロジーだと考えられがちです。無線による機器接続には、無線LANやBluetoothなどもありますが、無線センサネットワークは、それらよりも広い概念です。
例えば図5は、生産工場で完成した製品をトラックで輸送し、倉庫に保管するシステムの例です。製品を収めたコンテナには、GPS受信機と振動・温湿度センサを搭載したZigbeeモジュールが取り付けられており、工場の出荷ゲートで出荷が確認されます。同様に、倉庫の入庫ゲートでは員数と時刻を非接触で自動チェックします。輸送中の庫内温度や振動なども位置情報とともにモジュールに記録されており、入庫時にまとめて取得できます。
このように、入出庫の管理に加えて、輸送に起因する製品不具合の解析や品質管理にも活用できます。物流管理ではRFID(ICタグ)なども利用されますが、Zigbeeを利用することで、センサ情報を含めた管理システムへ拡張できます。また、家電製品や設備機器では赤外線リモコンが利用されることもありますが、赤外線は対象機器に向ける必要があり、ネットワークとしての機能も限定的です。無線センサネットワークを利用すれば、複数機器の状態取得や制御をネットワーク化しやすくなります。
◀図5:物流でのZigBee応用
Zigbeeのシステム要求とネットワーク形態 ~ 選択に幅を持つ ~
必ずZigbeeを使わないといけないのですか?
Zigbeeは、無線センサネットワークを実現するための一つの手段です。「Zigbeeでなければ無線センサネットワークではない」というわけではありません。実現したいシステムの要件に合わせて、通信方式、ネットワーク形態、モジュールの種類を選び分けます。
図6は、無線センサネットワーク用モジュールの構成例です。[A]は、無線部分(物理層/MAC層)をIEEE 802.15.4準拠とし、上位側の仕様を独自に構成するタイプです。実際には、モジュールメーカーなどが独自仕様で提供しているものを利用する場合があります。多くの場合、[A]のタイプではメッシュトポロジーに対応しないなど機能を簡略化していますが、他メーカー機器との接続を見込まないなど条件が合えば、設計面の手軽さやコスト面で有利になることがあります。
[B]と[C]はZigbeeに則った方式で、規格で定義されたプロファイルを使うか、独自プロファイルとするかが主な違いです。Zigbeeでは、機器の用途やアプリケーション機能、相互接続に必要な仕様を「プロファイル」として定義します。既定のプロファイルを利用すれば相互接続性を確保しやすくなりますが、独自プロファイルを使うことで、特定用途に合わせたシステムを構成しやすくなります。ただし、独自プロファイルを利用する場合は、設計・検証・保守の負担が増す点に注意が必要です。
◀図6:無線モジュールの種類
Zigbeeのレイヤー構造と概要 ~ ミツバチの正体 ~
Zigbeeの規格では、どのようなことが規定されているのですか?
図7に、Zigbeeのレイヤー構造を示します。ネットワーク層から上、アプリケーションにつながる部分までがZigbeeで定義された部分です。図中のZigbee Allianceは、現在のConnectivity Standards Alliance(CSA)の旧名称です。機器の用途やアプリケーション機能、相互接続に必要な仕様を「プロファイル」として定義する点は、前項で述べたとおりです。
◀図7:Zigbeeのレイヤー構造
Zigbeeでは、接続機器の論理的なタイプとして、コーディネータ、ルータ、エンドデバイスの3種類が定義されています。ネットワークには1つのコーディネータが必要で、エンドデバイスは親ノードとなるルータまたはコーディネータと接続します(図8)。また、1つのネットワーク内で多数のノードを管理でき、1台の機器に複数のエンドポイントを設けることもできます。エンドポイントとは、アプリケーションを識別する構造単位のことです。
Zigbeeには、メッシュネットワークを構成するためのネットワーク層やアプリケーション層の仕様が定められています。仕様や認証の枠組みは更新されるため、製品設計やモジュール選定では、利用するモジュールやスタックがどの仕様・認証に対応しているかを確認します。
◀図8:ネットワークトポロジー
無線部分はIEEE 802.15.4を基盤としています。図9に、IEEE 802.15.4の代表的な無線部仕様を示します。利用できる周波数帯が国や地域によって異なるのは、無線機器として各国の法規制に従う必要があるためです。なお、表で示すデータレートは無線部の物理的な通信速度です。実際のシステムでは、接続確認、再送要求、制御情報なども必要になるため、アプリケーションが実際に利用できる情報レートはこれより低くなります。
◀図9:無線部仕様
Zigbeeの選定と注意点 ~ ブラックボックス化すべし ~
どこから手を付ければよいか分かりません。
Zigbee機器を製品化する際は、相互接続性、Zigbee関連の認証、各国の無線規制への適合が確認対象になります。日本で無線機器として使用する場合は、技術基準適合証明などの法規制への対応も重要です。認証済みの無線モジュールを利用すれば、無線部の設計や認証に関する負担を軽減できる場合があります。ただし、最終製品として必要な確認や認証の範囲は、製品構成や販売地域によって異なります。モジュールメーカーの資料や認証条件も、あわせて確認しておく必要があります。
◀図10:モジュールとスタータキットの例
モジュールの制御方法には、図11に示すように大きく二通りがあります。[A]は、ユーザーがZigbeeの内部レイヤーを直接操作する方法で、設計の自由度がありますが、慎重な設計と検証が必要です。認証や相互接続性の面でも、設計者側の責任範囲が大きくなります。
一方の[B]は、Zigbeeを呼び出すAPI(Application Programming Interface)を、シリアルインターフェースなどを介して制御する方法です。内部処理をモジュール側に任せられるため、ソフトウェア設計の負担を抑えやすく、動作の安定化にもつなげやすくなります。機器設計では、通信内容や通信頻度、スリープ時間、電源容量、使用環境を踏まえて消費電力を計算し、電池寿命を見積もることも重要です。
◀図11:モジュールの制御法
参考情報
[1] Connectivity Standards Alliance, “The Connectivity Standards Alliance Announces Zigbee 4.0 and Suzi: Empowering the Next Generation of Secure, Interoperable IoT Devices,” 2025年11月18日


